山登り・里歩きの記

主に関西地方を中心とした山登り、史跡巡りの紹介。要は”おっさんの暇つぶしの記”でんナァ!。

六甲全山縦走(三日間) 3

2018年03月23日 | 山登り

2017年11月 三日間かけてですが六甲全山縦走に挑戦した時の記録です。今回は二日目(11月16日(木))の前半、神戸電鉄鴨越駅から市ケ原まで。

 菊水山めざして  


二日目(11月16日)早朝,神戸電鉄鴨越駅下車。ホーム東側の細路に入る。見上げると上は駅のプラットホームです。

小さな公園を左に見て,その前の小道を奥へ入っていく。平坦な野道が,曲がりくねって続く。野道はやがて谷あいに沿った林道に出る。車一台通れるほどの車道だが、車は一台も見かけない。標識には,左に進んで菊水山まで2.3kmとあります。
舗装路を進むと「神戸市水道局鳥原ポンポ場」にでくわす。水道局の白いタンクを右手に見て舗装路を進むと,右の小道に降りるよう案内されている。小道を降りるとすぐまた舗装路が現れ,左へ進めとあります。

右に渓流を見ながら歩いていると,上に鉄橋が覆いかぶさってくる。鉄橋は,地図で確認すると「山麓バイパス鳥原大橋」となっている。川は,上流の石井ダムから流れ出る鳥原川で,鳥原貯水池に流れ込む。
高架を潜り進むと突き当たりで,標識に従い左へ折れる。








進んで行くと,金網で封鎖された道が現れる。よく見ると金網に,金網の右側の道を進め,の標識が架けられている。金網柵の右の細路を抜けると,広い舗装路となるが,すぐ左の山道へ入るように案内されている。

階段を登っていくと,左上に神戸電鉄線路のコンクリートと菊水山トンネルが見えてくる。その脇下を歩く。

公園風の広場に出る。この辺りが廃駅になった菊水山駅の場所でしょうか?。周りに人の住んでいる気配など全くないのですが。山登り用の駅?。標識に従い奥へ進む。

 菊水山(458.9m)  



ここからが菊水山への本格的な山登りの始まりで、階段から始まりました。ここまで平坦な道ばかりだったので,体力は十分あります。よし、頑張るゾ!。ゴロゴロ石の坂道、鉄板の階段が繰り返し現れる。


右側に菊水ゴルフ場の芝生が見えます。

急坂の山道,急階段,ゴロゴロ石の坂道が繰り返し現れる。最初の山登りといえ,かなりキツイ山登りとなってくる。

時々覗き見える眺望が気分をやわらげてくれます。近くに見えていた菊水ゴルフ場がかなり下に見えるようになってきました。もう一息か。

こうした鉄板の階段が繰り返される。荒れ道を踏ん張り,前方を見ると菊水山の鉄塔が見えてきました。頂上はもうすぐだ。


8時20分、ようやく菊水山(458.9m)頂上の広場にたどり着きました。2つの白い電波塔が目印です。電波塔の前に「菊水山」と刻まれた大きな山名碑が建つ。元々は「鳥山」という名だったが,昭和10年に楠木正成没後600年の記念に神戸市が楠木正成の家紋・菊水の形に松を植樹したことから「菊水山」となったという。石碑の後ろには三角点も設置されている。

鉄塔の下は展望台となっており,今まで繰り返し眺めてきた景観が再度眺められます。

遠方には高取山、横尾山、旗振山と今まで踏破(?)してきた六甲連山が遠く眺められます。

 天王吊橋へ  



菊水山頂上の広場に設置されていた案内図。六甲山の断面図は山や谷の高低差がよく分かり参考になる。先はまだまだ長~い。

天王吊橋目指して降ります。登ったら降りなければならない,また登るのに。これが六甲全山縦走の宿命です。
ここから急な岩場の下りが始まる。まるで裏六甲の街中へ飛び降りていく感じだ。この急坂は、さっきの案内図には「城ヶ越」と名つけられている。特異な地盤なのか,樹木も育っていない。
岩盤を敷き詰めたような急坂を,岩に手をそえ体をよじりながら降りていく。目の前に,次に登る山が見えているにもかかわらずだ。
手持ちの登山図には,この近辺を「危 やせ尾根ガレ」と表記されている。”ガレ”とは,こうしたむき出し岩盤のことでしょうか?。

