古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

男尊女卑依存症社会

2023-09-30 20:04:22 | 
古森病院@福岡市博多区です。

日本は男性社会ですが
その中で女性が普通に働くのは  
本当に大変です。

管理人も男性からの訳の分からない
攻撃を何回となくというか 何百回も 
受けてきました。(もっとも5名以下の同一人物によるものです。)

「愛想がない」
「酒を注ぐのが下手」

最近は中年になり
そこまで言われなくなりましたが

(今なら 面と向かって言い返すでしょう。
愛想を振り撒くことは仕事に関係ないよね。
酒を上手に注ぐことが求められる仕事じゃ無いよね。)

概ね、何らかの嫉妬が
混ざっているように思います。
特に 仕事が出来ない男性から
云われなく、暴言を吐かれる事が多いです。

仕事ができる人は 意味もなく
攻撃してきません。自分に自信があるので
他人を攻撃する必要がないからです。

最近 男性側から
無駄に男性のプライドをぶつけるのはやめよう

という良書が出ました。

誰かを貶めたからと言って
自分の実力が上がる訳ではありません。

自信が無さすぎて、誰かを攻撃したい方に
おすすめです。

齋藤章佳さん
男尊女卑依存症社会

https://www.amazon.co.jp/%E7%94%B7%E5%B0%8A%E5%A5%B3%E5%8D%91%E4%BE%9D%E5%AD%98%E7%97%87%E7%A4%BE%E4%BC%9A-%E6%96%89%E8%97%A4-%E7%AB%A0%E4%BD%B3/dp/4750517976/ref=sr_1_1?adgrpid=146785623995&hvadid=665901641688&hvdev=c&hvqmt=e&hvtargid=kwd-835743022522&hydadcr=27302_14701854&jp-ad-ap=0&keywords=%E6%96%89%E8%97%A4%E7%AB%A0%E4%BD%B3&qid=1696072955&sr=8-1

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なおりはしないが ましになる

2023-01-07 08:43:22 | 
古森病院@福岡市博多区です。

「本ソムリエ」を自認する管理人がお勧めする
冒頭のタイトル本は 発達障害者の当事者本です。

当院が発達障害者の支援医療機関に登録している関係上

(発達障害ではないか診断してくれと言う電話が 非常によくかかってきますが、
当院は、「支援」するだけで「診断」はしていませんので、リストを右側までよく見て、診断に丸がついている医療機関に行ってくださいね)

「当事者」ないし、自称「当事者かも」という方にアドバイスすることがままありますが、

「診断」をつける最大のメリットは、自分のくせをみつけて 多数派に
折り合える着地点をさぐっていくこと
理解ある人に 自分の見え方がどう違うか 説明できるようになること

が 目標です。

発達障害の方には不満でしょう。
どうして自分「ばかり」が多数派に合わせないといけないのか?

その答えは、
「そうしないとやっていけない環境にある方だから」
ということに尽きます。

そのままのキャラでもいけるような環境なら
特に問題はないでしょう。
すぐれた才能を持つ芸術家とか研究者(専門職)がその代表格です。

しかしエジソンが発達障害者だったらしい(真偽不明ではあるものの)
ということと

発達障害者=エジソン

ということが両立するわけではないということは おわかりでしょう。

大多数の人は 他人と嫌でもかかわらないといけない方ですよね。
それに発達障害でなくても、大多数の人はそれなりに努力してコミュニケーションを
とっている人が多いのです。もちろん発達障害者ほどのハードルの高さではないにしても・・

人間は高等動物=社会的動物なので、その辺の犬とか猫、細菌やウイルスとは異なり
生存のために、もうひと手間必要なのです。
その辺の犬や猫、細菌やウイルスには倫理とか道理とかありません。
純然たる過酷な生存競争のみが存在します。
では人間が生存競争に血道をあげるとどうなるか?
あっという間に滅亡してしまうでしょう。
いま、他の國で起こっていることを考えてみてください。

