山登り・里歩きの記

主に関西地方を中心とした山登り、史跡巡りの紹介。要は”おっさんの暇つぶしの記”でんナァ!。

紅葉の赤目四十八滝(三重県)巡り (その 4)

2015年03月01日 | 渓谷歩き

昨年(2014)の11月19日(水)、紅葉シーズンに訪れた時の記録です。

 笄滝(こうがいたき)、雨降滝(あめふりたき)  


「kogai 笄滝」の案内がある。”笄(こうがい)”って?。後で調べると、女性の日本髪に挿す細長い飾り具。時代劇で花魁などが頭につけている横に細長い棒のようなものなのでしょうね。

だからこの滝は、細長く落下・・・、どこにも見えない?。雨量が少なかったからでしょうか。エメラルドグリーンに澄み切った滝壺の水が印象的です。
滝壺の前で、笄とは縁のなさそうな派手な女の子二人がはしゃいでいました。


道の直ぐ脇に剥き出しの奇岩が見えてきた。奇岩の上から道に直接雨が降ってくるという「雨降滝」です。今日は滴が岩壁伝いに垂れる程度で、大雨の後でなくて良かった。
虹が見えることもあるそうですが、そうなら紅葉と共に絵になりますネ。残念ながら、今日は虹どころか雨粒も見られない。
冬場は「ツララ滝」に変貌するんでしょうか。












どこまでも癒しの空間が続きます。

おじさん、おばさん、皆高級そうな一眼レフ構えてる。俺はぺっしゃんこのカメラ。こうした絶景には、一眼レフでレンズ取替えながら撮らなきゃならんのかナ・・・(-_-;)。

桜、新緑、紅葉、雪景色と四季折々にさまざまな様相を見せてくれるんでしょうネ。

 骸骨滝(がいこつたき)、斜滝(ななめたき)  



「骸骨滝」という物騒な名前の滝です。落ち口に横たわっている岩が、骸骨に似ているところから名付けられたようです。「サンショウオ滝」でよいのではないでしょうか。

で、骸骨はどれだ?・・・、どれも骸骨のようで、ないようで。
俺も一眼買って、骸骨撮るぞ!・・・(^_-)-☆



川面に映る紅葉が美しい。まるで静止しているかのような川の水、しかし滝があるので流れているんでしょうね。水流も今日ぐらいが一番いいのかもしれない。

斜めに落ちるから「斜滝」。斜め・・・ナァ??。左側の滝筋を指すのでしょうか?。「双子滝」「親子滝」でよいのでないでしょうか。笄、骸骨、斜め・・・と風変わりな滝が続く。

 荷担滝(にないたき)  



赤目五瀑の4番目。美しさでは赤目渓谷随一の景観といわれている。入口から「2600m、片道70分」とパンフにある。脇目も振らずに歩いてでしょうか。
日本サンショウウオセンターにある説明版に
「高さ8mの滝が岩を挟んで左右に分かれて流れ落ちるさまが、人が荷を担っているようだと言うので、荷担滝の名が付きました。滝の前方の高所から見ると、すぐ上にも深さ10mほどの滝壺と、そこに落ちる滝があり、三滝二渕、まさに造化の妙、峡谷随一の景観と絶賛されています」とある。

中央にある大岩が荷物、というより背負ったリュックザックのようです。
荷担滝を上方から眺めれるのも良い。真ん中の岩で川水が二手に分かれるのがよく分る。岩の手前も深さ10mの滝壺になっているという。

 夫婦滝(めおとたき)、雛壇滝(ひなだんたき)、琵琶滝(びわたき)  


「夫婦滝」の案内がある。矢印の先を見ると、少し離れた渓流に滝が見える。二つに分かれた水流が滝壺の手前で一つに合流しています。
中睦まじいのか、絡みあっているのか、喧嘩してるのか・・・水量によっていろいろ変化するんでしょうネ。
そんなことはどうでもよいから、次へ行きます。