岩場を過ぎると,今度は急な階段だ。菊水山の登りで見られた鉄板の階段も設置されている。階段を降り山道に入ると川が見えてきた。川があれば,橋が架かるはず・・・。

見えてきました天王吊橋が。吊橋ですので幅は狭い。でもしっかり造られているので揺れることはありません。
この吊橋は何の目的で設置されたのでしょうか?。地元住民のため?,農林業のため?。どうもそういう目的のものには思えない。調べてみると、車の往来が激しい有馬街道を横断しなければならない六甲山のハイカーを危険から守るために、昭和53年(1978)に長さ60mの吊橋が設置されたようです。鍋蓋山へ登るのに,下の谷底まで降りなくてすむので大変助かります。





下は国道428号線で車の往来が激しい。神戸市内から裏六甲の有馬温泉に通じており,有馬街道と呼ばれている。街道に沿うように流れている川は,上流の天王ダムから流れ出る天王谷川。













 鍋蓋山(なべぶたやま、486m)へ  



天王吊橋を渡ると、今度は登り道となる。ゴロ石が転がり,木の根がむき出しになっている。雨によって土が流され,こうなったのでしょうか。天王吊橋のおかげで傾斜はきつくないのだが,歩きにくい。今日二度目の山登りなので,体力的には少々キツクなってきている。

平坦部が見えてきた。山を抜けたんでしょうか?。平坦部に鉄塔が建っている。鉄塔越しに振り返ると,菊水山の2つの鉄塔が見えます。
平坦部は頂上ではなく,カッグリです。山越えはさらに続く。しかしゆるやかな尾根道なので楽です。

平坦な尾根筋を歩いていく。ようやく頂上にたどり着いたようです。9時20分、鍋蓋山山頂に着。頂上は小さな広場となっており、四等三角点も設置されている。山の形が鍋蓋に似ていることからの山名のようだ。
トイレまで1800mというのが,やけに気になる。


広場には休憩用のベンチも置かれており,眼下の神戸市内を眺めながら一服できます。西方を眺めれば、鉄塔のある菊水山,前回登った須磨アルプスや高取山などの連山が望まれます。







 再度山(ふたたびさん、標高約470m)へ  



次の目標は再度山(ふたたびさん)。標高470mで鍋蓋山とほとんど変わらない。沢や谷へ降りることはないので急坂もない。距離はあるが,ほとんどが尾根筋を歩くので楽です。平坦な山道を黙々と歩くだけ。
分岐道に出会う。左に折れれば,鍋蓋北道で再度公園にでる。私が目指すのは再度山の方向,標識では大竜寺・市ケ原の方向です。

時々垣間見える神戸市街や裏六甲の景観が退屈さを慰めてくれます。

尾根をかなり歩くと次の分岐道に出会う。六甲全山縦走路は真っ直ぐ進むのだが,左に折れれば再度公園です。紅葉の時期なのでちょっと寄り道してみる。

300mほど歩けば池が見えてくる。再度公園の中央にある修法ケ原池です。近づくにつれ紅色の鮮やかさが増してきます。再度公園の紅葉。11月中旬ですが,山の上だからか紅葉は鮮やかに色づいていました。

 大龍寺  



再度公園から元の分岐道に戻る。坂道を降りてゆくと,すぐ二つの道に分かれる。標識によれば右の道は,猩々池を経て諏訪山公園から神戸市内へ降りていく登山道となっている。かって弘法大師が登った道なので「大師道」と名付けられ、大龍寺への参詣道として利用された古道。
左に見える広場は大龍寺の門前広場で,六甲全山縦走路はこの広場を横切ってゆく。



広場に入ると,大龍寺境内へ入る階段が見えます。階段を登り大龍寺境内へ入ってみました。
境内はそれほど広くありません。階段を登った右正面に本堂がある。大龍寺は、768年和気清麻呂によって創建された。和気清麻呂が刺客に襲われた時、龍が現れて救ったといういい伝えから「大龍寺」と名付けられた。

標高470mの再度山は大龍寺の裏にある。後で判ったのだが、再度山への登り口は境内の奥にあるようです。かって弘法大師が遣唐使として唐へ渡る前にここ大龍寺参詣し,帰国後にも立ち寄った。大龍寺のある山へ二度登ったことから,この山を「再度山(ふたたびさん)」と名付けられたという。

