山登り・里歩きの記

主に関西地方を中心とした山登り、史跡巡りの紹介。要は”おっさんの暇つぶしの記”でんナァ!。

六甲全山縦走(三日間) 4

2018年03月31日 | 山登り

2017年11月 三日間かけてですが六甲全山縦走に挑戦した時の記録です。今回は二日目(11月16日(木))の後半、市ケ原から記念碑台まで。

 布引ハーブ園へ  


市ケ原、桜茶屋を後にして山へ入っていく。ちょっとした坂道が続きます。20分ほど登ると、右側に布引ハーブ園に通じる階段が現れる。ハーブ園に立ち寄ってみることに。
小さな上り下りが続く尾根を5分ほど歩くとハーブ園の建物が見えてきた。
たどり着いた所はハーブ園の裏側のようです。入口を探すがなかなか見つからない。鉄柵が閉められている。鉄柵は踏み越えられるような高さだが、不法侵入のようで気が引ける。しかしよく見ると「ハイキング道出入口」とあり、柵を開いて入ってください、とあります。鉄柵は錠がされておらず、簡単に開きました。

中は遊園地のような雰囲気。レストラン、土産店、展望台などがあります。このハーブ園まで登って来るには三ノ宮の繁華街に近い新神戸近くの神戸布引ロープウェイを使用する。帰りもロープウェイで降りるしかない。この往復のロープウェイ代1400円(片道だけなら900円)が、布引ハーブ園への入園料に該当するようだ。
ロープウェイを利用せず、登山やハイキングで登り、裏から入ればタダで入園できる。ハーブ園にとってはあまり歓迎したくない訪問者なのです。入口が判りづらいのも止むを得ないか。
展望台からは神戸の中心街が間ぢかに望まれる。そして展望台のある最上部の施設から下へ、山腹の中ほどまでがハーブ園として公園となっているようだ。

 摩耶山へ(稲妻坂・天狗道)  



布引ハーブ園であまりユックリしてもいられないので、元の分岐路に急いで戻る。11時過ぎ、これから摩耶山(702m)目指して厳しい稲妻坂、天狗道の登りへ向う。
ここに周辺の案内図と、山の断面図が掲示されている。摩耶山頂上(掬星台)までかなりの覚悟が必要なようで、気持ちを引き締めます。こうした図は非常に助かり、励みになる。しかし六甲山では少なすぎます。
案内図では「神戸布引ハーブ園(有料公園)」とあるが、裏から入り出てゆけば無料公園・・・。

これから摩耶山(702m)への厳しい坂道が続きます。ここからは「稲妻坂」と呼ばれているだけあってかなりの急坂だ。

平坦な道となり,右(東)側から登ってくる登山道に合流する。新幹線の新神戸駅裏からスタートし,旧摩耶道そして学校林道と名を替え,ここまで続いている。この合流点から先が「天狗道」と呼ばれる坂道となる。

学校林道との合流地を過ぎ天狗道に入ると,始めは平坦な歩きやすい道が続く。少し下る所もあります。
神戸の中心街が真下に垣間見えます。

普通の山道から,道が削られ岩盤がむき出しになった道に変わってきました。ゴツゴツした岩場の連続です。加藤文太郎や天狗ならスイスイ登っていくのでしょうが,そうもいかないので岩に手を添え足を踏み上げ,踏ん張りながら少しずつ登っていく。体力的には確かにキツイものがある。しかし単調な急坂よりは,変化に富み刺激があるだけにユックリ登ればそれなりに楽しめるものだ。須磨アルプス以来こうした変化に満ちた岩場はなかった。
六甲山縦走路の中でも最大の難所といわれる天狗道の登りだが,私にはそれほど苦にはならなかった。

天狗道でもこうした景観が楽しめます。

急な岩場も,傾斜がゆるくなってきた。天狗道も終わりだろうか?

