昨日は7月度の宇部おもちゃ病院の定期開院日でした。
先月の定期開院日に慶進高校の先生が来られて、「興味のある子2,3人、見学に来てもいいですか?」という申し出があり、7月度のこの日に、高校生が6人も来ました。(まだ「ソーシャルディスタンス」で対面修理してないのですが、中はぎゅうぎゅうになってしまいましたw。)
今回も来院した人のおもちゃは他の人に振って助言や補足説明だけしてましたが、院長が「預かり品が2つある、誰かやってくれる人~?」というのを2つとも貰って、開院時間内に余裕が出来たので、それの修理をしました。
2つとも同じ人からの依頼品で、通称:DWE=DisneyWorldEnglishという、ディズニーの英語教材。ウチの息子が小さいころお世話になった、なつかしい教材です。(教材セットで、多分めっちゃ高いヤツw。我が家は「教材は要らない!」で、ビデオだけで買ったらしいですw。)
1つ目、ミッキーのペン。
「本の付箋を貼ってあるページの『黒い部分のどちらか』をペン先でタッチすると、頭の先のLEDが光って音声が流れる」というものが、全く作動しないとの事。
依頼者さんからのメモに「電池端子にサビがある」というコメントを頂いてたので、高校生の子たちにルーターで磨いてもらったけど、復活しない…。
とりあえず分解したいのだが、ネジが全くなく、どうもガチガチに接着してあるっぽい。隙間にマイナスドライバ突っ込んでがんばってみるも、ビクともしない…。修理できないとただの人形になってしまうので、なんとか分解して診断しなければ。ペンの先端側から薄刃のノコで切断していく。
何とか先の方は開いたけど、頭の方は耳が邪魔で、薄刃のノコでも、あまり傷がつかないように切るのは無理…。
どうしたものかと頭を抱えていたけど、指で無理やり広げてみると、電池BOXからの赤ビニール線が外れてるのが見えた!何とかこれを繋げば直るかも!
ちょっとプラスチックが溶けたけど、何とか接続。(実際には、ノコで切った時に途中を切断しちゃったので、途中で継いでいる。)
これで一応起動するようになったっぽい。
「ペンでタッチすると音声が出る」との事だが、先端はイメージセンサーではなく、もっと単純な2線のスイッチの様なもの。タッチしても「キュロリロリ~ン」と音がするだけ…。
「ことばずかん」の様なイメージセンサーでパターンを読むヤツは、本の全体にパターンがこっそり印刷してあって、何百という単語をしゃべるのだけど、これはどうも、DVDやCDを聞きながら、右か左のどちらか正解を選んでペンでタッチすると正解音が鳴るだけ、という作りではないかと思われる。
(同じように見える黒い所、正解の方だけ何かの仕掛け、磁力か誘電率の差か、何かを違いを検知するだけの単純な仕組みと思われる。)
多分これで完治なのではないかと思うので、切った所をなるだけ整形してくっつけて、返却とします。
2件目、DWEのプレイメイト。
プレイメイトは、全国的にみると、おもちゃ病院によく持ち込まれるおもちゃですが、ぼくが診るのは初めてです。
「10回に1回ぐらいしかバーコードを認識してくれない。カードの送りも悪い」との事。
プレイメイトは、テープレコーダーと同じ仕組みの昔ながらの純アナログ式と、最近のデジタル式とあるようですが、これは多分デジタル式の方と思われます。
とりあえずまず、分解に時間掛かってしまいました。どうも「ツマミ」の所で引っかかってる様子。コネてもロータリースイッチの方のツマミが取れない…。高校生の子の一人が「左右両側から均等にコネたら抜けるのでは」と助言してくれてやってみたら、すぐ抜けましたw。なんて有能な子!
