世界のベストセラー戦闘機、F-16

2013-04-18 21:31:44 | 軍事ネタ

AF seeks F-16 fleet upgrade, requests 19 more F-35As
http://www.airforcetimes.com/article/20130416/NEWS/304160020/AF-seeks-F-16-fleet-upgrade-requests-19-more-F-35As

上の記事は英語だけど、F-35とF-22の準備が完了するまで、
1018機のF-16をアップグレードして運用する予定だという。

1018機のF-16をアップグレードはすごい。
現有機の全てってことじゃないか。
さすがに金があるなあ。




F-16戦闘機はアメリカ空軍の主力の一端を担うマルチロール戦闘機で、
当初は大型機であるF-15に対しての小型軽量戦闘機として開発された。

1975年に制式採用されて以来、様々な戦場で実戦経験を積んでおり、
恐らく世界で最も実戦経験豊富な戦闘機。
なにせF-16は全世界に輸出されているベストセラー機でもあり、
これまでに4500機以上が輸出され、その実績と汎用性の高さから、
約40年前の設計であるのに未だに売れ続けている戦闘機なのだ。


F-16を語る上でよく言われるのが、
「大国の攻撃機、中小国の戦闘機」
といったような言葉。

軽量戦闘機としての航空戦は当然として、
近接航空支援や爆撃といった対地攻撃もこなせるという、
その汎用性がF-16の真価である。

つまり米空軍のようにF-15という高価で大型の戦闘機をたくさん保有してるなら、
空戦はF-15に任せ、F-16はその支援と攻撃機としての運用が重点となるし、
逆に中小国にとってF-16は主力戦闘機となる。

航空自衛隊もF-16を再設計したF-2戦闘機を約80機保有しており、
見た目は翼面積が大きいなど違う部分もあるがほぼ同じものだ。
空自もこのF-2は主に対地・対艦攻撃機としての運用に重点を置いている。


F-16は全世界的に輸出されている戦闘機なので、もちろん数々の活躍がある。
中でも最も印象深いのは、イスラエル空軍に於けるバビロン作戦だろう。

1981年、イラクに原子炉が設置されたことに危機感を募らせたイスラエルは、爆撃部隊でこれを奇襲することを決意。
その爆撃任務には当時新鋭機であったF-16を、そしてそれを護衛するF-15で編成することと決定。
この秘密部隊は最高レベルの機密性を保ったまま十分な訓練が施され、F-16x8機とF-15x6機がイラクへ向けて飛び立ち、
航続距離ギリギリの中でレーダー網を掻い潜り、遂には原子炉の爆撃と完全破壊に成功した。
全てが1tの自由落下爆弾であったにも関わらず、16発中14発が目標に命中し、
かくしてF-16は当時最新鋭でありながら、その攻撃能力と汎用性の高さを世界に示した。

当時イスラエルとイラクは交戦中にあらず、イスラエルは国際的な非難に晒されたが、
イスラエルは脅威を排除する為の防衛的攻撃、先制的自衛と主張した。


F-16は世界中で運用されており、ファンも多い。
米空軍では2020年以降からF-35に代替されやがては減勢していくものと思われるが、
世界的にはこれから先まだまだ長くその姿が見られることだろう。

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