「天・地・人」
と賞のある中、3番目の「人」を貰いました。
(人) 鵯(ひよどい)の 食堂(しょくど)いなった 爺(じ)が畑
茶畑(2月24日掲載分)「無残な姿のキャベツ」
今年はここ鹿児島でも鵯(鹿児島方言ではヒヨドイ、
又はヒヨ)の被害は多発(?)しているようです。
よく聞く話です。
昨年はほとんど見かけなかったこのヒヨが
私の蚤の額の菜園にも毎日やってきます。
可愛い目白(ハナシ)を追い散らすので、宅のケサガメにも嫌われています。
よく見ると結構可愛いのですが。
さて、この句の見所は、申し上げるまでもなく
中七の「食堂(しょくど)いなった」という比喩です。
この場面にぴったりでした。
単に「食い荒らされた」などという表現では平凡すぎてインパクトがありません。
見立ての素晴らしさと言っても良いと思います。
「よかぶった」とことを申しますと、
以前にがごい誌にも書きましたように、狂句作りは「言葉探しの旅」ではないでしょうか。
この句にはこれ以外にはないという言葉を探し当てたときの高揚感は
めったに味わえるものではありません。
事実や出来事などを、
単に十七音字に当てはめても狂句味は出ないものです。
大変難しいことですが、「言葉探しの大切さ」をいつも念頭に
おいておくことは大切なことではないかと思います。(塚田黒柱)
3月号の「にがごい誌」の時事吟では・・・
「天・地・人」の次の入選1席でした。
☆ 夏(な)ち向けっ アベノミクスで 人気取(と)い
さつま狂句、子どものころはラジオから流れてくるのを
両親がきいていました。
その傍らで聴いていたのですが
意味を教えてもらたながら笑い転げていたものです。
故郷を離れ数十年
懐かしい鹿児島弁、忘れかけた鹿児島弁
歳を重ねて懐かしさの中に
しみじみ浸りながら、鹿児島弁575の指を折っています。