koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

5/5 新川まつり臨時開院

2016-05-22 | おもちゃ
この日は、新川まつりに出店しました。
宇部市の「子ども用品リユース」にひっついての出店で、最近来院者が多くてうれしい悲鳴…。

1件目、トーマスのSLでした。すみません、写真撮り忘れました…。
底部に向きがグルグル自由回転の車輪がついてて、向き変えながら走るSL。マイナス線が腐食で断線、芯線真っ黒でハンダも乗らなかったので、線1本取り替えました。
結構複雑なギア構成でしたが、中のピニオンが1個亀裂があり、負荷がかかると滑る様です…。
依頼者様に説明して、この度は補修せず、状態悪くなるようならまた来院頂くようお願いしました。

2件目、なつかしの学研「電子ブロック」です。
(「なつかし」というより、子どもの頃の憧れのおもちゃです。)

電池BOXからの赤線が外れてる、との事。
メインの基板は小さな基板ですが、一旦外してプラス線の接続位置を念のために確認してから、再ハンダ付け。動作確認はちゃんとしませんでしたが(ブロックを組まないと確認できないので)、終了としました。

3件目、えいごの歌の絵本です。

一杯修理したので、あまり覚えてない…。たしか、スピーカ不良でφ24のスピーカ取替だったと思います…。

4件目、おもちゃの時計です。

30分単位で、時計の針を合わせると「○○時です」または「○○時30分です」と音声が出る。
ところが、時々誤作動で、何時にしてても「12時です」と鳴る、との事です。

時計の常、針を外さないと分解できないので、恐る恐る針取って分解。結構複雑な構造でした。

30分刻み24分割で接点が切ってあって、それで時刻を検知する構造でした。接点がめためたに汚れてるかと思いきや、ほとんどきれいでしたが、ちょっと針側の接点にほこりが引っかかってたのと合わせて、接点復活剤で拭いて組み戻しました。
動作確認→良さそうなので、終了です。

5件目、CASIOのメロディーキーボード「TONE BANK」です。

かなりの年代物です。
電池BOX接点が怪しいのですが、ケーシングの奥の方で確認できないので分解。

電池端子は、基板から太めの針金がにょきっと出てるような簡易な作りでした。
サビ取りだけでちゃんと鳴る様になったので、組み戻して終了。

6件目、Combiの知育おもちゃです。(写真撮り忘れました。分解状態の写真のみですみません。)

電池BOX端子のサビのようですが、単3電池3本、表から電圧を当たってもちゃんと4.5V出ず、変な負電圧が出ます…。悩んで分解してみました。

電池3本ですが、2本の中間電圧を使ってる様です。電池端子が1ヶ所不通だと、端子側で変な電圧が出てしまうみたいでした。結局、電池端子磨きのみで復活しました。
(この作りは好きじゃないです…。電池の減りが均一じゃなくなる可能性が高いので。)

以降、7個も持って帰って入院で対応
7件目、歩いて鳴く犬のぬいぐるみです。

これは、開院時間内で別のドクターが格闘してたのですが、断念して入院となったものです。

電池BOX端子が確実にサビてるのですが、いつもみるIWAYAの犬より一回り大きく、単3電池3本を縦に入れる構造で、奥の端子が磨きづらい。
電池蓋周りの接着を剥がして、ぬいぐるみを脱がそうと格闘したのですが、ギリギリで脱げない…。どこか切らなきゃ無理か?で入院となりました。

家に持って帰って再チャレンジするも、やっぱり無理…。とりあえず、電池BOX端子のサビだけなんとかして取ってみようと、手持ちの道具から、リューターの砥石を手回しピンバイスで咥えてグリグリしたら、ちゃんと動くようになりました。
ちょっと、左後ろ足の動きが悪くて(動いてない?)、びっこをひいたようになるってるのが気になりましたが、一応それなりに歩いて鳴くようになったので、これで返却としました。

8件目から4つ、多分同じ人の依頼。ばっさばっさと直していきます。
まず、おもちゃのカメラ。(写真は修理後)

ファインダーを覗くと見えている絵が、シャッターボタンを押すと違う絵に変わる、という簡易なおもちゃ。シャッターボタンが中に入って取れちゃって、絵が切り替えられない、という状態です。
分解すると、シャッターボタンを上に押し付けてるスプリングが外れて、ボタンが外れただけの様だったので、組み戻しました。
スプリングが、何も留めが無く引っ掛けてあるだけで、また外れそうな予感ですが、結構かしゃかしゃ連打しても大丈夫そうなので、特に加工はせずに返却しました。

9件目、アンパンマンのSLです。

どんな作りのおもちゃかよく分かりませんでしたが、アンパンマンを押すと、スプリングの力でびよ~んと走る構造でした。

ばね側の緑の部分に本来付いてたはずのラック(白い部品)が取れて、ギアを蹴らない状態になってたので、接着材で取り付けました。

10件目、アンパンマンのお風呂おもちゃ(潜水艦?)です。
アンパンマンを回すと車輪(外輪)が回る、らしい。

いろいろと大変でした。
まず、分解ができない…。前側のネジ2本を外しましたが、後ろはツメ2つで止まってるようで、ネジだけじゃ取れない。ツメを相当ぐいぐい押すのですが、ビクともしない…。ツメなのですが、どうも接着してあるみたいです。
結局、ツメに掛かってる受け側を薄刃のノコで切って、それでも取れず、メキっと行きました…。
ツメに接着剤を塗ったうえ、ボディも後ろ側が接着してあったようです。

