古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

慢性便秘症診療ガイドライン

2018-11-04 17:33:40 | 趣味
古森病院@福岡市博多区です。

何回か記事にしたことがありますが、
医学部の授業はありふれた病気については あまり触れられることがありません。
(感冒、加速度病(乗り物酔い)、その他もろもろ)

その中の最たるものの一つ 便秘症について 
ついに診療ガイドラインが発売されました。

慢性便秘症診療ガイドライン
https://www.nankodo.co.jp/g/g9784524255757/

管理人も早速購入して 読んでみましたが、
強く推奨される保険治療薬剤は ほぼ酸化マグネシウム(商品名カマグ)、ルビプロストン(アミティーザ)のみ
(酸化マグネシウムは高齢者や腎機能低下患者は使用に注意が必要)
という結果で やはり・・という感じです。

上記診療ガイドラインには書かれていないのですが
大腸内視鏡検査の前処置で使用されるポリエチレングリコール製剤(マクロゴール)や
クエン酸マグネシウムは味が非常に美味しくないものの、体内に吸収されにくいことから 
腸管洗浄に使用され 宿便が物理的に押し流されるため
便秘の方にもすぐれた治療薬です。しかし今まで便秘症の保険収載がかないませんでした。

汎用されている刺激性下剤(センナ、大黄など)は瞬間的な効果はあるものの
連用するとすぐに効かなくなってきて、処方量を増やしても一時的しのぎにしか
なりません。

そこで
仕方がないので保険収載された便秘治療薬の処方だけではどうにもならない患者様に関しては、
管理人はやむなく、自費診療で
クエン酸マグネシウムを高張溶液メニューで実費で販売するという手段を
取っていたところ

ここにきて、ついにポリエチレングリコール製剤が保険収載されるというニュースが先日飛び込んできました。

モビコール配合内用剤 国内製造販売承認取得のお知らせ
https://www.eapharma.co.jp/news/2018/0921.html
(2歳以上に使用可能)

とにかく味がおいしくないので、2歳以上に投与可能でも、小児には受けないと思います、、、
小児の腹痛の原因の第一位は便秘症ですが。
(大腸内視鏡検査前などで使用する場合は 飴などをなめながら飲んでいただいています)

同社からは本年4月にエロビキシバット(商品名グーフィス)も発売されており
今まで効果がいまいちで、選択の幅が乏しかった「お通じ」の治療薬に選択肢が増えたことは喜ばしいことです。

ちなみに・・・

管理人も昔から便秘がちなのですが、医者の例にもれず、薬嫌い注射嫌いの管理人は
乳酸菌(ヨーグルトかキムチ)+広島のグループホーム見学の際に管理栄養士さんに教えていただいた
糸寒天を汁物に必ず入れて摂取しています。糸寒天は膨張する食物繊維であり、これでだいぶん問題が解決しました。

糸寒天(100g)
 https://www.amazon.co.jp/%E4%BC%8A%E9%82%A3%E9%A3%9F%E5%93%81-%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%97%E7%94%A8%E7%B3%B8%E5%AF%92%E5%A4%A9-100g/dp/B009Y2WPDK

参考になりましたら幸いです。

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