古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

閑話休題 2(クラゲ刺傷)

2014-08-14 16:27:50 | 日記
お盆に入り、お休みの長い方は連休をお楽しみのことでしょう。
古森病院@福岡市博多区です。

当院は入院ベットがある関係で、お盆もお正月もあまり関係ありませんが
今日、管理人は珍しくお休みでしたので、「家族サービスのため(笑)」
海水浴に行って参りました。

「お盆には海にはクラゲがいるので、8月中旬からは海水浴に行ってはいけない」と
幼少時から教育を受けてきた管理人ですが、上の子が海が大好きで
今年は諸般の事情で今までいけなかったこと、
管理人も女子(笑)であることから、日焼けしたくなく
最低でも曇りの日でないと海水浴にはいけないことから
条件が重なった今日行くこととしました。

お盆に海に行ったのは初めてですが
がらがらで、ちょうどよかったです。
貸切ではありませんが、40人くらいしかいなかったのではないでしょうか?

私の死んだ父親が「海に行く時は 救命胴衣持参で」という人だったので
私もそれに倣い、毎年 家族全員で救命胴衣を着用して
海水浴を楽しんでおります。かなり目立ちますが・・・

救命胴衣を着用すれば、上半身がしっかり浮くので、脳卒中後の方でも
不全麻痺の方など海水浴が楽しめるかもしれません。プールはあれもダメ
これもダメ と制約が多すぎます。

それはさておき、
やはりやられてしまいました。
そうクラゲです。
刺されたのは家族の中でも私だけ、クラゲの種類は不明ですが、ほとんど
透明で、茶色い触手でした。
クラゲに刺されたのは 生まれて初めてですが、ヒリヒリして痛いです。

管理人はいつもカバンの中に 解熱鎮痛剤とハイドロコロイド製剤(キズパワーパッドが有名ですが
高すぎるので、別途amazonで購入したものを使っています)を持ち歩いています。
熱傷にはハイドロコロイドの貼付が疼痛緩和に役立つのですが(冷水より効果的です。
10分我慢すれば、だいぶ楽になります)クラゲの刺傷の痛みが 熱傷の痛みに似ていることから
ハイドロコロイドを試しに貼ってみました。
これも10分くらいで痛みが半分以下になり、自制内(我慢できる程度)です。
呼吸困難など他の症状がなく、
脹れの範囲があまり広がらない方には、とりあえずの応急処置で有効かと思います。
効かない方や、皮膚症状以外の症状が合併している方は、
病院に行ってくださいね。皮膚症状のみでしたら、キシロカインとステロイドが有効です。

管理人が使っているハイドロコロイド製剤はこちら 
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC-%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%AD%E6%95%91%E6%80%A5%E3%83%91%E3%83%83%E3%83%89-30%E6%9E%9A-80X100-%E5%8C%BB%E7%A7%91/dp/B0088LX94W/ref=sr_1_21?ie=UTF8&qid=1408002890&sr=8-21&keywords=%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%AD%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89

古森病院ホームページ http://komori-hp.cloud-line.com/

追記 土曜日に来院される皮膚科のドクターに伺ったところ
   クラゲ刺傷に密封療法(ハイドロコロイド貼付を含む)は有効とのことでした。
   刺された日の夕方から 痛くもかゆくもないので、一日たってからハイドロコロイドをはがしたところ
   たちまち痒くなったため、再度貼り直し、現在に至っています。3-4日放っておく予定です。

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エボラ出血熱

2014-08-12 22:52:25 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

少し前から西アフリカで流行しているエボラ出血熱について
神戸大学感染症科の岩田健太郎教授がスライドを作成、公開されておられ
共有自由とのことなので、URLを貼りつけます。

http://www.slideshare.net/kentaroiwata1969/ebola140809-37834714?qid=4c635ba7-e602-484a-bb4f-339c5b466580&v=default&b=&from_search=1

空気感染はしない、接触感染であるとのことなので
患者さんに接触しなければまず、一般の方は感染の可能性はないでしょう。

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診断書もろもろ

2014-08-11 17:58:33 | 日記
こんにちは。

ようやく夏らしくなってまいりました。
古森病院@福岡市博多区対馬小路です。

内科外来をやっておりますと、
時々、一見さんから診断書を求められることがございます。

それは、、
調理師、美容師、理容師、猟友会所属者、看護師はじめ医療従事者になる予定の方々です。

皆さん、免許の申請、ないし更新の際に監督官庁から
「この者は薬物中毒ではない」「精神疾患に罹患していない」という趣旨の
医師の診断書を求められ やってこられています。
免許の種類によりますが、薬物中毒の方や 一部の精神疾患の方には
当該免許は許可が下りない(欠格事由といいます)ということに法律でなっているからです。
初診の方も多いのですが、とりあえず管理人は問診して、診断書を書いています。
診断医の要件ですが、精神科医の指定があるものとないものがあります。