ゼンマイギアBOX内の小さな歯車が1個外れてました。ギアBOXは、一部、溶かして留めてある様で、ネジ外しただけだと、ちょっと広げるくらいしかできず苦労しましたが、何とか元の位置につけなおしました。

さて、仮組してみると…、アンパンマンが空回りしてゼンマンが巻けない…。
ぜんまいの四角軸に対して、アンパンマン側の四角穴がバカになって空回りしてます…。
プラリペア流し込んで軸突っ込んで固めて、一応補修しましたが、ちょっと耐久性に不安です…。
「巻きすぎない様に遊んでください」と注釈つけて、返却しました。

11件目、メロディーキーボードです。

「全然動かない」みたいなカルテですが、電池入れたら一応鳴りました。でも、鳴らない音・効かないボタンが多数あったので、分解して、全ゴムSW・基板側共、アルコールで清掃しました。

さて、あと2つ。難航したヤツです。
12件目、ハムスターのおもちゃです。
メーカー名から検索した結果、日本での発売元はSEGA TOYS、Cepia LLCというメーカーの「チューチューペット(Zhu Zhu Pets)」というおもちゃでした。

3匹とも、鳴きはするけど走らなくなった、との事。まず、一番左の赤い子から手を付けました。

背中のSWをカチカチ押すと、鳴くだけのモードと走るモードとが切り替わるらしいのですが、よく分からない…。
モーター外した状態のモーター行き端子で電圧測りながらカチカチやってたら、やっと走るモードになって、ちゃんと電圧出てました。
ところが、モーターを繋いだ状態で電圧測ると、1V未満ぐらいに電圧下がってモーターが回せない…。
回路は、メインにSS8050とSS8550を使った6-Trのフルブリッジ回路。

う~ん、トランジスタの不良の例として、低負荷ならOKで高負荷だとNGという事があるらしい。
ピンクの子も調べると同じ状況。リードタイプのS8050とS8550なら持ってるけど、とてもじゃないけどスペースが足りない…。表面実装のSSはaitendoで入手できるけど、送料が高い…。でも、トランジスタ不良としても、2台とも同じ不良?正逆両方とも同じように不良…?
相当小さな基板で困難ですが、途中まで回路を起こして…、ここらで力尽きて、とりあえず、黄色の子を見てみました。

黄色の子は、モーター電圧正常、ギアボックス内のモーターピニオン:8Tの割れで、取り替えてちゃんと走るようになりました。
さて、平日はほとんど修理作業しないので、平日につらつらと思い巡らせてると、「負荷が高いと電圧が下がってしまう」って、電池容量が減った時の典型的現象じゃない?!
と、思い至り、電池確認すると、確かにいまいち。電池替えたら…、動くじゃないか!

という事で、1台はギアでしたが、あとの2台は電池の減りが原因でした…。音はちゃんと鳴るので、電池と思いませんでした。アホだなぁ…。電池の確認は、おもちゃ修理の初歩の初歩の初歩なのに…。

さてさて、気を取り直して、おそらく今回の修理の一番の難関、仮面ライダードライブの変身ベルトに取り掛かります。

ブレスレットに車をセットしてどうかこうかすると、必殺技が起動する。ブレスレット側に、検出のリミットが3つ並んでる。その真ん中の1個のツメがなくなってる。多分そのせいで、必殺技が起動しない、との事。厳しい戦いになりそうな予感です…。

ブレスレット側、分解して基板のみにすると、こんな感じ。
リミットは基板取り付けタイプ。左の1個は独立ですが、右の3つは一体で3つです。
真ん中の1個、確かに欠けてますが、接点もなくなってる。よく見ると、ツメ構造の後ろ半分が残ってる様です。構造確認・型取りの為に、壊れてない接点も1個外して確認します。

左が割れてない接点。右が割れた接点のおしり側の残り。全長6mm、厚さ1mm。
さて、これをどうするか…。
まず、プラリペアで型取りして、一から作って削り出しで調整しようとしましたが、あまりの小ささに途中で断念…。
残ってる後ろの部分はそのまま使って、折れた部分のみ再生する方針に変更しました。
作った接点、ざっと削って整形したのがこんな状態。

もはや、手作業の限界ですね。
接点も、モーターブラシ用で持ってたリン青銅板をほそ~く切って、欠片に差し込んだ状態でプラリペアで固めて、後から長さ調整。
なんとかそれらしい形にして、いざ、SWケーシングに取り付け→スムーズに動かない→再度整形…。
と、かなりがんばってみるも、フリーのストロークが取れない…。ケツ側に、虫眼鏡で見ても判別できない程のバネ機構がついてる様なのですが、その不具合なのかも…。なんとか接点はON-OFFするようなので、組み戻して動作確認。
ネットでみれる取説みながら動作確認。ちょっと不発な時がある気もしますが、なんとか必殺技起動するようです。

やっと全部終了。ドクター4名で、たしか受付26件。
当日修理6件と入院7件対応。ちょっと負荷高すぎるなぁ~
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2 コメント

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お疲れ様です (つつじが丘おもちゃ病院 大泉茂幸)
2016-05-24 21:07:37
大量の件数でしたね。
現役でもよくやっておられると感心しております。
それと、いつもブログ更新を楽しみにして、覗いています。
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コメントありがとございます~ (kohei)
2016-05-31 22:17:15
定期開院は10人ぐらい出席するのですが、イベント事は出席率があまり良くありません。(スペースの都合、あまりたくさんも無理)
その分、大量に持って帰る事になってます。

「また一杯仕事が~」とも思うけど、「たくさん遊ばせてもらう」と考えないといけなかも、ですね。

基本、定期開院が月2回で、ブログ更新も遅れがちですが、これからも愛読よろしくです。
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