ツマミは単なるローレットタイプで突っ込んであるだけでした。ただ、ロータリースイッチ自体がネジ止め固定されてて、やっぱりここをバラさないとケースが分解できない構造でした。
全景はこんな状態。
まず、バーコードリーダ部を確認。
LEDが付いていて、反射光でバーコードを読み込むようです。赤外LEDかと思いましたが、可視光の赤色LEDでした。上下2つ付いており、「片方点かないせいで読み込みが悪い」とかと思いましたが、2つとも点灯しました。(フォトリフレクタの様なLEDとフォトトランジスタが組んである一体モジュールなのか、バラを組み合わせたものか分かりませんが、基板に「Module」と書いてあるので、一体モジュールっぽいです。)
読み込み部の透明板は、さほどは汚れてなかったのですが、若干ほこりが付着してました。これを清掃したら、ほぼ100%読み込めるようになりました。
次はカード送り。手で押してやらないとカードが全く進みません。プーリー2段での減速になってます。
モーターからの一段目はいいようですが、2段目が滑って回りません。
軸のグリスが多すぎてベルトに付いてヌルヌルだったので、これをキレイに拭いたらいけるかと期待したのですが、それだけではダメでした…。
前述の高校生の子から「押さえてテンション上げてやれば」という意見が出ましたが、テンショナー(アイドラー)を作り込むのは結構な大仕事…。
5mmぐらい切り詰めれば早いのだけど、段差ができるし、途中でテンションが変わって回転が不均一になる可能性があるので、できればやりたくない…。
だいぶ悩んで、回りの皆さんに「ネットで修理例を調べて考える」と言って、家に持って帰りました。
ベルトは平ベルトですが、プーリーの小径側は「タイコ型」で「自動調心」の仕組みと思われます。
まずこの小径側に荒い紙やすりをちょっと掛けて表面を荒らしてみましが、カード送りはちょこっとしか改善せず。
ネットを探すも、ピンチローラの不良の記事が多く、プーリーベルトの記事はあまりない。切り詰めてもあまり影響無さそうな感じだったので、悩んだ末、切って重ねて瞬間接着剤で止めて、5mm程短くしたところ、しっかり送れるようになりました。(これなら、会場で時間内に出来たわ~w)
ロータリースイッチを切り替えて、録音等もちゃんとできてるようなので、これで返却とします。
先月の定期開院日に慶進高校の先生が来られて、「興味のある子2,3人、見学に来てもいいですか?」という申し出があり、7月度のこの日に、高校生が6人も来ました。(まだ「ソーシャルディスタンス」で対面修理してないのですが、中はぎゅうぎゅうになってしまいましたw。)
今回も来院した人のおもちゃは他の人に振って助言や補足説明だけしてましたが、院長が「預かり品が2つある、誰かやってくれる人~?」というのを2つとも貰って、開院時間内に余裕が出来たので、それの修理をしました。
2つとも同じ人からの依頼品で、通称:DWE=DisneyWorldEnglishという、ディズニーの英語教材。ウチの息子が小さいころお世話になった、なつかしい教材です。(教材セットで、多分めっちゃ高いヤツw。我が家は「教材は要らない!」で、ビデオだけで買ったらしいですw。)
1つ目、ミッキーのペン。
「本の付箋を貼ってあるページの『黒い部分のどちらか』をペン先でタッチすると、頭の先のLEDが光って音声が流れる」というものが、全く作動しないとの事。
依頼者さんからのメモに「電池端子にサビがある」というコメントを頂いてたので、高校生の子たちにルーターで磨いてもらったけど、復活しない…。
とりあえず分解したいのだが、ネジが全くなく、どうもガチガチに接着してあるっぽい。隙間にマイナスドライバ突っ込んでがんばってみるも、ビクともしない…。修理できないとただの人形になってしまうので、なんとか分解して診断しなければ。ペンの先端側から薄刃のノコで切断していく。
何とか先の方は開いたけど、頭の方は耳が邪魔で、薄刃のノコでも、あまり傷がつかないように切るのは無理…。
どうしたものかと頭を抱えていたけど、指で無理やり広げてみると、電池BOXからの赤ビニール線が外れてるのが見えた!何とかこれを繋げば直るかも!
