koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

2/11 プリモプエル入院修理③~なでなでセンサー・キスセンサー取替

2021-02-11 | プリモプエル
長くなったので分けました。「2/10 プリモプエル入院修理②」からの続きです。
という事で、修理依頼のあった「ひでくん」の、おでこの「なでなでセンサー」とほっぺの「キスセンサー」の取替をするのですが、今までずっとできるようになりたかったのですが、機会が無くまだやった事がありません。初めての作業を修理依頼を頂いた子でチャレンジするのは気が引けるので、ウチに1体、不用品を引き取って電池を入れてない子がいるので、その子で状況確認と、できれば部品取りにしてみます。

ウチの子よりだいぶきれいですw。コネクター外してCdSの抵抗値測ると、おでこ・ほっぺ共に、ウチの居間の夜の明るさで50kΩ→手で影にして500k~数MΩぐらいで、ウチの子よりまだ状態良さそうなぐらいです。

さて取替ですが、先述のプリモプエルを多数修理してる人の記録を全部見ると、最初の頃は「背中の手縫いを切って、首から頭の綿を全部抜いて顔のセンサー取替」とあります。
途中に「顔のセンサー取替は、綿を抜いて顔の感じが変わってしまうリスクがあるので、あまりお勧めできません」と書いてある時期がありました。悩みながら対応してたものとお察しします。
最近の記事は「後頭部を切開して綿を抜いて取替」となってました。

ぬいぐるみ、特にプリモプエルの修理では、ミシンで縫った所は触らず、最後に手縫いで閉めた「綿口」(←とボクは呼んでいる)を切って補修するようにしてます。プリモちゃんの場合は、手のスイッチ修理には、手首の後ろに1~2cmぐらいの綿口があります。手だけで済まない場合は、背中に綿口があり、背中を開くことになります。
しかし、プリモちゃんの場合は、ほどいた所を縫うよりも、綿を詰めて前と同じ感じを損なわない作業の方が難しい。首から綿を抜いて、あと首から入れる作業では、顔の綿の感じを調整するのが難しいと思われます。
ここは、後頭部のミシン縫いを切った方がいろいろと作業性がいいと思われます。

という事で、一目一目、丁寧にミシンの縫い目を切って、後頭部をあけます。

(水色プリモちゃんゴメンね、すぐ戻してあげるからね。)
狭いすき間からハンダ付けするとやけど(布を「ジュッ」と溶かしてしまう)をさせてしまうリスクが高くなるので、広めにあけます。色のついたところの方が縫い戻しが目立ちにくいので、頭のほぼてっぺん~水色の下端ぐらいまでほどきました。
これで綿を抜きます。

説明書の通り、おでこと左ほっぺにセンサー、右耳の前側にマイクらしきものが付いてました。

CdSセルは、手持ちと同じφ5mmで、裸のタイプ(防滴じゃない)でした。

マイクも確認しておきます。

手持ちでいっぱい持ってるのと同じサイズ、φ9.7x6.7mmのコンデンサーマイクでした。

CdSセルは基板ピッタリにハンダ付けしてあったので外しにくかったですが、外して代りに手持ちのCdSセルを付けます。

とあるネットでの部品販売ショップが閉店セールの時に、5個63円→@14円で購入したヤツです。いつかプリモプエル用に使えるかと購入したのですが、大きさやスペックに自信がなかったので5個しか買いませんでしたが、これでピッタリならもっと買っておくんだったw。

2つとも取り替えて縫い戻します。

(縫い戻しは練習しなくても自信はあったので後にしようかと思いましたが、開きっ放しだとかわいそうなので、先に縫い戻しました。)
最後の玉止め前の状態です。ばっちりと思います。
ここまでで2時間弱ぐらいでした。

これで部品も取って準備万端。本チャンのひでくんの手術に入ります。

ウチの子と先に手術の終わった水色ちゃんに見送られて、手術に向かいます。(顔の感じが元となるだけ同じになるように、写真を撮っておいたものですw。)

