古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

どこへ行く・・医療改革

2019-08-11 11:48:56 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

医療保険の改正は厚労省主体で2年に1度 改正が行われますが
(介護保険は3年に一度 改正が行われ、6年の年に医療介護保険のダブル改正が行われます)

今までとは別の視点・・そう「働き方改革」で
医療改革が行われようとしています。

医療機関に労基署は長い間 介入してきませんでしたが
ここ最近、時間外労働のことで介入してくるようになりました。

日本人の寿命が世界に冠たる長さになっているのは 
もちろん皆保険制度によるものが大きいですが

(その他 上下水道の完備、冷蔵冷凍技術の
完備、電力確保などの社会的インフラの整備も
理由に挙げられます。)

医療従事者(特に医師)の長時間労働(手術、救急がその筆頭でしょう)の
犠牲の上に成り立っていたこともまた間違いありません。

海外では医師もQOLを重視し、急を要する患者様が医療アクセスにたどり着けないことも
少なくありません。(お金のない人もたどり着けない)

日本では救急病院で医師が夜勤をしても 交代制勤務が当たり前の看護師と違って
次の日も日勤外来や検査手術を平気で?こなすということが日常茶飯事ですし、
医局に行くと死んだように寝ている医師をそこかしこで見ます。
主治医制度を取っているので、一貫した治療方針を定めることができ
患者さんの回復も早いです。その代わり 医師は24時間連絡がつくことが求められ
当然対価は支払われません。学会発表や医療雑誌投稿も病院の名前を出せというわりに 
発表や執筆にかかる時間労力に正当な対価を払うところなど 非常に珍しいのが現状です。
学会発表や医療雑誌投稿は個人のためでもあるという側面はありますが・・。

この目に見えない犠牲の上に成り立っていた医療業界ですが、医師の給与が今まで
比較的高かったので、みんな黙って仕事をしておりました。

しかし、今からは医師にも残業代は支払わないといけない、有給は取らせないといけない
となってくると、特に医師のいない地方の救急医療は真っ先につぶれていきます。
その結果、黙っていても病院は集約化されていくでしょう。
少子化で看護師その他の医療従事者も集まらず 病院は運営不能となり
医療が崩壊した地域では 都会に嫌でも出てくる人が少なくなくなるでしょう。

働き方改革は労働者のため「だけ」の政策なのだろうか・・?
と思う今日この頃です。

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勤務環境改善プロジェクト報告会

2019-08-11 10:55:31 | 日記
古森病院@福岡市博多区 です。

プロジェクトというほどの大掛かりな
モノではありませんが、一年がかりで取り組んだ(福岡県公金を投入して(笑))
委員会活動の報告会を先日 院内において4回(同じもの)説明会を開いて
(ついでに就業規則の改正も行いましたので)
職員も8割以上が参加してくださいました。

経営者にとって 職員アンケというのは
あまり見たくないものですが(笑)今回、福岡県派遣アドバイザーのお二方の
ご協力を得て、かなり忌憚のないご意見を戴き、やはりやってよかったな
と思いました。

当院は従業員が80名強(日当直医除く)の小さな病院のため
公認会計士の先生も「このクラスの運営が一番きついよねえ」と
言われる規模ではあるのですが、よく言えば
この程度ならまだ経営陣の目が届きやすいとも考えられます。

自分の病院の課題と向き合うことができましたので
今後も続けてまいりたい と思っております。

<上がった問題点?>
①休日を増やしてほしい。
→当院はもともと法で定められた基準配置をはるかに超える人員を病棟配置しており 
休日も120日というほどではないが、少なくとも病棟に関しては 現時点で
有給まで入れるとかなり120日に近い休みが取れているほうの職場である。
これ以上休日を増やすことは 入院患者様の看護介護の軽視につながり
認めることはできない。
折衷案として 一部の人に休日を「法令に追加で」与えることは可能であるので
検討する。
→→休日は法令通りすでに与えていますが さらに一部の人に、
試みに忘年会で景品として1日休日を3名にくじ引きの結果与え、
当たった職員には好評でした(当たり前ですね・・(笑))。
次年度以降は実施できるか 人員によるので不明です・・。

ちなみに専門職(経営コンサルティングさん、社会保険労務士さん
(前二者は福岡県のアドバイザー様)は
管理人の景品提案に「はあ?!(何言ってんだ?)」と言っておられ、
リーガルチェックのためご意見をお伺いした顧問弁護士さんも
「法的には違反でないが、、、」とあまりいい顔をされておられませんでした。)からは
理由は不明ですが 喜んで受け入れて下さる感じはなかったです。
管理人としては、職員アンケートの結果に経営者として 何らかの形で応えただけであって、
なぜそろって微妙な反応をされるのか よくわかりませんでした。

そういった事情もありますので、管理人の記事を読んで「そうか!?」と
思われて導入される方が万一おられましたら、ご自身の企業の顧問弁護士さんに
聞かれてから導入してください(笑)。

②病院による自主的な改善

療養型病院の職員研修は法定研修くらいでいいと思っていた管理人ですが
昨今 新人に近い職員が来ることもあり、(看護学校って何を教えているのだろう
と謎に思う今日この頃です)手技ができないのは当然ですが、試験には合格しているものの
医療の基本的なことを知らない新人も多く(知らないのか 習ったものの結びついていないのか不明)
教育システムの構築に乗り出すことにしました。昨今e-learningが盛んですが、管理人は
昭和アナログ人間なので、院外研修に行っていただいております。レポートも出るし
院外研修のほうが身につくんじゃないかな。。と思っております。採血モデルや
写真を多用した本なども大量に購入して、新人には新人研修として読んでいただいています。
また看護職に関してはクリニカルラダー制度を導入し、目標をもって 仕事をしていただく
ように、また看護介護職に関しては 年2回の面談を行い、不備のあるところは病院で
改善していくようなシステムを作っております。

③ハラスメント研修

これは職員アンケとは直接関係ありませんでしたが、
何がハラスメントかをはっきりさせるために
アドバイザー様に推薦していただいた方に
ハラスメント研修を全職員を対象に行っていただき、
「この行為はハラスメントか否か」という
問題に〇×△をつけたり
(出題例・有給休暇も使用して海外に0泊3日の弾丸旅行に行った挙句 
風邪をひいてさらに翌日休んだため「体調管理くらい自己責任でしなさい!!」と怒られるのは
ハラスメントかどうか?  ご回答・ハラスメントには当たらない)、
厚労省のビデオを見てもらったり 特に年配の方は「時代が違う・・」
という感想を洩らしたりして、割と好評でした。

当院の指導法についてはハラスメントには当たらないものの
まだ課題もあり、引き続き継続して介入していきたいと思います。

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