古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

労働者を取り巻く環境について

2017-10-27 11:36:06 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。


医療介護業界は近年 社会保障費の削減方針に伴い
色々なものが削られ、先行きは明るいとはいいがたい業界ですが

それでも、世の中の他の業界に比して
「女性には仕事を任せてもらえない」とか
「同じ仕事内容なのに待遇に男女差がある」ということとは
あまりご縁のない業界のほうだとは思います。医療介護業界は
女性の方が多い業界であり、女性にとっては働きやすい職種だと思います。

管理人は女性医師ですが 体調に問題ないのに
仕事を任せてもらえなかったということは経験がありません。
(女性だから任せられないというより、医師の能力がない人には
患者さんは任せられず、そこは平等なのかなと思います)

それでも「女性は辞めるから 仕事を教えてもね・・」という上司も
なかにはいますし(幸い管理人の上司にはそういう人が少なかったです)
何を言ってもいいと思っているのか 「仕事はできるけど オトコのほうがね・・」
という上司も よその業界に比してどうかはわかりませんが、確実にいます。
異性関係がらみについては男女平等かもしれませんが、独身の男性に対しても
「お前もオンナの一人や二人・・」という飲み会になると決まって
絡み始める上司もいますし、どこに行ってもデリカシーのない方は存在します。

管理人は研修医のころ 同じく「結婚 結婚」とうるさい
上司がおり、その上司は口を開けば奥さんの悪口ばかりで
聞くに堪えなかったので「先生のご家庭のお話を聞くと 結婚する気が失せます!!!!」
とはっきり言ったことがあり、
それ以降 そういう話を少なくとも管理人の前ではしなくなりました。

女性活躍だの働き方改革だのダイバーシティだの
いろいろなことが叫ばれ始め、昨今の働く人を取り巻く環境は
少しは改善しているのかと思いきや、電通過労自殺が発生し、
管理人の若いころとあまり変わっていない現状が明らかになりました。

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以下 現代ビジネスより 一部引用


http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51374

2017.4.7


「コイツには何言ってもいい系女子」が密かに我が身を切り刻んでる件
電通過労自殺が伝えるもう1つのこと
中野 円佳

(前略)

「美しさ」まで求めるダブルスタンダード
こうしたマイノリティとしての居心地の悪さに加えて、
職場で「若い女性」がときとして求められるのは、女としても「きれいであること」。
男性並みに仕事をこなしているのに、なぜか「職場の華」であることも求められるダブルスタンダードの中で、
総合職女子は生きている。

仕事で男性と比較されながら、容姿については別の領域で勝負している女性と比較され、
人生については専業主婦や子供のいる人と比較され、様々な価値観に引き裂かれながら、頑張りすぎるくらい頑張っている。
それが日本の会社で働く若い女性たちの実態ではないか。
「こいつには何を言ってもいい系女子」だって傷ついている。今も、心無いセクハラ社会で、密かに自分の身を切り刻んでいる。
また、日本人は年齢差別に対する感度が低く、若ければ何でも言っていいという風潮がある。男性でも同じように「いじり」で身を裂かれるような思いをしている人がいるかもしれない。LGBTの方々はもっと苦しいかもしれない。
だから、新入社員、あるいは異動してきた若手や女性を受け入れる側の、会社の人たちにお願いだ。仕事の指導や評価は当然、してもらってもいい。その中で叱咤激励もあると思う。フィードバックはしてもらえたほうがいい。
でも、仕事以外のところでとやかく言われるのはあまりにも理不尽で、ストレスフルだ。個性がある人たちを若いということ、性別などのカテゴリだけで比べないでほしい。仕事と関係のない人格、見た目、人生でいじらないでほしい。指導、毒舌と、差別やいじめは別物だ。
今回、自分の海外転出の都合もあり直接ご遺族や関係者の取材をせずに書くことになり心残りだったものの、心から高橋まつりさんのご冥福をお祈りするとともに、長時間労働だけではなくこの国の病理が少しでも改善し、心を傷める人が1人でも減ることを祈る。