ということで、仕方がないので、
生存に必要な倫理や道理のためにも、コミュニケーションをとることが
必要になるのです。

しかし発達障害は当然「障害」というくらいなので
(思考や視野の偏りなので、多数派に合わないからといって「障害」といえるかはさておき)
なおりません。

そこで冒頭の本の話になります。

この本は非常にシュールに 発達障害当事者について
非常に的確な外部目線の指摘、そして内部目線からの反発?
発達障害でなくても「あるある」と言える 非常に面白い本です。
マンガで読みやすいですし、
発達障害でなくても「え・・・自分もそうじゃん」という気づきを得ます。
そう、発達障害者とそうでない人は 連続体で紙一重。
発達障害の方は、脳の回線の一部の障害なので、
障害のない人と比べても、思考の大半の過程は共通しています。
ただ発達障害は 認知や判断の過程でつまづいていて、それが出力の違いに
大きく貢献しています。

発達障害はコミュニケーション障害とよく言われますが、
コミュニケーション障害は目に見える一部であり
実質は入力障害に伴う出力障害なのです。

この本は そういう
治らないが生きていかないと行けない方々の
サバイバル本です。
発達障害の有無に拘わらず、ぜひいろんな方に読んでいただけると
良いと思います。


なおりはしないが ましになる。カレー沢薫
https://www.amazon.co.jp/%E3%81%AA%E3%81%8A%E3%82%8A%E3%81%AF%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%8C%E3%80%81%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B-1-%E3%83%93%E3%83%83%E3%82%B0%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB-%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%BC%E6%B2%A2-%E8%96%AB/dp/4098608642



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生き心地の良い町

2022-07-18 20:42:10 | 
古森病院@福岡市博多区です。

昔からそうだったのでしょうが
不遇な環境にある人が
通り魔のような事件を起こす報道が
目立つようになりました。

法曹関係の方に言わせれば
不遇な人が事件を起こすことは
珍しくないとのことです。
インターネットなどの発達で 目につきやすく
なってきているのかもしれません。

でも、管理人の周囲で
以前とは違う雰囲気を感じます。

それは「何事も踏み込まない」人が
増えているということ。

考えないようにしているのか、考える力が失われているのか。
よくわかりません。

管理人は 自分にわからないことがあると
「どうしてそういうことが起こったんだろう」と
追及したくなったり
(ただし理解が難しい分野の学問は除きます。笑。
日常生活上のことです)

「どうやったら、もっと効率よくできるんだろう」と
自分の仕事をいかに減らすかということを、いつも
考える人間なのですが

世の中にそういう人は少ないみたいですね。

考えるというのは、体力が必要みたいです。
管理人は誰からも「元気ですね(おばさんなのに子供じみているので
皮肉も混ざっているのかも・・笑)」と
言われますので、エネルギーがあるほうなのでしょう。

思考停止だと、異質なものを排除したくなります。
どうやったら、うまくいくんだろうなどとは
考えないので、
「うまくいく方法を考えるなんて面倒だから 排除しちゃえ」
と短絡的に 面倒なことが
目の前からなくなること、自分が楽になることだけを考えてしまいます。

そういう人が多くなると、

誰かがレールから外れる=まったく誰からも相手にされない
事が増え、

勢い 疎外感が強まり、世の中に復讐したくなる人が
増えてくるでしょう。

昔 管理人の同僚に
「どうして通り魔っているんだろう。自分だけで死ねばいいと
思わない?」と聞かれ

「世の中はつながっています。因果応報、
情けは人のためならず、自分のためという格言通り
「自分だけで死ね」というスタンスでは、通り魔は
いなくなりませんよ」とお話したことがありますが
意味がよく理解してもらえなかったようでした。

自分がレールから外れないと
わからないのでしょうかね。
ちょっと想像力があればいいと思うんですよね。

「この人が困っていることについて 
どうしてあげたらよいか」

と考えてあげたらいいと思うんです。

もっとも、その困っている人も 
自分で何とかしようという意思がまったくなく、人に丸投げでは
誰も助けないでしょうから、障害などで考えられないわけでなければ
多少は自分でも頑張らないといけません。

助けを求められたら、自分だけで解決できるならいいですが、
そうでないことのほうが多いでしょうから、何人かの人を紹介して
少しでもいい方向に向かうように努力するといいと思いますね。
そういう人が増えたら、いい方法が浮かんで 困りごとが
ある程度解決し、うまくいくようになり、八つ当たりしたくなる
気持ちも減るかもしれません。
また、八つ当たりしたくなる人は
孤立した人に多いということもわかっているので
西村博之さんが話しておられるように
孤立した人に 可能なら保護犬や保護猫を育ててもらい
孤立しないようにするというのもよい考えだと思います。

