koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

6/8 宇部定期開院

2019-06-18 | おもちゃ
6月度の宇部おもちゃ病院定期開院日でした。
1件、また隣国に発注した部品待ちで終わってないのですが、終わった所までアップします。

1件目、トーマス関係のぜんまいカーです。(たしか「ハリケーン」と言ってました。)

ぜんまいを巻く軸が曲がって周囲に当たってる様だったので、ぜんまいブロック外して、手で押して、そこそこまっすぐに修正しました。

2件目、よく来る、SEGA TOYSのくるくるアンパンマンです。(どうやら正式名称は「おいかけっこアンパンマン」らしいですが…。)

うんともすんとも言わないので、とりあえず、底面の結束バンド外して分解。
手のスイッチへの配線の断線が多いのですが、電池BOX周りのガラス管ヒューズの部分で、ハンダ付けが外れてました。

単純な断線ですが、電池BOX周りの配線が複雑で、気づくのにちょっと時間が掛かりました…。
結束バンドは、切らずに外したのですが、やっぱりそのままでは仕戻しできず、1cm程じょうぶな糸で延長して使いました。

3件目、戦隊ヒーロー物、トッキュウジャーの「トッキュウチェンジャー」です。(写真撮り忘れました…)

直りませんでした…。預かってもうちょっとがんばってみるんだったなぁ…。

受付でなんか「セリフが少なくなった」みたいな説明を一所懸命されてました。刺す電車の種類を検知して、それに合わせた必殺技が起動する作りで、電車種類を認識してくれないので、必殺技が起動しない、の状態と思われます。

BANDAIヒーロー物いつもの「ディテクタSW」の不良と思われるので、分解。

右側:3つのSWでパルスを作って、電車の種類を判別しますが、どのSWもON-OFF悪くない…。電車差し込み検知等で、表と裏ともう1つずつディテクタSWがりますが、どれも悪くない…。
電源OFF状態で導通取って、SW-OFF時に数十オーム(極性で差あり)で、SW-ONでゼロオームなので、ちゃんとIC側にも繋がってると思います。
ディテクタSW悪くないなら、やってみる所がない…。修理不能で終了してしまいました。

後日おもちゃ修理関係のサイトを見てると、ディテクタSWの戻りが悪くてパルスがきれいに出ずに認識できない事があるらしい。指で押してみて気にはならなかったけど、ほんとにそうだったかな?
家に持って帰ってオシロ繋いで、パルスの出方を見たりするんだったなぁ…と反省…。

4件目、ロマンスカー。

音が全く出ない、後輪が外れてる、という状態。
音が出ないのは、スピーカーの破損でした。磁石が取れてなくなって、ボイスコイルも断線でした。φ29mmスピーカ取替え。
後輪は、はずみ車ブロックの留め部が折れて中で脱落してました。ワッシャ入れたらネジで押さえられそうだったので、破片を軽く瞬間接着剤で付けてから、ワッシャ+ネジで押さえました。

5件目、ディズニーのおやすみシアター。

電源SW押しても「ピピピッ」と鳴るだけで、音も光も出ない。カセット入れると全く動かない、との事。
終了間際に持って来られたので、診ずに入院しましたが、単2×4本のうち、1本だけ消耗してて、「ピピピッ」は電圧不足でエラーの音だった様です。
電池は4本いっぺんに替えた方がいいんだけど、自分だったらどうするかなぁ…と思いつつ、説明して返却としました。

6件目、うたの絵本です。(「だいすきあそびうたえほん」と書いてある。)

電池BOXフタのネジが舐めちゃってあけられない、音がすっごく小さい、との事。
外からだいぶがんばってみましたが、どうしてもあかないので、分解して中からチャレンジ。裏蓋あけたときに受けのナットがすぐ取れたので、裏蓋あけたらあっという間でしたw。ちょっと長いけど、手持ちのM2×8mmLの皿ネジに取替え。
「音が小さい」は、カップリングコンデンサの不良とかかと思いましたが、単なる電池の消耗でした。

7件目、ボイスレコードのくまです。

この分解状態で持ち込まれました。「動きがおかしい、再生音に雑音が混ざる」との事ですが、とりあえず、右足が折れてます。分解していきます。

プーリーベルトが無い…。仕方なく手持ちの手芸用コード繋ぎ品を使いましたが、後で見たら、袋に入ってました…。
右足は、厚さがそこそこあったので、ピン差しで継いで、出っ張ってもいい側面で当て板補修とします。

「雑音がする」との事でしたが、プーリーベルトが外れてたせいでモーター音が大きかった事と、ケース分解したときに、スピーカもマイクも外れたので、マイクが外れ気味で、内部の動作音を拾い過ぎてた、といった理由ではないかと思います。マイクしっかり固定して全部組み戻したら気にならないレベルになったと思います。
ぬいぐるみへの固定は、結束バンドがついてなかったので、手持ちの長めの結束バンドを使いました。

参考までに、基板写真載せておきます。
裏:

表:

回路全部は追いませんが、マイク(配線=茶・橙)は、アンプ無しでCOBに直接入ってますね。スピーカー駆動(配線=白・白)も、アンプ(ドライバTr)無しですね。モーターの駆動だけは、リードタイプのTrを使ってます。

さて8件目、高難易度な故障、根性で直しました!ディズニーの「マジカルポッド」です。(写真は修理後。)