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管理人は 以前の自分の経験からも
就業環境を悪化させる主要因である、仕事とは関係のないこの手のハラスメント(対男性を含む)に敏感でありたい
と思いながら 日々運営を行っております。

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インフルエンザウイルスワクチン(2017-18)が品薄の理由

2017-10-20 18:48:45 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

外部から問い合わせ有り、今年のインフルエンザウイルスワクチンが品薄の
理由について 記事とします。

もともと今夏から 今年はインフルエンザウイルスワクチンの供給が
遅れるらしいという噂が立っておりました。

理由は こちら

第16回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000175506.html

資料
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000175510.pdf

もともと今年のインフルワクチンには
卵馴化による効果減少を防ぐため、発育鶏卵によらない培養方法(細胞培養法)で作成できる
A/埼玉/103/2014(CEXP002) (H3N2亜型)が使用されるはずでしたが、

わかりやすく言えばすべてのワクチンに入れれるほど、このウイルス株が増殖しないことが
ワクチンメーカー側からの指摘で判明し、急遽、昨年使われた 
A/香港/4801/2014(X-263)(H3N2亜型)株が従来の培養方法である発育鶏卵による
培養法により使用されることになったので製造が遅れ、
したがって供給も遅れているようです。

卵馴化については 過去も書いていますが・・・

https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2301-related-articles/related-articles-417/5131-dj4177.html

実際に流行したインフルウイルス株と
国立感染症研究所が 予め予測したワクチン株がせっかく一致していたのに、
発育鶏卵法というやり方でワクチン株を増やす過程で、もともとのワクチンウイルス株が
変異(わかりやすくいうと 変身)してしまうことを卵馴化といいます。
特にH3N2亜型のワクチンウイルス株で この現象が著明に現れ、
せっかく予想が当たっていたのに、実際はワクチンを打ってもインフルエンザが大流行という
状況に陥っていたのを 今年は発育鶏卵法でないやり方で卵馴化を防ぎ ワクチン効果を高めようと
したのに、細胞培養法では思ったよりワクチンウイルスが増えなかったので メーカー側から報告を受けて
急遽、ワクチンウイルス株の差し替えが行われました。

せっかく今年は、細胞培養法でのワクチン製造の初試みであったのに、関係者の方々は
さぞかし落胆されておられることと存じます。
(いつも苦労して流行ウイルス株を予想しているのに
流行ウイルス株が予想ウイルス株と概ね当たっているのにも拘らず 
卵馴化のせいでインフル大流行では報われませんよね・・・)

当院は偶然ですが、現時点でワクチンが十分入っています。
お困りの方はご一報ください。値段も昨年と変わりありません。

また当院では従来から輸入インフルエンザ生ワクチンであるフルミスト接種も
行っておりますが、現在はキャンセル待ちの状況で、いまだ入荷予定はありません。
入荷いたしましたら ホームページにて告知いたします。

広報まで。

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理由を探る認知症ケア の当院講義が終了しました。

2017-10-13 20:18:28 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

先月そして 本日 「理由を探る認知症ケア」の著者である
ぺホス先生が当院に来院され、講義が終了しました。

認知症の講義は なかなか面白い講義がないのですが
(特に講師が医師だと・・・・・・・(コメント自粛))

ぺホス先生の講義は面白くて しかも勉強になるという
世にも稀な講義です。

「ケアが上手くいかないときだけでなく、上手くいったときも
理由を探ってみよう」
「自分たち(職員)も自分に出された薬を必ずしも毎日飲んでないのに、認知症の人が薬を飲まないと服薬拒否と言われる。」
「介護者から見ると 急に患者さんが不穏になったように見えても
不穏になった原因は その前に起こっている」