雛壇のように階段状になった滝。これは一枚岩だそうです。左右から紅葉が覆いかぶさると雰囲気でるんですがね。

赤目四十八滝では、滝よりは涼しげに澄みきった滝壺の美しさが印象的です。滝壺の深さにより水面の色合いがそれぞれ微妙に異なり、滝の激しさによって水紋もいろいろ変化している。滝よりは滝壺のほうが鑑賞できます。この季節、紅い落葉が鏡のように静止した滝壺に浮かび彩りを添えている。雪景色の滝壺はどんなんでしょうネ。
「赤目五瀑」の最後の滝「琵琶滝」。高さ15m、滝壺の深さ10m、楽器の琵琶に似ていることから名付けられた。これぐらいの落差があれば滝と感じられます。
四十八とまではいかないが、ここまで二十位の滝と名付けられたものがあった。「日本の滝百選」から数十メートルの大きな滝を想像するが、そんなに大きな滝も、迫力のある滝もありません。それを期待するとがっかりします。
火山活動と風化浸食によって造りだされた渓谷の岩間を清流が流れ、所々で岩場から落下する。そうした景観を交えながら、約四キロ続くハイキングコースです。それだけで十分楽しめ、飽きることはありません。
「2870m、片道80分」、後もう少しです。

 巌窟滝(がんくつたき、岩窟滝)  


ゴールは近い。最後の難所で、道は細く起伏は増してくる。危険な箇所には頑丈な鉄柵が設けられているので危険は感じられない。この辺りまでは、さすがにおじいちゃん・おばあちゃんや子供はやって来ない。もう少しハラハラドキドキ、岩にしがみついて登るとか、ロープ伝いに崖っぷちを渡るとか、スリルがあっても面白いように思うが・・・。

ようやく見えてきました。巌窟滝前の休憩所です。滝よりは、やっとたどり着いたか、という安堵感で一服したくなる。パンフでは「3290m、片道90分」となっている。現在13時20分、出発地点の日本サンショウウオセンターから3時間かかったことになる。景観を堪能し、カメラを撮りながら散策するとこれ位はかかるでしょう。”90分”というのは、どのような散策の仕方によるものでしょうか?。

落差7m、滝壺の深さ3m。滝の中ほどに岩窟があるらしく、そこから「岩窟滝」とも表記される。写真でアップで見れば、水量も多くかなり豪快な滝のように見える。しかし上から見下ろすだけで、滝壺の近くまで降り、間近で見上げることができません。
オオトリをつとめる滝でありながら、赤目五瀑の中に入っていない。赤目四十八滝の中では高さのあるほうですが、やや地味な印象を受けるためでしょうか。

巌窟滝からさらに先へ行けます。滝を見下ろしながら少し登ってみました。池があります。あるサイトには「
溜池」と紹介されていた。よく見ると溜池風です。これは赤目四十八滝用に人工的に造られた池なのでしょうか?。水の流れていない赤目四十八滝なんて、誰も訪ねてこないですからネ。位置的にも川の水量を調整するのに丁度良い場所です。最近雨量が少ないせいか、かなり減っていますね。干上がったら・・・観光協会さん、どうするんですか?。

池の横の林道をさらに奥へ進むと、赤目出合茶屋から香落峡(こおちだに)の落合バス停まで抜けることができる。下の休憩所にあった注意書きは、それに関したものでした。

出合へは800mで、県道が通りお茶屋もある。しかし交通手段がない。さらに奥へ進み落合バス停まで歩けばよいが、この場所からさらに4.2キロある。引き返せば日本サンショウウオセンターまで3.4キロ。思案のしどころです。来た道を引き返すことにしました。
香落峡の渓谷も紅葉と奇岩の絶景の景勝地。一日で両方欲張るのは無理ですネ。日を改めて訪れることにします。
(注:赤目出合茶屋には季節運行のバスがある、という情報もあるが・・・どうなっているんでしょうか?)