最後の岩場を登る。階段を登ると平坦な尾根筋の道となる。12時半、平坦部に出るとテレビ塔が建っている。NHKとFM放送の電波塔らしい。

 摩耶山(掬星台)  


摩耶山上にたどり着いたが、展望台のある掬星台までは少し歩かなければならない。舗装路を歩いていると右手に入る道が見えます。案内表示によれば,摩耶山三角点が置かれているという。脇道に入ってみます。
すぐ紅い鳥居と小さな祠が表れる。祠は天狗岩大神を祀っているそうです。天狗岩は摩耶山の僧が山中に出没する天狗を閉じ込めた岩だそうです。
この祠の裏側に摩耶山三角点が置かれ,「摩耶山頂 標高698.6m」の木札が立っている。

もとの舗装路に戻り,掬星台目指して歩く。左手は紅葉が美しい「摩耶自然観察園」で,花や野鳥が観察できる。その反対側は「麻耶山史跡公園(旧天上寺跡)」です。元々天上寺があった所ですが昭和51年(1976)の火災でほとんどの建物を焼失してしまう。その後天上寺は,北へ600mほどの現在地に再建され,旧地は神戸市によって公園として整備された。
午後1時、掬星台に到着。掬星台の広場は広く、トイレや休憩所もある。ちょっと寒いので,広い休憩所内でバーベキューしているグループもいる。

掬星台(きくせいだい)の目玉は,「六甲山の1000万ドルの夜景」展望台。夜景でなくても,昼景も十分楽しめる。現在は寒い時期なので人出は多くないですが。
広場の隅に摩耶ロープウェーの乗り場「星の駅」があります。途中で摩耶ケーブルに乗り継いで市街地まで下山できる。

眼下に、神戸の中心街、さらに阪神間の街並みが遠望できる。

 摩耶山天上寺(てんじょうじ)  



掬星台を後にして摩耶山天上寺へ向かう。天上寺まで700mとなっています。
周辺の山を眺めると,すっかり秋らしい彩りとなってきています。

全山縦走路を外れるが,天上寺を訪れてみる。
すぐお寺の白塀が見えてくる。白塀の中ほどに登り階段があり,山門が見えます。
天上寺はもともと掬星台の南方にあったが、昭和51年(1976)の火災でほとんどの建物を焼失してしまう。北へ600mほどの現在地に再建された。天上寺の旧跡は現在「麻耶山史跡公園(旧天上寺跡)」として整備されています。

階段を登れば,お堂の建つ広場です。
広場の奥は、本尊の厄除けの秘仏・十一面観音が祀られている本堂。本堂の右横は「摩耶夫人堂」。天上寺は、大化2年(646)に孝徳天皇の勅願を受けたインドの高僧・法道仙人の開基と伝わる。弘法大師空海が唐より釈迦の生母・摩耶夫人像を持ち帰り、この寺に納めたことから「摩耶山」と呼ばれるようになった。
お堂の前は枯山水風の庭。道を挟んだ向かいも同様の庭で白砂に模様が描かれている。仏教的な仙郷の世界を象徴しているそうです。庭の奥は展望所です。

 アゴニー坂・杣谷峠  



天上寺から引き返すと,ホテル・ド・摩耶の建物が見えてくる。ホテル・ド・摩耶はかって国民宿舎だった。ジャグジーやイタリアンレストランを備える。立ち寄り入浴も可(525円タオル付き)大浴場12~23時
ホテルの前まで入ってみると,六甲全山縦走路の標識が建っている。六甲全山縦走路は天上寺への道ではなく,直接ホテル・ド・摩耶へ進む道なのです。

次の目標は杣谷峠(そまたに)。ホテル・ド・摩耶の前の車道を奥へ進む。六甲全山縦走路の標識も見つかる。ススキの季節,秋を感じます。

車道を,秋を感じながら歩き標識に従い山道に入る。すぐ次の指示がある。右の山道に入り,アゴニー坂へ進めとあります。六甲山はやたら英語表記が多い。”アゴニー”とは人名だろうか?

山道に入る。しばらく舗装路が続いていたのでまた登山という感覚が戻ってきた。アゴニー坂のすぐ西側に摩耶別山(標高717m)という摩耶山より少し高い山があるのだが,何の案内も目にしないのでパスして進む。
アゴニー坂は,ホテル側からは下り坂のようです。石ころ道や階段を降りると,やがて車道が見えてきた。案内図には奥摩耶ドライブウェイとなっている。車道に出て右方向へ進む。



平日のせいかドライブウェイを走る車は少ない。車道脇にはよく整備された遊歩道が設けられている。さすが六甲山だと感心する。










山上の人工湖「穂高湖」の傍を通り、午後2時半、杣谷峠(そまたに)の洒落た建物が見えてきた。これはトイレです。この峠は,神戸市内から杣谷(別名 カスケードバレー)を登ってくる登山道が六甲全山縦走路に合流する地点。