など、認知症の人に深く愛情を持っておられないと
気が付かないであろう視点からのお話が満載で 大変勉強になりました。

勉強になるのと 実践はまた別ではありますが
わからないからと諦めるのではなく、こちらで理由が解消できることは
出来るだけ拾っていけたら と思います。

兵庫県から二回も来ていただき、ありがとうございました。
興味のある方は ご本が二冊ありますので
ご購入ください。

理由を探る認知症ケア
https://www.amazon.co.jp/%E2%80%9C%E7%90%86%E7%94%B1%E3%82%92%E6%8E%A2%E3%82%8B%E2%80%9D%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87%E3%82%B1%E3%82%A2%E2%80%95%E9%96%A2%E3%82%8F%E3%82%8A%E6%96%B9%E3%81%8C180%E5%BA%A6%E5%A4%89%E3%82%8F%E3%82%8B%E6%9C%AC-%E3%83%9A-%E3%83%9B%E3%82%B9/dp/4902007657/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1507894067&sr=8-1&keywords=%E7%90%86%E7%94%B1%E3%82%92%E3%81%95%E3%81%90%E3%82%8B%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87%E3%82%B1%E3%82%A2

現場の悩みに答える認知症のBPSD対応ガイド(おはよう21 2017年10月号)
https://www.amazon.co.jp/%E3%81%8A%E3%81%AF%E3%82%88%E3%81%8621-2017%E5%B9%B410%E6%9C%88%E5%8F%B7%E5%A2%97%E5%88%8A/dp/B0757DTCYF/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1507894102&sr=8-2&keywords=%E3%81%8A%E3%81%AF%E3%82%88%E3%81%86%EF%BC%92%EF%BC%91

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One healthの取り組みについて

2017-10-10 15:01:38 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

今日は、薬剤多剤耐性菌(複数の抗生物質の効かない菌)についての対策の1つの試みをご紹介いたします。


~One healthの取り組みについて~
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日本環境感染学会ホームページより
http://www.kankyokansen.org/modules/news/index.php?content_id=158

「人と動物の一つの衛生を目指すシンポジウム-人獣共通感染症と耐性菌-」開催のお知らせ

(このシンポジウムはすでに終了しています)

 厚生労働省からのお知らせです。エボラ出血熱や中東呼吸器症候群(MERS)などの、動物から人へ、人から動物へ伝播可能な感染症(人獣共通感染症)は、全ての感染症のうち約半数を占め、医師及び獣医師は活動現場で人獣共通感染症に接触するリスクがあります。こうした分野横断的な課題に対し、人、動物、環境の衛生に関わる者が連携して取り組むOne Health(ワンヘルス)という考え方が世界的に広がってきています。
 第1回となる今回のシンポジウム(2016年3月20日)では、ワンヘルスの考え方で取り組むべき課題の具体例として、世界的にも問題視されている薬剤耐性問題について取り上げます。入場は無料です。医療関係者や衛生関係者の方、人獣共通感染症に関心のある方を対象としております。下記申込用紙に必要事項を記載の上、お申し込みください。
 お申し込みいただいた方には、参加証をお送りいたしますので、当日忘れずにお持ちください。なお、申込は先着順で定員になりましたら締め切らせていただきます。

厚労省ホームページより
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000138883.html(上記シンポジウムの開催要項 資料)

上記シンポで使用されたスライド
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000121426_1.pdf

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耐性菌発生は 抗生物質の過剰投与に伴う副産物ですが
養鶏場や牧場、魚の養殖場など畜産、養殖の幅広い分野で
家畜や魚の集団感染による大量死亡を防ぐため、

集団感染が発生する前に、抗生物質を多量に家畜や魚の餌に混ぜて与えることがあります。(これを予防投与と言います)

抗生物質の予防投与により発生した耐性菌は
食物連鎖によって、
最終的に人間の体内に持ち込まれることから 
人間のみならず、
人間以外の動物への抗生物質の使用についても
見直すべきだというのが 
最近の耐性菌対策の分野のトピックスで、

耐性菌対策だけではなく
高病原性鳥インフルエンザなどを初めとする
人畜共通感染症への対応も含めて
医師、獣医師等が共同して 人畜共通の
健全な公衆衛生システムを確立しようという潮流を 
今風に
one healthと呼称しているようです。