13時40分:巌窟滝を後にする。15時:赤目滝バス停にたどり着く。15時15分発のバスで近鉄・赤目口駅へ。15時30分発急行で大阪・上本町駅へ。

        紅葉の赤目四十八滝(三重県)巡り ~~ ~~


詳しくはホームページ

紅葉の赤目四十八滝(三重県)巡り (その 3)

2015年02月11日 | 渓谷歩き

昨年(2014)の11月19日(水)、紅葉シーズンに訪れた時の記録です。

 布曳滝(ぬのびきたき)と竜ヶ壺(りゅうがつぼ)  


三つ目の赤目五瀑:布曳滝(ぬのびきたき)。高さ30mから流れ落ち、一条の白布を垂らしたような滝は、深さ30mの滝壺をつくっている。赤目四十八滝では一番の高さ。

サンショウウオセンターで入山料を払うと切符をくれます。その裏面が「赤目伝説 布曳滝編」となっている。要約すると。
昔、この地の豪族の娘「紅姫」が紅葉狩りに来ました。紅葉の美しさに見とれ歌い踊っていると、いつの間にか断崖絶壁の上に立っていた。すると「紅葉の枝で百尺の布を織り、垂らすと帰れます」という神のお告げと共に機織り機が現れた。姫は紅葉の枝を集め、一心に布を織り、それを垂らして絶壁を降りたという。姫が振り返ると、垂らした布が一条の滝となっていた。姫は働くことの尊さを教えられたという。
大変よくできたお話です。

布曳滝の横から階段を登っていく。渓谷の道はよく整備され、昇り降りは手すり付きの階段になっているので安全です。一本道なので迷うこともない。

昔、美しい姫が紅葉に見とれ上ってしまったという布曳滝の上です。年若い姫はともかく、おじいちゃん、おばあちゃんはもう無理です。


かなり登ってきました。
一番高い布曳滝をさらに上から見下ろせます。
落下口のすぐ横に竜ヶ壷が見える。竜ヶ壷で水を貯え、布曳滝で細い布となっていっきに落下している。敷き詰められた紅い落ち葉がゴツゴツした岩肌を隠し、なかなか絵になります。






竜ヶ壺の半円状の穴は、水流で岩盤が深くえぐりとられたのでしょうか?。岩壺の横には落流の激しそうな滝があるので、パンフレットによっては「竜ヶ滝」と紹介しているものもあります。
滝壺の水深が深いので、竜が棲むという伝説が残っているという。滝壺に岩壺、いかにも竜が住みそうな雰囲気が漂っています。

 縋藤滝(すがりふじたき)と陰陽滝(いんようたき)  


何箇所かにこうした緊急連絡用の電話ボックスが設置されています。使用法は箱の中に転載されているそうだ。
緊急時は「お近くの茶店まで・・・」とあるが、千手滝傍の茶屋以外に茶店などありません。携帯電話も通じないという(私は持っていませんが)。
体調不良、怪我、熊やイノシシ、落雷、落石、崩落、増水・・・考えたらきりがない。人出の多いいシーズンに来て、いざという時は周辺の人に頼むしか無いようです。そう考えると”白雪の赤目四十八滝”というのは、チト怖いですネ。それとも、忍者修行を積んで来るとか・・・。

かなり急な階段を登ったり、降りたり。安全用のテスリにすがりながら、ヨッコラショと引っ張り上げてもらいます。
「落石注意」の表示が。左下の景観を楽しんでいるのに、右上を注意している人などいるんでしょうか?。音だけが頼り。寒いからといって、耳当てなどしないほうが。




・・・・

「縋藤滝」の案内がある。今日は水量が少ないので滝には見えません。この谷間を水がチョロチョロと流れ落ちてくるんでしょうネ。滝のようになるほど雨量が多い時は、滝川そのものの増水が心配に。
かってこの辺りは険しい場所で、藤の蔦に縋るようにして通ったことから名付けられたようです。



縋藤滝から直ぐの所にあるのが「陰陽滝(いんようたき)」。流れ落ちる滝が”陽”で、広い滝壺が”陰”だそうです。
そういうものかナァ・・・??、こじつけのようですが。