 三国池・三国岩へ  



杣谷峠を過ぎ,森閑としたドライブウェイを歩く。この道も全山縦走路の一部になっている。

神戸市立自然の家が見えてくる。予備知識では,この自然の家から山へ入っていく。どこから入っていくのだろう?,とウロウロする。たまたま自然の家から出てきた青年に尋ねると教えてくれました。

自然の家からさらに100mほど先に入り口があり,標識も建っていた。ドライブウェイと別れ山道に入っていく。目指すは記念碑台,六甲最高峰の方向です。



山道といっても,今までのような急坂はありません。標高700m位まで上がってきているので,高低差の少ない山上を縦断するだけ。

またドライブウェイに出会う。休憩所も設けられています。車道を渡った先に山へ入っていく道が見えます。傍に標識が建っている。三国池へはそこの山道を入るようだ。ただしドライブウェイを右へ進む方向は「六甲山記念碑台(車道)」と標識に書かれている。登山図で確認しても,車道を歩いても丁字ケ辻から記念碑台へ行ける。車道を歩く方が道に迷うことがないので手っ取り早いかも。ただし丁字ケ辻までは六甲全山縦走路ではありません。

ちょっとした坂道の先に三国池(標高約800m)が現れる。ここから先は行き止まりなので,少し戻り右の道へ入っていく。
三国池は明治時代に人工的に造られた池。この池で氷を造って氷室で貯蔵し、夏に町まで降ろし売ったそうです。氷を大八車で運んだ「アイスロード」という名の登山道が現在でも残っている。
次は三国池の北にある三国岩を目指す。ここから右へ左へ,判りにくい分岐路が現れるが,「六甲全山縦走路」の標識を頼りに歩く。

三国岩が現れました。巨石が四層ぐらい積み上がっている。人為的にか,自然に積み上がったものか?



 丁字ケ辻(ちょうじがつじ)  



分岐路に戻り,右の道に入っていく。平坦な山道,といっても車がかろうじて1台通れるほどの舗装路。このあたり別荘が散見されるので,別荘のための車道なのでしょう。立派な門を構え,奥をうかがうことのできない高級別荘が並ぶ。舗装路も整備されているが,通る車は見かけない。閑静な道を歩いていくと,広い車道に出る。

ここが丁字ケ辻だろうか?。周辺を見ても「丁字ケ辻」の表記が見つからないので,たまたま止まっていたパトカーに尋ねて確認する。登山図を見ると,この車道も奥摩耶ドライブウェイとなっています。ここ丁字ケ辻(標高約800m)は阪急六甲(灘区)から登ってくる表六甲ドライブウェイと山上の奥摩耶ドライブウェイの合流点。標識に従いドライブウェイを左方向に進む。

ここの周辺図

 記念碑台へ  



ドライブウェイを少し歩くと左手に六甲山YMCAが見えてくる。さらに行くと藤原商店です。今まで店らしきものが無かったので大変助かります。ビールはともかく,温かいおでんはいいね

所々で谷間から,大阪湾や阪神間の街並みが覗きます。

記念碑台まではこの奥摩耶ドライブウェイを歩くことになります。車はほとんど通らないので,歩きやすい車道を歩くこともできる。六甲山ホテルが見えてきました。
国の近代化産業遺産に指定されている六甲山ホテル旧館。なお六甲山ホテルは、2016年に阪急阪神ホテルズから大阪市の輸入車ディーラーに経営譲渡された。この年末で閉館し、数年後にリニューアルオープンするとの報道がでていました。

10分ほど歩けば,右手に六甲山郵便局が見えてくる。東灘区、灘区、北区に跨る250世帯を配達区域とする日本一小さな集配特定郵便局だそうです。
この郵便局の裏が展望テラスになっており,見晴らしがすこぶる良い。展望テラスへは,局内からでも出れるが,建物の横を周って出る。休憩所,トイレも備えている。日本一小さいが,日本一サービスに優れている郵便局です。

六甲山郵便局の展望テラスから
六甲山郵便局、灘警察六甲山上交番をやり過ごし歩くと、広い交差点が見えてきた。バス停の名前から,ここが「記念碑台」といわれる場所らしい。
さて記念碑台とは,何処だ?。グルームさんの像が建っている,という予備知識しかない。像が建っているのだから広場だと思うが,探し回るが見つからない。時刻は4時半、薄暗くなってきたので今日は諦め帰ることに。六甲ケーブルに向かいます。



詳しくはホームページ

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 六甲全山縦走(三日間) 3 | トップ | 六甲全山縦走(三日間) 5 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

山登り」カテゴリの最新記事