金魚の養殖池
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ここへ金魚が入ってきたきっかけは、享保九年(1724)柳沢吉里が甲府(山梨県)から郡山藩に国替えになった時に観賞用に持ち込んだもの。武士の内職として飼育していた金魚の養殖技術が付近の農家に広まり、水利の便の地の利を得て金魚養殖が盛んになる。そして下級武士や農民の内職や副業となり,それを行商人が各地に販売し広めていった。かって貴族や豪商しか嗜好しなかった高級魚だったが,明治以降は庶民の間でも飼うことが流行するようになり,大和郡山の金魚産業として盛んになっていく。そして「日本一」の金魚の町になり、金魚といえば大和郡山が想起されるまでになった。最近ではその座を愛知県弥富町に譲っているようですが、それでも金魚すくいでおなじみの「小赤(和金)」の7~8割は大和郡山産だそうです。
大和郡山城から南へ歩き、住宅街を抜けると田園地帯が広がる。畦道で区切られ、濁った水面が鏡のように反射し、田植えを待っているかのようです。ところがこれらは全て「金魚の養殖池」でした。近づいてよく見ると、濁った水面に小さな赤い金魚の群れが泳いでいるのが見えます。水は藻が繁殖しているせいか黒緑に濁っている。こうした水が金魚の養殖に適しているのでしょうか?。目にするのは小さな金魚ばかりで,祭りの夜店などで見かける金魚すくい用のもののようです。高級な金魚はこうした養殖池でなく,水槽で飼育しているんでしょう。
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池の傍でご夫婦と子供さんが細い紐を張る作業をされていた。「何をなされているんですか?」と尋ねると,鳥が金魚を咥え去るので,紐を池の上に張りめぐらせ防いでいるそうです。病気以外にもいろいろ苦労があるようだ。大雨で金魚が流れ出てしまうとか,強風で吹き寄せられ、押し合って死んでしまうとか。
郡山金魚資料館「やまと錦魚園」
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金魚の書籍,古い飼育書,その他金魚に関する文書や資料、絵画など。古文書や錦絵,浮世絵,養殖器具,金魚を題材にした民芸品,古い金魚の番付表。金魚型の文鎮。金魚柄のお皿なども。
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その中央には,金魚の学術研究に尽力したという近畿大学農学部水産学科教授・故松井佳一(明治24年~昭和51年)(1891―1976)の銅像が立つ。説明版に
「金魚の研究によって昭和九年農学博士号を授与される。一生を金魚の研究に尽くし世界に広く日本の金魚を学術的に紹介し、当養魚場へは研究のために足を運ばれて多くの著書を残された。」と書かれている。金魚に関する多くの著書があり,また金魚に関する内外の文献のほか、希書、書画骨董の収集家でもあってようです。資料館に展示されている多くは故松井圭一先生が収集されたものようです。
金魚すくい道場「こちくや」
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金魚をテーマとした美術工芸品・生活用具などを展示し、同時に金魚グッズ、金魚をモチーフにした小物類・お土産品・記念品などの販売もなされている。
それよりもここが有名なのは併設されている「金魚すくい道場」。常時10台の水槽が置かれ,一年中金魚すくいを体験・修業できる。1回,即ちポイ1枚50円。先生が金魚のすくい方もお教えてくれます。
段位認定制もあり,1分間にすくい上げる金魚の数によって初段から師範まで6段階で認定。1分間に5~6匹取ることができれば『初段』認定されるそうです。
毎年8月第3日曜日は「金魚すくいの日」とされ、ここ大和郡山市で「全国金魚すくい選手権大会」が開催されている。大会ルールはいたってシンプルで『制限時間の3分間に、1枚のポイで何匹の金魚をすくうことができるか』を競います。昨年(2013)の一般の部の優勝者は24匹。
この道場は多数の門下生を抱かえ,ここで練習に励み大会に出場している。過去,全国チャンピオンをはじめ,多数の入賞者をだしているそうです。
先日TVで「金魚すくいのコツ」が紹介されていました。
・ポイは最初に水に入れて、全部濡らしておく。(部分的に濡らすとそこから破れる)
・斜めにポイの枠から入れ,水中では泳ぐように水平を保つ!,上下すると破れる
・金魚と一緒に水平に泳いで金魚の頭からすくう。金魚の尾っぽは乗せない(尾で紙を破られることがあるから)
・枠に金魚をひっかけるようにポイを斜めに水から出す。
たかが“金魚すくい”といえど奥が深い。
金魚の町:大和郡山市
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町を歩いていると、あちこちで金魚を見かける。水瓶に、路面に。
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