孤立には「居場所」の問題もあると思います。

以前 知的障がいのある方の障がい福祉サービスに
かかる意見書を書きました。
その方は女性ですが、他の施設では
性依存の傾向があり、性交渉をかなり頻繁に
行っていたようでした。
でも学校のごとくタイムテーブルがきちきち決まっている
今の施設に来られてからは
性依存傾向はピタッと治まったそうです。

自由時間がありすぎて
暇を持て余し、てっとり早い暇潰し、その時だけにせよ
強烈に求められることに居場所を見いだしていたのでしょう。
今まで大きな事件に巻き込まれなかったのは
奇跡的ですらありました。


本題ですが、
「生き心地の良い町」という本を紹介します。
2013年に書かれた本です。

徳島県の自殺率の低いある自治体について
その謎を解明しようとする大学院生の方の
フィールドワークの話です。

その自治体の自殺率が低い理由として
「適度なおせっかい」
「個人(多様性)の尊重」
の 絶妙なバランスが取れる環境があることを
挙げておられます。

詳しくは 本を読んでいただきたいですが
「弱音を吐いていい(吐いたら何かいいことがあるかも)」という環境が
重要であるようです。
誰かだけで背負うのではなく、集団で背負う、見守れる環境が
ポイントのようです。

諸外国の中で、日本で自殺が多い理由として
「勤勉さ」「かくあるべきという意識の強さ」を指摘され
日本の強みでもあり、また(自殺が多くなるという意味で)弱みでもある生真面目さと

一方で「どうしたん?」と聞いて、それが自分の価値観と違っていても
「こういうのもアリじゃない?」という
緩さのバランスを 同一人物の中でもっと取っていかないといけないのでしょうね。

真逆の2つの思考に どう折り合いをつけていくか
しかし 一人一人が心がけていかないと
未来はない・・のかもしれません。

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コロナ本

2022-04-02 20:18:43 | 
古森病院@福岡市博多区です。

今日は医療機関限定 おすすめ本のお話です。

先般 ネット上で本を漁っていたところ
関東にある永寿総合病院という、コロナが流行り始めた頃に
大規模なクラスターを起こした病院の看護部が
作成した リアルBCP(事業持続計画というか
災害時縮小業務の実態)の本を見つけました。

一年も前に出版されてたとは。。。気づかなかった。。
涙。

髙野ひろみ 他2名
永寿総合病院看護部が書いた 新型コロナウイルス感染症アウトブレイクの記録

https://www.amazon.co.jp/%E6%B0%B8%E5%AF%BF%E7%B7%8F%E5%90%88%E7%97%85%E9%99%A2%E7%9C%8B%E8%AD%B7%E9%83%A8%E3%81%8C%E6%9B%B8%E3%81%84%E3%81%9F-%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88%E3%83%96%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%81%AE%E8%A8%98%E9%8C%B2-%E9%AB%99%E9%87%8E%E3%81%B2%E3%82%8D%E3%81%BF/dp/4260046314

今ならクラスターが起こっても、
ちっとも珍しくないので 報道されませんが
当時は本当に大変だっただろう。。と思います。

管理人は内容が難解でないなら
活字に抵抗ありませんが、世の中には
字を見ると 頭が痛くなる人も少なくないところ

これは人に勧めやすい漫画本で
ところどころ、ポイントに活字がある
大変読みやすい本で、一気に読めました。

クラスターを起こした際の有用なグッズの
紹介など 非常に参考になり、
管理人の中での久々の推し本です。

当院の病棟スタッフに是非
読んでもらいたいので
早速 注文しています。
皆さん、レポート宜しくお願いします!