のんびり歩いていると癒されます。京都の創作された庭園美よりはるかに心が和らぐ。長年にわたって自然の創造により造り上げられてきた渓谷美です。紅一色というわけではなく、緑、黄色、紅色とグラデーションが楽しめるのがいいですネ。。陽当り具合によって紅葉度が異なるようです。
ここ赤目四十八滝は「日本の滝百選(1990年)」だけでなく、「森林浴の森100選(1986年選定)」・「遊歩百選(2002年)」・「美しい日本の歩きたくなるみち500選(2004年)」・「平成の名水百選(2008年)」に選ばれている。

 百畳岩(ひゃくじょういわ)・姉妹滝(しまいだき)・柿窪滝(かきくぼだき)  



やっと見えてきました。「百畳岩」といわれる休憩所です。パンフには「1830m、片道50分」とある。全コースのほぼ中間地点でしょうか。現在12時20分、出発地点の日本サンショウウオセンターから2時間経過したことになる。簡単な屋根付のベンチが置けれ、トイレがあります。「百畳茶屋」という出店もあるんですが、あいにくこの日は閉まっていた。平日だからでしょうか。

一つの巨岩なのか、幾つかの岩の集まったものなのかよく分りませんが、表面が削られ広い平地になっている。これも自然の成せる業なのでしょうか、それとも人為で・・・。途中に出合った「八畳岩」はどれだと探したが、ここは、さすが「百畳岩」だ!と感嘆させられます。ここの紅葉も綺麗で、川のせせらぎを聴きながら寛ぐのにちょうど良い場所です。

姉妹滝が見えてきた。二つの滝が仲良く並んでいるので「姉妹滝」と呼ばれている。右のスリムなほうがお姉さんで、左の小太りなのが妹だそうです。

今日は清らかな水の流れで、仲良しの姉妹のようです。でも豪雨の後などうなるんでしょうか?。太ったオバサンになってしまうとか。水量によって川、滝、渓谷の様相が変貌してしまうんでしょうネ。今日ぐらいが丁度良いのかも。
姉妹滝から進んでゆくと、階段脇に柿窪滝が見えてきた。
落差は5mほどの小さい滝ですが、赤目四十八滝の中では格好いい滝の一つ。頑丈そうな岩を削り、その間を流れ落ちるのがよい。
滝壺の形が柿に似ていることから「柿窪滝」とよばれるそうです。滝の上からみると、確かに柿に似てないこともない。滝壺の深さは10mあるらしい。豪雨の後は西瓜?南京に成るんでしょうか?

詳しくはホームページ

紅葉の赤目四十八滝(三重県)巡り (その 2)

2015年01月27日 | 渓谷歩き

昨年(2014)の11月19日(水)、紅葉シーズンに訪れた時の記録です。

 行者滝・霊蛇滝・赤目牛  



10時20分、日本サンショウウオセンターを抜けると,渓谷の世界です。川沿いに大岩がゴロゴロし,その間を滝川がせせらぐ。樹木が覆いかぶさり昼間といえど薄暗い。長袖シャツに薄手のジャンパー姿できたが,やや寒さを感じる。







日本サンショウウオセンターから約100m,最初に現れるのが「行者滝(ぎょうじゃたき)」。高さ5m、滝壺の深さ10m。
名前からして役行者(えんのぎょうじゃ)と関係ありそう。役行者が滝で修業中に,不動明王が赤目の牛に乗って現れたという行者伝説がある。この滝で修業していたのでしょうか?、それにしては小さな滝ですが。関西の山や古跡を訪ねていると,あちこちで役行者伝説に出会う。役行者はどこにでも現れる神出鬼没の摩訶不思議な役者です。

この辺りはまだ平坦で歩きやすい道です。平日ですが紅葉シーズン最盛期のせいか,思った以上に人出が多い。ほとんど,おじさんおばさんですが。そういう私も・・・
11月中は日没から午後八時まで紅葉ライトアップイベントが行われるそうです。この辺りの路傍には、そのための竹筒が両側に並んでいる。数秒ごとに赤や緑など七色に変わり、幻想的な光景が浮かんでくるそうです。竹筒に小さな穴が曲線状に開けられている。ライトアップの仕掛けでしょうか。管理するNPO法人「赤目四十八滝渓谷保勝会」が三年前から始めたもの。最近何処でも行っているので、ライトアップ自体は珍しくないが、川と滝と紅葉の組み合わせは見てみたい気がする。でもそんな時間まで居てられない。