「ジュエルパッド」と思って預かったのですが、微妙に違って、マジカルポッドでした。とりあえず「電源が入らない」という状況のようです。
他のドクターが対応して、「電源ボタンの導通が悪くて起動しなかったことがある」と口出しして、「お椀型の金属」のSWを一回外して貰って短絡してみたのですが、起動せず。
このまま「修理不能」で返却になる所を、「このままだともう捨てることになるでしょう?預からせて貰ったら、もうちょっとがんばってみる」と、貰って帰りました。

「ジュエルパッド 電源入らない」で検索すると、自分のブログが検索1番に出ましたw。「自分なら直せるんじゃないか」と出しゃばって持って帰ったのに直らなかった、苦い思い出の案件。今回はリベンジしたい!
(ジュエルもマジカルも、「ポッド」と「パッド」がごっちゃで、どっちが正しいのかよく分からない…w。今回取説検索したら英語では「Magical Pod」と書いてあったので、「ポッド」が正解としますw。)

とりあえず分解。電源・電源ボタン回りかと思い、周辺の電解コンデンサを外して確認してみる。

しかし、異常なし。やるんじゃなかった…。
多分多層基板なので、スルーホールの部品を無理に外すと、内層パターンとの接続箇所が切れたりして、基板にダメージが及ぶ可能性もあったかも…。

気を取り直して、クロックを確認してみる。(やっとオシロで水晶の発振確認ができるようになったので。)
上の写真の中央上寄りに、表面実装の水晶、12000なんとかと書いてある。

電源ボタン押すと、ちゃんと12MHzで発振してる。

リセットを押してから電源ボタンを押すと、上部の白色LEDがしばらく点灯する。その後電源ボタンを再度押しても、LEDは点かない。何らか、SWに反応はしている様子。
電源ボタンを押すと、水晶が発振する。リセットボタンを押すと、発振止まる…。
これってもしかして、ちゃんと動いてるんじゃない?

開院当日の会話を思い出した。
担当ドクター「ちゃんと動いてて、表示が出てないだけじゃない?」
ぼく「そしたらでも、起動音ぐらい鳴るはず」
依頼者さん「音消しにしてて鳴らないかも…」

ちょっと液晶の接続部あたりを確認しよう、と、液晶を剥がそうとしてみたら、なんと、待ち受けの画面が出るじゃないの?!

写真の左下コーナーの辺りをちょっと浮かすと、画面が表示されます。液晶の不良だけなら直せるはず!とりあえず、液晶を外してみる…と、Oh!My God! FFC(フレキシブル・フラット・ケーブル)が切れた~!

FFC、「パキッ」と折り目が付けられている。端っこの5本の配線のところが折り目で折損。こんなにきっちり折らなければいいのに…。
※このオレンジ色のフィルムで作ったフレキシブルケーブルは、FPC(Flexible Printed Circuit)と言った方がいいらしいです。FFCは導体をフィルムで挟んで作るので、基本的に単純な直線のみなのに対して、FPCはいろんな形状にできるし、フィルムの途中に表面実装部品を乗せたりできますね。FFCもFPCも、電子工作界では略して「フレキ」と呼ぶので、どっちでも同じですけどw。

どうしよっかなぁ…、交換部品買おうかなぁ…と、ちょっと「LCD 44PIN」でネットを物色してみたものの、この5本の部分は、他の信号線部分から独立してて、FFCの途中でハンダ付けで繋いである。タッチの信号線は、表面の透明板の方にあるので、この5本線はバックライト用の線と思われる。これだけなら何とか継げるんじゃないか~?

最初、FFCの切れたところで何とかパターン部を露出させて、ハンダ付け出来ないかと思ったのだけど、ポリイミドフィルムで両面カバーされてて、パターンを出すのは困難そう。ピッチも狭すぎて、ハンダ付けも厳しそう。バックライトのLEDから直接配線した方が早いのでは?と、バックライトを確認する事にする。
表からアクセスしようとしたのだけど、結構しっかり張り付けられてる。無理してガラスが割れるとさよならだし、あまりごそごそすると、きっちり折られた信号線のFFCが折損しそうで怖い…。
裏のアルミの保護板を外して白いシールを1枚剥がすと、すぐLEDが出ました。導通でコモンを確認して、あとそれぞれ1本ずつハンダ付けして、配線を引き出します。

難しそうなハンダ付けでしたが、やってみるとそうでもなかった。
続いて、元々ハンダ付けされてたFFCの途中に、LEDから引き出した線をハンダ付けしていきます。

なかなか厳しいハンダ付けでした…。折損したFFC部よりは広いのですが、それでもかなりピッチが狭い。(写真に写ってる親指の爪の先と比べて下さいww。)
買ってて良かった、AWG28の細ビニール線を何とかつけました。

これでどうだ!……ちゃんとONして画面が点いた!
「音がしない」は、やっぱり「マナーモード」設定でした。ネットで取説検索してマナーモード解除したら、ちゃんと音が鳴る様になりました。(リセットしても、マナーモード解除されないのね…。)
これで完全復活!内容は違うかもしれないけど、3年前のリベンジを果たしました~。
パッキリ折ってあるFFCが気になる、じきにここも切れそうな予感がする…。その際には、さすがに液晶買い替えになるかとは思いますが、今回は取りあえず直せました!

で、9件目があるのですが、どうしてもモーターが不良で隣国に発注・到着待ちなので、終了したら記事アップします。
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