以上 業務連絡終了。。  

ついでに、
ずっと気にしつつ読んでなかった
保健所医師のコロナ本も読みました。

保健所のコロナ戦記 関なおみ

https://www.amazon.co.jp/%E4%BF%9D%E5%81%A5%E6%89%80%E3%81%AE%E3%80%8C%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E6%88%A6%E8%A8%98%E3%80%8DTOKYO2020%E2%80%902021-%E5%85%89%E6%96%87%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E9%96%A2-%E3%81%AA%E3%81%8A%E3%81%BF/dp/4334045782/ref=mp_s_a_1_1?crid=7QMUXAUAS8GA&keywords=%E4%BF%9D%E5%81%A5%E6%89%80%E3%81%AE+%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E6%88%A6%E8%A8%98&qid=1648899571&sprefix=%E4%BF%9D%E5%81%A5%E6%89%80%2Caps%2C267&sr=8-1

大変な中 現役公務員の立場で
よく新書で出されたなあと思います。 

何故 保健所が入院調整するのか、
(本来業務じゃないですよね)
コロナで自宅安静中の患者さんが
何か再受診が必要そうな事が起こった時
何故 保健所が外来で見てくれそうな
医療機関を探し回るのか、、、 
(本来業務じゃないですよね)
発生届が空欄すぎる医療機関が存在し、
ただでさえ忙しい保健所が穴埋めしてること。。
(何と軽症か重症かすら書いてないらしい。
免許取ったのに?マニュアルもあるのに?
ある意味すごい。。)
言葉が見つからない。

まだまだ続くコロナ感染。
当院外来でも未だに検出されてます。
流石にPCR検査の保険点数が引き下げられました。
検査外注の当院には 全く関係ありませんが。

濃厚接触者の出勤についても、どんどん緩和されていて
新型コロナは全数把握の必要はもうないと思います。
早く定点5類(インフルと同じ扱い)にならないかな。。
終わりが見えないです。。

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神田橋先生

2021-10-06 09:27:33 | 
古森病院@福岡市博多区です。

管理人は精神科のトレーニングは受けていないのですが
当院外来にも精神疾患で 内科受診されておられる方がいらっしゃいますし
病棟にも認知症(は精神疾患のカテゴリーに入ります。脳神経内科のカテゴリーにも入りますが)の
患者さんや 精神病院からの転院の方もおられますので、必然的に勉強する機会が増えました。

わかりにくい精神疾患ではありますが、対応は基本的に
「その人の人権を尊重すればいい」ということにつきます。その視点があれば
対応方法を学ばなくても 自ずからやるべきことは決まってきます。

職員の人たちも よく対応して下さってます。(医療施設内にて 限界はありますが)
それでも認知症の研修も盛んに行っております。

管理人は最近、精神科領域の業界では有名な神田橋條治先生の本を大量に買い込み、興味深く拝見しています。
O-ringのお話などは 先生とごく一部の方しか習得できない技術なので
難しいのですが、講演集などはわかりやすくて、面白いと思います。

神田橋條治
wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E7%94%B0%E6%A9%8B%E6%A2%9D%E6%B2%BB

精神科講義
https://www.amazon.co.jp/%E7%A5%9E%E7%94%B0%E6%A9%8B%E6%A2%9D%E6%B2%BB-%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E7%A7%91%E8%AC%9B%E7%BE%A9-%E7%A5%9E%E7%94%B0%E6%A9%8B-%E6%A2%9D%E6%B2%BB/dp/4422115448/ref=sr_1_9?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=1D3MU2JM8VI8F&dchild=1&keywords=%E7%A5%9E%E7%94%B0%E6%A9%8B%E6%A2%9D%E6%B2%BB&qid=1633481114&sprefix=%E7%A5%9E%E7%94%B0%E6%A9%8B%2Caps%2C277&sr=8-9

今もかなりご高齢なのにも拘わらず
鹿児島市の伊敷病院で非常勤で診察されておられ、
ホームページには受診について注意書きが書かれています。
伊敷病院の当該ページ
http://www.ishiki-hp.or.jp/kandabashi.php

先生はフラッシュバックについて いわゆる抗精神病薬ではなくて
漢方薬での加療を勧められておられ、(神田橋処方)特に発達障害の方のそれには
有効なようですので、フラッシュバックでお困りの方は(発達障碍者に限らず)主治医に相談してみられてはいかがでしょうか。

神田橋処方
飯田橋メンタルクリニック
https://www.iidabashi-mental.jp/information/archives/post-655.html

児童精神科医の杉山登志郎先生(福井大学)の論文
PTSDの論文ですが、神田橋処方のお話が出てきます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/59/3/59_219/_pdf/-char/ja

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