koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

7/18 リユース出張開院①

2020-07-23 | おもちゃ
自粛生活から再開のリユースでの出張開院がありました。
「4連休があるのでいくらでも貰って帰ります!」と、結構いっぱい入院を持って帰りましたw。
記事が長くなりそうなので、2つに分けますw。

1件目、はたらく自動車の絵本。

音が鳴らないとの事。本からひっぺがして分解。

φ40mmの薄型スピーカ不良でした。手持ちはφ36mmしかなかったので、これに取り替えて、あっという間に終了。

後は入院で対応です。(それなりに忙しかった気がするのですが、振り返ってみると何故か、会場で修理は1件だけ?)
2件目、光るペン(×2)。途中まで会場でやってましたが、直らず入院。

なんか…バラバラですw。スイッチもLEDも取れちゃいます。しかも片方は、肝心のLEDがありませんw。
電流制限抵抗も無さげなので、LR44×2で3Vちょいの直接駆動かなぁ…と思いつつ、手持ちの青色LEDを付けてみます。

電池BOXは、LR44を2個詰めるとぎゅうぎゅうなのですが、これで一応点く様になりました。しかし…、同じ点け方だと、LEDが残ってた方は暗すぎます…。LEDダメかなぁ、残ってた方も取り替えるかなぁ…。
しかし、よくよく考えてみる…。受け取った袋にLR1130という電池が3個入ってました。

この3つ、電池BOXに収まらないんだけど、1個は底が膨らんでる状態で、膨らんでなければこのLR1130×3個がジャストサイズで、元々4.5V電源なのね。Vf≒3.3Vの青色LEDを電池2個で点けるのは無理があるよね。
(規格表によると、LR44がφ11.6×5.4mm、LR1130がφ11.6×3.05mmでした。)
残ってた方のLEDはきっと、抵抗入りLEDなんだろう。だから電池2個分の電圧じゃ暗すぎたのね。

という事で、LED残ってた方は抵抗無しでそのまま接続。手持ちのLED使う方は、なんとか電流制限抵抗を乗せて接続。

抵抗は最初50Ωを付けてみたのですが、まぶしすぎる!多分、照射角も狭いんだと思う。1mぐらい放しても目が痛いぐらいに明るいので、これじゃあ子どもが使うのに危険なレベル…。一度付けちゃったのですが、変更することにした。明るさ確認しながら、結局普通はそこまでやらない5.1kΩとしました。

さて電池ですが、「ホームセンターに買いに行くつもりですが、ちょっと特殊なサイズなので多分高いです。少なくとも1個100円、6個で600円はすると思います」と言ってあったのですが、ホームセンターに見に行くと、1個163円、6個なら1000円にもなる事が分かりました。
どうするか相談したのですが「それでも直して欲しい」との事なので、持って帰って修理したのですが、ふと考えなおしてAmazonで検索してみたら、安い電池いっぱいありました。
おもちゃドクターとしては安い電池は使いたくないのですが、100円でも買えそうなLEDライトペンに電池代500円も出すのはちょっと…。
ちょい悩んだ末、送料無料の10個198円のを発注。4日で届きました。

「外れもある」とか「サビてる」とかのレビューあったので、1個ずつ電圧測りましたが、どれも悪くありませんでした。持ちがどうかは分かりませんが、これでとりあえず点灯状態で返却出来ます。

さて3件目、USB刺すとこのついた携帯ファン(×2)です。

ケーブル持ってこられてなかったのですが、リユースの係の人が持ってたので借りて繋げてみたところ、充電池入りで、ケーブル外しても充電で使える携帯ファンでした。
他のドクターに担当してもらってたのですが、「軸が摩耗してダメ!」との事。「軸の摩耗って分かってるなら、ブッシングとかなんとか、やりようあるんじゃない…?」と思いつつ、先のLEDペンと同じ人だったので、僭越ながら持って帰って診てみることにしました。

分解してみると…ブレシレスモーターでした。

とりあえず、回らない。手で最初を回してやると回ることもある、といった感じ。回っても「バタバタ」と接触音の様な音がするけど、ファンとケーシングは当たってはいない。
ぼくが預かった時点で、モータを付けてる基板が固定されずにグラグラだったので、それがいけんのかと思って両面テープで固定してみたけどよくならない。ロータの位置によって、回転を始められる時と回らない時がある…。
だいぶ長時間悩んで、「これはもうダメだ…」と諦めかけたけど、考え間違いをしてた。ファンロータの真ん中に付いてる銅色の金属は、磁石コアじゃなくて単なる軸受け、磁石は外ですね。この銅色、というより銅の軸受けが、下の白いプラスチックに刺さってる所の固定がルーズになって、芯が出てない/芯がずれて回らないんだ。
この銅の軸受けが電磁石コアのしっかりセンターになるように、エポキシで固定してしまおう!