狩猟免許 https://www.pref.shizuoka.jp/kankyou/ka-070/documents/isinominasaama26.pdf#search='%E7%8C%9F%E5%8F%8B%E4%BC%9A+%E6%AC%A0%E6%A0%BC%E4%BA%8B%E7%94%B1+%E8%A8%BA%E6%96%AD%E6%9B%B8'

調理師免許  http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cmsdata/1/2/0/120c0d35b06f95e3bdc781e50a0f086e.pdf

理容師美容師免許 http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cmsdata/1/2/0/120c0d35b06f95e3bdc781e50a0f086e.pdf

この手の診断書記載は 医師の間でも物議を醸しており、
「自分は再診患者でないと書かない」「自分は責任が持てないので誰のも書かない」と
非難轟々、喧々諤々のシステムです。
真面目な医師になると、救急外来や警察で使うような抗精神病薬、抗不安薬、覚せい剤などの
違法薬物を検出する検査薬を購入して、当該診断書を要求する方の検査をし 
診断書を書く人もいます。(もちろん、文書料は高くなります)

(※ 狩猟免許に関しては、薬物検査を行います関係上、文書料が約5万円ほど
かかりますので、ご了承ください。また初申請でかつ初診の方の場合、身分証明書および
猟友会などからの紹介状や推薦状の持参をお願いします。)

医師会や厚労省は正式見解がどこかに文書であるのかもしれませんが(管理人は見つけられず)、
「どうやって診断するのか」という問い合わせの電話には「診察時に医師が判断すること」と回答してきます。
本気でやるのなら、違法薬物については警察で犯歴照会、あるいは保険者で
精神科受診歴の照会をしてもらえば良い話であり、そこまで要求しないということは
その程度のことなのだろう と管理人は割り切って、自分なりの基準で判断し、診断書を書いております。

病気の診断書に関しては、当院で診断ないし治療した方はもちろんお出しするのですが
困るのが、いきなり来られて「昨日まで発熱していたが、診断書を勤務先に出したいので
書いてもらいたい」という方です。
さすがに、発熱時に当院に受診されておられない方はお出しできないので、
丁重にお断りすることになります。
昔、病院の待合室という設定で「あの人は最近見ないねえ」「最近、体調が悪くて
病院に来れないらしいよ」
などという小噺が流行っておりましたが、診断書を書いてほしい方は、どんなにきつくても
何が何でも病院を受診して証拠を残してください。どんなにお困りであっても、書けないものは
書けませんので、宜しくお願い申し上げます。

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肺炎球菌ワクチン(PCV13)高齢者への適応拡大

2014-08-05 12:03:06 | 日記
こんにちは。

8月に入りましたが、じめじめと雨ばかり降っている今日この頃、
いかがお過ごしでしょうか?

古森病院@福岡市博多区です。

今日は、ちょっと前のことですが、
乳幼児の(2歳まで)定期接種メニューの一つであるPCV13ワクチン(肺炎球菌ワクチン、プレベナー13)が
高齢者に適応が拡大されたニュースをお伝えします。

認可されたのは今年の6月末でした。
ファイザーリリース
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2014/2014_06_20_02.html

http://www.info.pmda.go.jp/iyaku_info/file/kigyo_oshirase_201407_1.pdf#search='%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%8A%E3%83%BC+%E9%AB%98%E9%BD%A2%E8%80%85%E6%8E%A5%E7%A8%AE

高齢者は乳幼児と違って、1回打ち、筋肉注射のようです。


初めて適応拡大のニュースを聞いたとき、え?何でだろう と思いました。
PCV13接種は定期接種が2歳までなのですが、その理由は 2歳を超えると
ほとんどの子に肺炎球菌の免疫がつくから・・ということだったからです。

肺炎球菌について(横浜衛生研究所)
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/eiken/idsc/disease/pneumococci1.html

色々調べてみると、乳幼児にPCV7ないしPCV13を打ったところ、
成人の肺炎球菌による各種感染症の罹患率も減ったということが
論文で指摘され始めたから 今回の適応拡大につながったということのようです。

厚生労働省健康局結核感染症課予防接種室
平成26年7月16日
第10回予防接種基本方針部会資料
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000051453.pdf

ネットで見つけたブログ記事
http://yaplog.jp/dacho_okbokujo/archive/1275

今後、高齢者のニューモバックスと同様に プレベナー13が高齢者の定期接種ワクチンの
メニューに入るのか否か微妙ですが
(すでに乳幼児が定期接種化しているため、今後 乳幼児が肺炎球菌による感染症にかからなければ、
自ずから高齢者も同菌による感染症にかからないという理屈が成立します。)選択肢が増えることはいいことです。

古森病院ホームページ http://komori-hp.cloud-line.com/

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