管理人がかれこれ17年ほど前に
広島に居住していたころ、

当時の職場の業務命令で某製薬会社後援の
講演会に行かされ(100人近く出席者がいました)

冒頭 後援されている製薬会社の営業の方が
その製薬会社の発売している ある抗生物質の宣伝を
15分ほどされ、
「この抗生物質は腎臓を通過してもほとんど分解されず、そのまま体外に排泄されるので
尿路感染症に非常に効果が高い」という趣旨のプレゼンテーションをしておられました。

その抗生物質宣伝の質疑応答の場面で 
そのプレゼンを聞いておられた一人の男性ドクターが立ち上がり
「そんな薬を発売して、瀬戸内海の魚が汚染されたらどうする!!
(薬が分解されないまま下水道に流れ、最終的に海にいくため)」
と発言され、会場は爆笑に包まれましたが、

(製薬会社のプレゼンターは「そこまで売れたら本望です」と切り返しておられました)

若かった管理人は「なるほど、そういう考え方もあるのか」と非常に感銘を受けました。

この話題を聞いたときに、その時のことを昨日のことのように画像で鮮明に思い出しました。
あのドクターは時を経てこのニュースを聞かれ わが意を得たりと思っておられるでしょう。

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今週号の感染症エクスプレスにて
One healthのことが載っておりましたので 追記いたします。

◆「薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2017」を公表しました(2017年10月18日)

 ヒト、動物、食品、環境といった垣根を超えた「ワンヘルス」としての薬
剤耐性に係る統合的な動向調査の重要性が指摘されています。 薬剤耐性ワン
ヘルス動向調査に係る技術的事項について検討することを目的として、今年
より、薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会を開催しています。
 同会議において、「薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2017」が取り
まとめられました。本報告書が、我が国の薬剤耐性(AMR)に係るワンヘルス・
アプローチの取組を国内外へ示す第一歩となり、さらには、AMRに関する対策
及び研究を進めるにあたって、関係府省庁、関係諸機関・諸団体に本報告書
を活用していただければ幸いです。

<薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2017>
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000180888.pdf

<薬剤耐性(AMR)対策について>
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120172.html



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ワークライフバランス研修会

2017-10-02 21:36:42 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

先日、某所にワークライフバランスの研修会に参りました。

中国地方の某病院の人事部の方のお話で
(名前を出すのがいいのか悪いのかわかりませんので 伏せておきますが
有名な方のようです。)
昨年もこの方の研修会に参りましたが、大変面白かったので 今年も
聴講に伺いました。

病院内部の事務の方のお話は 共感できることが多く
「あるある」満載で 笑いの絶えない研修会でした。

患者さんの安全とワークライフバランスをどう両立させていくか
1つの考え方をご披露くださいました。

労務管理の研修会に 病院管理者の立場で行くのは
管理人くらいでしょうが・・・非常に参考になりました。

働く母親の立場からみても、

管理人は育児経験者(まだ真っ最中・・・)であり、
上の子の小さいときは管理人の親も近くにいない環境でしたので 子供を育てながら
仕事をするのが、どれだけ大変か身に染みて理解しています。
幼いころは週一回、大きくなるにつれ、週二回、週三回 と段階的に
増やしていき、仕事がお休みの日はガイドラインなどを読んで 現代の治療について勉強し、
休日は家人に見てもらい、みんなの嫌がる休日救急などを進んで
行うなど 自分なりに当時の職場にできるだけ貢献するようにしていました。

権利を声高に主張し、給与を要求するのなら
労働者としての義務もきちんと履行しないといけません。
働く母親や妊婦さんが増えるのは結構なことですが、
そこをはき違えないようにしないと ギスギスしてきますし、
誰にもメリットがありません。

妊婦さんや子育て中で仕事をされる方は
妊娠~子育て期と仕事を 上手に両立していっていただきたいと思っています。

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