下のプラスチックの所にエポキシ塗って軸受け刺して、上にもセンターになるように調整しながらエポキシを塗って電磁石コアのセンターに固定してしまう。
これで2つのうちの1個は、ちゃんと回るようになりました。バタバタ音もほぼ収まりました。

もう1つの方はまだ苦労しました。上から刺しただけではセンターが出ず、2回やり直しました。下の白いとこはもう当てにせず、基板・コアの裏表両側からセンター調整をして固定して、やっと回るようになりました。

さてこのモーター、2極4コイル?どうやって回転方向が決まるのかしら…と悩みながら修理してたのですが、よく考えてみると、パソコン等に使ってある冷却ファンと同じ構造と見受けられます。「冷却ファン モーター 構造」あたりで検索かけたら、詳しい説明がありました。(例えば「これ」
コントロール基板からの線は、モータ用に2本だけ。モータ側のICがドライバーなんだろうか…と悩んでたのですが、このICはホールセンサだったんですね。(センサレスかと思った…)
例えば秋月の「ホールラッチ」を使うと、特にドライバーICとかを使わなくても、上の動画で紹介されたようなモーターの回転ができる様なのですが、今回のこのブラシレスモータはちょっと違う気がする…。

動画の説明や秋月のホールラッチICのdatasheetの使用例だと、コイルは3端子必要ですが、このモータは、足は3本出てるものの、1本はただの固定用で、コイルの巻き線は繋がって無さそう。基板も端子2つは短絡してある。
この繋ぎ方だと、ホールラッチICの中にフルブリッジが組んであって、正負を入れ替えないと回転しない様に思われます。秋月やAitendoには、そのタイプのICは見当たらない様です。

もしコントロール基板が壊れてた場合、PICなりで作れるか? 後学のためにどんな基板か確認しておきます。
動作は、下のSWを押すと「OFF→低速→高速→OFF」の繰り返し。上のSWは押すと「LEDオフ→色変化イルミネーション→白連続点灯→OFF」の繰り返しです。

基板、掲載の都合で横向きにしてます。
速度調整はPWMかな…と思ったのですが、ラッチICはPWMじゃ不都合だろうな…。トランジスタで電流制限したらロスが多すぎるだろうな…。
モータ行きの線をオシロで測って納得。

画像は低速→高速に切り替わった境目の所。低速時が約4.9V、高速時が6.5V。スイッチングで昇圧してるんですね、スイッチングノイズがめっちゃ乗ってますw。
基板右上のコイル・ショットキーバリアダイオードの辺りが昇圧回路ですね。PICを使えば簡単に昇圧回路が組めるのは、つつじヶ丘おもちゃ病院の大泉さんがプログラマーで作ってる通りです。
これなら、Trのベース電流で電流制御するよりも高効率ですね。(本来なら、基板見た時点でピンと来ても良かった事かもw。)

LEDの点灯制御も不思議です。これはオシロで測っても釈然としませんでした。
色変化イルミと白連続点灯と切り替えれるので、ただのイルミネーションLEDではないような気がするのですが、マイコン内蔵フルカラーLEDは、たいがい4線式です。この基板ではLEDには2本しか行ってないので、これでは信号は送れないと思う…。
オシロで見た結果、白連続点灯時には、パルスが出てました。

画像の通り、周波数は970Hz、Duty30%ぐらいでした。
ところが、色変化イルミの時は、約3Vの連続荷電の様で、パルスで信号を送ってる様子はありませんでした。秋月やAitendoには、そのような仕様のカラーLEDは売ってませんでした。
ほんとにこんな仕様なのか、外から連続とパルスと掛けてみれば確認できるでしょうけど、そこまではしませんでした。

USBからの3V供給は、USB部分だけで完結してる様です。

充電管理は、メイン基板左下側の5PINのIC:U1がやってると思われます。
ここまで解明しとけば、万が一メイン基板のマイコンが壊れても、PICで換装できるかな?
(という事で、一旦記事①終了です。)
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