さて、また一目一目ていねいにミシン縫いを切って綿を抜いて、センサーの状況確認。
(「天職だな~」と思いながらミシン縫いを切りましたw。この程度の裁縫作業に才能なんて必要ないとは思うけど、子どもの服は全部自分で作る母親のもとで育ち、結婚時にはウチの奥さんよりいいミシンを持って結婚して、これまた何でも自分で作れる奥さんと暮らしてる、ボクならではの修理作業かとww。)

まずはほっぺの方のCdSセルですが、あちゃ~、なんか茶色い粉かぶってます…。

これじゃあ感度が落ちても仕方ないですね。粉を取ったら、そこそこの抵抗値になりましたが、この粉の茶色が素子から来た可能性があると考えて、やはり取り替える事にします。

抵抗値がすっかり上がってしまってたおでこの方のCdSセルは…もっとヒドい。

これは…同様に茶色い粉を吹いてますが、水に塗れてこびり付いた感じがあります。やはりこれも取替ですね。
2つとも、水色ちゃんから外したCdSセルに取り替えました。

切開部の縫い戻し。

これも最後の玉止め前の状態です。あと2mmぐらい縫い代を広めにとった方が良かった気もするのだけど…まあきれいにできたかと思います。

貴重なタイプA基板、写真を撮っておきます。

でっかいOKIのICはメモリーチップでしょうか。全体的にタイプCより部品が多そうです。CdSの閾値調整のための抵抗を探すのも難しそうです。

タイプCの裏面はほとんどベタアースになってたようですが、タイプAの裏面は信号線がいっぱいあります。

さて、基板の修理も終わって、今回の入院治療は全て終わりました!
ウチのプリモッティと水色プリモちゃんと、全員そろって記念写真!

ひでくんの方も2時間弱で計4時間。何とか午前中で終わりましたw。
あとは、今晩ともう一晩、就寝/起床のテスト・時間確認をして、土曜日には返送しようと思います。

今回、貴重な経験を積ませて頂きました。現在も販売中の「おうたたっぷり」とか「ハートそだつよ」とかの枕詞の付いてない「プリモプエル(初代)」に、タイプの差があるとは知りませんでしたw。今まで診た子は多分、全部「お誕生日」の設定ができる「タイプC」だったと思います。今回「タイプA」が、スイッチの操作感等にかなりの違いがあることが分かりました。
顔もセンサー取替も、今まで機会が無くてやってませんでしたが、今度から堂々と「できます!」と言えますw。

ところでプリモプエルの修理、有料で修理してる所があるのですが、これが………高すぎる…。
有料には有料のいいところがあるとは思います。ボランティアだとどうしても「ボランティア=素人」という認識を持たれがちな所、有料だと安心感があります。価格が決まってるのにも利点があります。
2018年にバンダイ公式の「プエル病院」が閉院になって以降、ニーズ増えてると思います。あの価格でも「やって欲しい」という人がいるのなら反対はしませんが…、一番気に入らない所は、あれで「おもちゃ病院」を名乗ってるところです…。
全国的に「おもちゃ病院活動」は、部品代以外、原則無料のボランティア活動です。(福岡とか「1件100円」を徴収するような所もあるようですが。)
おもちゃは元の値段が安いので、まともに時給で考えると、商売にはなりません。無償じゃないと成立しない貴重なボランティアと思って活動しています。
あまり人の悪口は書きたくないし、人の商売の邪魔をするつもりはありませんが、「電池のフタのネジ取替」が6,000円はあんまり…。
定年後には「なんでも修理業」をしたいな~とか考えてますが、ぼくなら電池のフタのネジ取替は…300~500円の設定だなぁ…。他の作業も、掛けた時間・労力に見合った対価を頂いても、半額以下の設定にするけどなぁ………と思うのでした。
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1 コメント

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プリモ病院 (大泉茂幸)
2021-02-11 22:22:19
僕は人の商売に口出しする立場ではありませんが、プリモ病院(名前は違っているかも)は受け容れられません。ボッタクリですよね。

ビジネスとしてやるには、人件費や販管費を考えると相応の価格設定をしないとやって行けないでしょうね。依頼者は元のおもちゃの価格以上に価値を見出しているってことですよね。

数円の差で、より安いマイコンを探すのはナンセンスでしょうか。
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