六甲全山縦走路は広場を横切った奥にあります。左側へ下っていく道です。傍に標識が建っているが,文字がかすれ役立たない。右の道を登っていくと「善助茶屋跡」があるというので,立ち寄ってみることに。

200mほど入ると小さな広場で、石碑が建っている。「毎日登山発祥の地 善助茶屋跡」と刻まれていた。
昭和53年建立の石碑の背面に「毎日登山」のいわれが記されている。
「毎日登山は此の地から生れた。明治三十八年(1905)頃在神外人が北野から範多坂(注:ハンター坂)を登ってここ善助茶屋にサインブックを置いて署名する習わしをつけた。元町栄町及海岸通りの商社の人達がこれに倣って登りだしたのが神戸市民の毎日登山の始まりである。大正初期から昭和十年頃までが最盛期でこの善助茶屋に百冊に余る大小登山会の署名簿が置かれ早朝には賑わいを見せていた。戦時中一時衰退したが又復活し現在では目指す山筋は別れているが毎日登山者の数は晴雨にかかわらず五千名を下らない。ただこのゆかり深い善助茶屋は戦後次第に訪れる人がなくなりいたずらに風雨にさらされ老朽し果てついに取り壊しのやむなきに至った。今その跡地に「毎日登山発祥の地」の碑を建て末永く神戸の誇毎日登山の隆盛を祈念するものである」

元の広場に戻り、全山縦走路を下って行きます。舗装された,幅広の道となっている。10分位下ると二層の紅い山門が建っている。山門を潜った奥に道が見えるので,それが参道かも。
門には「西国愛染明王霊場第五番札所」「近畿三十六不動尊第九番霊場」「摂津弘法大師八十八ケ所八十二番納経所」などの札が掲げられている。
大龍寺山門の前には広い車道が通っている。再度山ドライブウェイですが平日のせいかほとんど車は走っていない。ここにバス停がある。三宮駅前行きとあるので,何らかの事情でリタイアする場合はここで。ただし,夏季だけの運行で土日祝日のみ,それも本数が少ない。次のリタイア場所は布引ロープウェイとなります。

六甲全山縦走路はどこだろう?。車道を横断した先のガードレール脇に標識を見つける。そこの脇道に入っていくようだ。この脇道に入り、市ケ原を目指します。

 市ケ原へ  





次の目的地は市ケ原。再度山ドライブウェイの車道を渡り、東側の谷へ入っていく。車一台通れるほどの道幅があり、ガードレール付きの舗装路となっている。市ケ原キャンプ場へ行く車の進入路なのでしょうか。
11月中旬、六甲山も色づいてきています。舗装路とはいえ傾斜はゆるく、足への負担はない。紅葉、青葉を楽しみながら気持ちよく下っていけます。道を覆いつくす落ち葉を踏みしめながら歩く。この辺りは「再度東谷」と呼ばれている谷間のようです。
途中に高雄山へ向う標識があり、市ケ原まであと200mと表示されている。

細道となり、すぐ河原が見えてきた。市ケ原に着いたようだ。
渓谷にあるこの河原は、神戸市内に近いこともあってキャンプ、バーベキュー、川遊びなどで人気の場所。土日祭日には家族連れで賑わうそうです。すぐ下は神戸の中心街、新幹線新神戸駅や三の宮。ここ市ケ原は標高250mほどなので、山登りというよりハイキング気分で遊歩道を通って1時間ほどで登ってこれます。この自然、この透きとおった川水は都会では目にすることができない。

板橋を渡り、向かいの河原へ。河原の奥の茂みに階段が見える。縦走路はこの階段を登っていく。
階段を登ると「桜茶屋」の建物があるが、今日は平日なので閉まっている。茶屋の前はベンチが置かれ、休憩所になっている。
桜茶屋の前を左に進むのが六甲全山縦走路。右へ進むと、曙茶屋、紅葉茶屋を経て新幹線新神戸駅や三の宮のある神戸の中心街へ降りてゆける。

桜茶屋の先にレンガ造りの綺麗なトイレが設置されている。ここから摩耶山上までトイレは有りません。市ケ原でキャンプ、バーベキューをして、ここで食器を洗う人がいるんですね。


詳しくはホームページ

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