霊蛇滝(れいじゃたき)が現れる。落差6m、幅3mといわれる。霊蛇滝を正面から見るには,川の中に飛石伝いに渡っていく。橋ともマッチして,美しい姿を見せてくれる。
滝よりも、澄みきった滝壺の美しさに感銘する。
霊蛇滝近くの道傍に赤目牛の銅像が置かれている。傍の説明版に「古くから伝えられている赤目の由来は、役小角(えんのおづぬ)がこの地に来た折りに、滝に向かって行を修めると、不動明王が牛に乗って出現。その牛の目が赤かったので、この地を「赤目」と名付けた」と「赤目」の由来が書かれています。そして小堂を建て不動明王を祀ったのが、入山口にある滝寺「延壽院(えんじゅいん)」に安置されている赤目不動尊。目黒不動尊・目白不動尊と共に日本不動三体仏の一つとされている。これも役行者伝説の一つでしょうか。

 不動滝・乙女滝  


赤目牛の銅像を横目にチョッと急な階段を登ると、「不動橋」と銘打たれた頑丈な橋が掛けられている。この橋上から眺められる位置に、最初の「赤目五瀑(あかめ ごばく)」である不動滝(ふどうたき)が現れる。赤目四十八滝のうち比較的大きな五つの滝を、「赤目五瀑(あかめ ごばく)」と呼んでいる。不動滝は落差15m、滝幅7m、滝壺の深さ10m。布曳滝についで二番目の高さ。
赤目四十八滝全体でも、ここが一番賑わっている。高齢者にとってはこの辺りまでが限界でしょうか。まだ赤目四十八滝の十分の一の位置でが、これから先少しずつ起伏が激しくなってきます。明治の中頃までは、ここから奥は原生林で覆われ先に進むことができず、当時はこの不動滝までで引き返していたそうです。かって「滝参り」とは、不動明王の現れたこの滝にお参りすることだったようです。
この辺りまでライトアップ用の竹灯が並んでいる。不動滝もライトで照らされるでしょうから、夜になるとこの周辺は幻想的な世界に生まれ変わるんでしょうネ。でも一人だけだったら、チト怖い気もしますが。

不動滝から4~5分ほど歩くと、乙女滝の看板が見える。”乙女”とはこんなイメージでしょうか?。彩られた落葉が川面に浮かび、止まっているような流されているような楚々とした風情を漂わしている。”乙女”のようです。

乙女滝から奥へ進んで行くと、滝川は”乙女”の川から荒々しいゴロ石の積み重なった渓流に変貌します。荒々しくなったり、優しくなったり、こうした変化も赤目四十八滝の楽しみの一つかもしれない。
途中に大日滝の案内があるが、山の斜面に水が流れ落ちたような形跡があるだけ。雨が降ると落差30m、幅7mの2段の素晴らしい大日滝が姿を見せるそうですが・・・。最近、雨量が少ないせいかこうした形跡だけの滝が幾つかありました。
写真は八畳岩の休憩所。トイレもあります。ここまでちょうど1時間位、ちょっと休憩するのに丁度良い場所です。傘堂のような休憩所は、紅葉とマッチし風雅です。雨避けにもなりそう。

 千手滝(せんじゅたき)  