ちょっとプラスチックが溶けたけど、何とか接続。(実際には、ノコで切った時に途中を切断しちゃったので、途中で継いでいる。)
これで一応起動するようになったっぽい。
「ペンでタッチすると音声が出る」との事だが、先端はイメージセンサーではなく、もっと単純な2線のスイッチの様なもの。タッチしても「キュロリロリ~ン」と音がするだけ…。
「ことばずかん」の様なイメージセンサーでパターンを読むヤツは、本の全体にパターンがこっそり印刷してあって、何百という単語をしゃべるのだけど、これはどうも、DVDやCDを聞きながら、右か左のどちらか正解を選んでペンでタッチすると正解音が鳴るだけ、という作りではないかと思われる。
(同じように見える黒い所、正解の方だけ何かの仕掛け、磁力か誘電率の差か、何かを違いを検知するだけの単純な仕組みと思われる。)
多分これで完治なのではないかと思うので、切った所をなるだけ整形してくっつけて、返却とします。
2件目、DWEのプレイメイト。
プレイメイトは、全国的にみると、おもちゃ病院によく持ち込まれるおもちゃですが、ぼくが診るのは初めてです。
「10回に1回ぐらいしかバーコードを認識してくれない。カードの送りも悪い」との事。
プレイメイトは、テープレコーダーと同じ仕組みの昔ながらの純アナログ式と、最近のデジタル式とあるようですが、これは多分デジタル式の方と思われます。
とりあえずまず、分解に時間掛かってしまいました。どうも「ツマミ」の所で引っかかってる様子。コネてもロータリースイッチの方のツマミが取れない…。高校生の子の一人が「左右両側から均等にコネたら抜けるのでは」と助言してくれてやってみたら、すぐ抜けましたw。なんて有能な子!
ツマミは単なるローレットタイプで突っ込んであるだけでした。ただ、ロータリースイッチ自体がネジ止め固定されてて、やっぱりここをバラさないとケースが分解できない構造でした。
全景はこんな状態。
まず、バーコードリーダ部を確認。
LEDが付いていて、反射光でバーコードを読み込むようです。赤外LEDかと思いましたが、可視光の赤色LEDでした。上下2つ付いており、「片方点かないせいで読み込みが悪い」とかと思いましたが、2つとも点灯しました。(フォトリフレクタの様なLEDとフォトトランジスタが組んである一体モジュールなのか、バラを組み合わせたものか分かりませんが、基板に「Module」と書いてあるので、一体モジュールっぽいです。)
読み込み部の透明板は、さほどは汚れてなかったのですが、若干ほこりが付着してました。これを清掃したら、ほぼ100%読み込めるようになりました。
次はカード送り。手で押してやらないとカードが全く進みません。プーリー2段での減速になってます。
モーターからの一段目はいいようですが、2段目が滑って回りません。
軸のグリスが多すぎてベルトに付いてヌルヌルだったので、これをキレイに拭いたらいけるかと期待したのですが、それだけではダメでした…。
前述の高校生の子から「押さえてテンション上げてやれば」という意見が出ましたが、テンショナー(アイドラー)を作り込むのは結構な大仕事…。
5mmぐらい切り詰めれば早いのだけど、段差ができるし、途中でテンションが変わって回転が不均一になる可能性があるので、できればやりたくない…。
だいぶ悩んで、回りの皆さんに「ネットで修理例を調べて考える」と言って、家に持って帰りました。
ベルトは平ベルトですが、プーリーの小径側は「タイコ型」で「自動調心」の仕組みと思われます。
まずこの小径側に荒い紙やすりをちょっと掛けて表面を荒らしてみましが、カード送りはちょこっとしか改善せず。
ネットを探すも、ピンチローラの不良の記事が多く、プーリーベルトの記事はあまりない。切り詰めてもあまり影響無さそうな感じだったので、悩んだ末、切って重ねて瞬間接着剤で止めて、5mm程短くしたところ、しっかり送れるようになりました。(これなら、会場で時間内に出来たわ~w)
ロータリースイッチを切り替えて、録音等もちゃんとできてるようなので、これで返却とします。
koheiさんの息子さんも使われていたそうですが、DWEとっても高価で手が出せず、中古を清水の舞台から飛び降りる気持ちで購入したにもかかわらず、壊れていて、自分で直そうと試行錯誤するも、何も変わらず本当に困っていました。
ブログ記事を拝見したところ、とても素人では手がでない修理でしたので本当に依頼してよかったです。
今回は高校生も見学されていたとのことで、高校生なのに電気関連に見識があり、驚きました。うちの子もkoheiさんやその高校生のように、技術があり、人を助けられるような人になってくれれば、と思いました。
感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
また何かあれば、是非ご依頼下さい。(お時間あれば、毎月第2土曜日の定期開院にお越し下さい。今は対面修理できていませんけど…)
プレイメイトは故障の多いおもちゃです。(ある意味、長く使われるおもちゃという事かもしれません。)
バーコードリーダーの読み込み不良はまた出ると思いますし、カード送りの空回りもまた起きると思います。
直しづらい故障(本体コンピュータの故障等)も起きるかもしれませんが、何度でも持って来て下さいねw