古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

救命講習2015  & 心肺蘇生ガイドライン2015

2015-10-16 09:01:55 | 日記
おはようございます。古森病院@福岡市博多区です。
今年も毎年恒例の救命講習を福岡市防災センターの方に依頼して
行っていただきました。

当院は療養病床ですので、入院患者様の急変時に
心肺蘇生を行うことをご家族様が希望されることが少ないため
実際に蘇生を入院患者様に対し、行うことも少ないです。

ただし、蘇生を希望される入院患者様の心肺停止や外来や往来で倒れた方に遭遇した時に
医療人として 蘇生方法を身に着けて置くことが必要と考え
一次救命講習(AEDを含む)を行っております。
当院にはAEDはありません。しかし医師しか使えないものの
マニュアル式の除細動器はあります。

本日は心肺蘇生ガイドラインが欧州、アメリカ、日本で発表されました。
これは心肺蘇生の方法を5年おきに見直し、より救命率を上げるための方法へ
アップデートして発表されているものです。

アメリカ心臓病協会が日本語版を出してくれています。
https://eccguidelines.heart.org/wp-content/uploads/2015/10/2015-AHA-Guidelines-Highlights-Japanese.pdf

日本蘇生協議会の心肺蘇生ガイドライン2015(日本の消防や日赤の救命講習のテキストになるもの)
http://jrc.umin.ac.jp/pdf/20151016/1_BLS.pdf

早期に絶え間なく胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行うという圧迫重視の方針は変わりませんが、
従来毎分100回以上と漠然としていた圧迫リズムが 100~120回/分とわかりやすくなったことが今までの蘇生法との
大きな違いのようです。

救命講習につきましては、過去記事あり。
http://blog.goo.ne.jp/komori-hospital/e/d3a009bdf9df7778b45c7a0e5ecb55b9

古森病院ホームページ http://komori-hp.cloud-line.com/



第1章 一次救命処置(BLS)
「JRC蘇生ガイドライン2015 オンライン版」

一般社団法人 日本蘇生協議会
BLSのアルゴリズム


1.反応の確認と救急通報[ボックス1]
誰かが倒れるのを目撃した、あるいは倒れている傷病者を発見したときの手順(通報と CPR
開始の優先順位)は以下のとおりである。
・ 周囲の安全を確認する。
・ 次に、肩を軽くたたきながら大声で呼びかける。何らかの応答や仕草がなければ「反応
なし」とみなす。
・ 反応がなければその場で大声で叫んで周囲の注意を喚起する。
・ 周囲の者に救急通報(119 番通報)と AED の手配(近くにある場合)を依頼する。
・ なお、反応の有無について迷った場合も 119 番通報して通信指令員に相談する。
※119 番通報を受けた通信指令員は救助者との通話の間も通報内容から心停止を疑った時
点でただちに救急車の手配を行うことになっている。119 番通報をした救助者は、通信指令
員から心停止の判断と CPR について口頭指導を受けることができる。

2.呼吸の確認と心停止の判断[ボックス2]
傷病者に反応がなく、呼吸がないか異常な呼吸(死戦期呼吸)が認められる場合、あるい
はその判断に自信が持てない場合は心停止、すなわち CPR の適応と判断し、ただちに胸骨圧
迫を開始する。
市民救助者が呼吸の有無を確認するときには、医療従事者や救急隊員などとは異なり、気
道確保を行う必要はない。胸と腹部の動きを観察し、動きがなければ「呼吸なし」と判断す
る。死戦期呼吸はしゃくりあげるような不規則な呼吸であり、心停止直後の傷病者でしばし
ば認められる。死戦期呼吸であれば、胸と腹部の動きがあっても「呼吸なし」すなわち心停
止と判断する。なお、呼吸の確認には 10 秒以上かけないようにする。

3.胸骨圧迫[ボックス3]
すべての救助者は、訓練されていてもそうでなくても、心停止の傷病者に胸骨圧迫を実施
するべきである。質の高い胸骨圧迫を行うことが重要である。
1)CPRの開始手順
CPR は胸骨圧迫から開始する。傷病者を仰臥位に寝かせて、救助者は傷病者の胸の横にひ
ざまずく。
2)胸骨圧迫の部位・深さ・テンポ
胸骨圧迫の部位は胸骨の下半分とする。深さは胸が約 5cm 沈むように圧迫するが、6cm を
超えないようにする。1分間あたり 100~120 回のテンポで圧迫する。
なお、小児における深さは胸の厚さの約 1/3 とする。
3)胸骨圧迫解除時の除圧
毎回の胸骨圧迫の後には、胸を完全に元の位置に戻すために、圧迫と圧迫の間に胸壁に力
がかからないようにする。ただし、胸骨圧迫が浅くならないよう注意する。
4)胸骨圧迫の質の確認
複数の救助者がいる場合は、救助者が互いに注意しあって、胸骨圧迫の部位や深さ、テン
ポが適切に維持されていることを確認する。
5)CPR中の胸骨圧迫の中断
CPR 中の胸骨圧迫の中断は最小にすべきである。人工呼吸や電気ショック(後述)を行う
ときに胸骨圧迫を中断するのはやむを得ないが、これらの場合でも胸骨圧迫の中断は最小に
すべきである。
6)救助者の交代
疲労による胸骨圧迫の質の低下を最小とするために、救助者が複数いる場合には、1~2 分
ごとを目安に胸骨圧迫の役割を交代する。交代に要する時間は最小にする。



さて一次救命処置で、胸骨圧迫を中止してよい基準が3つあります。
どんなときでしょう・・?

回答
①AEDに胸骨圧迫をやめてください といわれた時
②救急隊あるいは病院の二次救命処置チームに引き継ぐ時
③患者さんが息を吹き返した時


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