休憩所から直ぐの所に赤目五瀑の二つ目「千手滝」があります。”五瀑”といっても、落差はたかが十数mでしれている。赤目四十八滝は滝を含め、川、景観、散策路など全体で体感する景勝地です。滝だけを目当てにくると失望します。
落差15m、滝幅4m、滝壺の深さ約20m。小さいながら滝の雰囲気といい、深緑に澄みきった滝壺など、赤目四十八滝のなかでは一番のお気に入りかな。
名前の由来は、複雑な形の岩を伝って千手のように分散して水が落ちる姿からつけられたという説と、千手観音に因むとする二つの説があるそうです。傍の案内板によると「滝の名前には、仏名に因んだものがたくさんみられます。これは赤目の自然景観を一大曼荼羅図に見立て、大日如来を中心として千手観音、不動明王、吉祥天、役の行者などが並び、妙法山の阿弥陀如来を配していることから名付けられたもので、四十八滝を全周することで諸願が達成されることに通じると考えられているためです」と記されている。
滝壺の手前、千手滝を真正面から鑑賞できる位置に千手茶屋がある。おでん、おにぎり、うどん、お酒などおいてます。ここが最初の食事処、というより滝のある渓谷に入ってここしかお店は無かった。ここまで、パンフでは「800m、片道20分」となっているが、脇目も振らずに歩くだけで「20分」でしょうネ。私は1時間少々かかりました。ちょうど昼時で、美しい千手滝を眺めながら、おでんで一杯やるのは最高!

かなり急な坂を登ると千手滝の上にでる。千手茶屋が小さく見えます。そして静止したように澄み切った滝壺の美しさは赤目で一番。おじいちゃん、おばあちゃん、ここまで頑張ってほしいナァ。
通常、滝は下から見上げるのがほとんどですが、赤目滝の滝は下から、横から、上からと別の角度から眺め楽しむことができます。滝の高さが低いせいもありますが、登ったり降りたりかなりのアップダウンが必要になります。この辺りからアップダウンが多くなってくる。

詳しくはホームページ

紅葉の赤目四十八滝(三重県)巡り(その1)

2015年01月20日 | 渓谷歩き

昨年(2014)の11月19日(水)、紅葉シーズンに訪れた時の記録です。

 赤目滝のバス停まで  


近鉄沿線の紅葉景勝地の一つに「赤目四十八滝(あかめしじゅうはちたき)」がある。11月中旬、天気予報が良かったので出かけることにした。
上本町駅発7:46分の名張行き急行に乗る。赤目口駅は急行も停車するので,乗り換え無しで行ける。8:57分近鉄大阪線・赤目口駅着。赤目口駅から赤目滝バス停まで三重交通バスで10~15分(360円)で行けるが、始発バスまで1時間ある。歩いても行けるが、帰りの最終バスが3時過ぎなので時間的な余裕がない。タクシーを利用することにした。赤目滝まで乗ると2000円位。中間の「長坂」まで乗り,残りの山間部はのんびり歩くことにした。ところが運ちゃんにノセられ,長坂越えて介護老人施設「名張もみじ山荘」前まで乗ることに。1240円でした。9:10分着。

老人施設から滝川沿いの車道を谷に向かって歩く。紅葉シーズンだが、平日の早朝なのでマイカーも少ない。5分位歩くと「赤目キャンプ場」です。紅葉と川のせせらぎを楽しみながら、車道脇に設けられた歩道をさらに5分くらい歩くと赤目四十八滝入り口へ。「ようこそ忍者修行の森 赤目四十八滝」の看板が迎えてくれる。平日で,まだ朝早いのか広い駐車場はガランとしていた。

土産店、あ食事処が並び、観光地の雰囲気が漂う。店先には赤装束と赤覆面の忍者がお出迎えしてくれる。お店の中も忍者装束や道具が並び、販売されている。俺は忍者の修行に来たんじゃない,滝を見に来たんです。紅葉が鮮やかで、浮き浮きしてきます。

数軒お土産店をやり過ごすと赤目滝のバス停です。事前の下調べでは、平日の最終バスは15時台となっていた。ところが臨時バスの張り紙がある。ライトアップの期間中(11/1~11/30)は,最終が18時30分となっている。これを知っていたら,朝早く出かけなくても,またタクシーなど利用しないで歩いてきたのですが。ネットでも近鉄の案内所でも知りえなかった。
しかし最終が18時30分とは,チト早すぎるんじゃないでしょうか。臨時時刻表で不思議なのは,最終バスで18時15分に着き,帰りの最終バスが18時30分発とは。15分間でライトアップを楽しむんでしょうか?,それとも一泊するとか。

 忍者修行の渓谷  


バス停から少し進むと、「忍者修行体験エコツアー」の受付所があります。何故”エコ”なんでしょうネ?。色とりどりの忍者衣装が掛けられている。忍者衣装に着替え,この先の「にんじゃの森」で忍者修行を体験できます。指導が必要な手裏剣と水ぐも以外の施設を自由に使って忍者の気分になれるそうです。
1時間30分の体験料が二千円とは安いようですが,今日は忍者修行に来たのじゃないので・・・パスします。中学生以下1700円,小学生未満1550円。詳しくはエコツアーデスク(0595-64-2695,名張市赤目町長坂)まで。
この地一帯は約1300年前、役行者(役小角)などが修験道の修行した渓谷だったようですが、その後戦国時代になると、伊賀流忍者の修行の地になった。
左の坂道を登れば「忍者の森」で、忍術を学び伊賀流忍者の気分を味わえる。忍者衣装に着替え、案内人の指導の下、多彩な忍術を修行できるという。高い壁を乗り越える「登り術」、ロープを使った「侵入術」、縄を使って飛び移る「飛び猿の術」、木に登る「狸隠れの術」など。最後の難関は、滝川を渡る「水ぐもの術」、無事終了すると、忍者文字で書かれた「免許皆伝の書」がもらえるそうです。
今の世の中でもそうした術を必要とする人がいるかもしれませんが、今の私は必要としないのでパスします。

 日本サンショウウオセンター  


入山手続きをする日本サンショウウオセンターへ向かいます。センター前のお店で、鯛焼きのようですが・・・噂の「へこきまんじゅう」を売っていた。赤目名物と聞いていたので,一個味わってみることに。食べてイモ味がしたので,やっと”へこき”の意味が理解できました。つぶ餡をさつま芋の生地で包み,鯛焼きのような焼き器で焼き上げる。1個230円でした。芋の味と餡の甘味が入り混ざった奇妙な味わいです。後で知ったのですが、リンゴやチーズなど全7種の味を楽しめ、忍者の形に焼かれているという。そうは見えなかったが・・・。今日は最後までコケなかった、一個だけでは足りなかったのでしょうか・・・。

ようやく日本サンショウウオセンターへ。ここで入館料400円(小人 150円)支払い入館する。特にサンショウオなど見たくないのだが,この館内を通らなければ赤目四十八滝のある渓谷に入れないようになっている。まさに関所です。右は川筋なので「水ぐもの術」、左は深い山中なので「登り術」、この関所を破るには、忍者の修行が必要なようです。入館料となっているが実際は入山料or入滝料。赤目四十八滝の全体マップもくれます。
営業時間
  4月1日~11月30日 午前8時30分~午後5時
  12月1日~3月31日 午前9時~午後4時30分(12月28日~12月31日 休館)
  
滝からの帰りが午後5時を過ぎたらどうなるか?。センターは閉まっているが,川側の通路が開放され通れるようになっているそうです。

ここ赤目はオオサンショウウオの生息地です。オオサンショウウオは「生きている化石」と呼ばれる稀少動物で、特別天然記念物に指定されています。水中でも、陸でも生活できる両生類の動物。明るい昼間は岩陰などに身を潜め,夜になると活動し始める。まさに忍者のような生態をもつ。戦国時代に活躍した伊賀流忍者たちは、サンショウウオを見習って水潜りの術を身につけたとか。

1階はオオサンショウウオの水槽が並び、否が応でもその側を通らなければならない。皆さん、覗き込んで「何処にいるの?」と探していらっしゃる。黒く、丸っぽく、動かない。「隠遁の術」で水槽内に置かれている石と同化してるんでしょう。
2階はサンショウウオの展示パネルと、ビデオを流すサンショウウオ教室がある。望むらくはサンショウウオより、新緑・紅葉・雪に映る滝の景観を写真展示して欲しいものです。

詳しくはホームページ