よく、日本のF-X(次期主力戦闘機選定) には海軍機を!という希望の声を聞いたりする。
その真意は艦載機を導入することで、日本の空母保有の足がかりとする!
もしくは現在配備されている、もしくは配備予定である、
ひゅうが型や22DDHなどといった全通甲板のヘリ搭載護衛艦を改装し実質の軽空母として運用する!
といった点があると思うけど。
しかし非常に基本的なことながら、F-Xは航空自衛隊の戦闘機の選定であるので、
軽空母といった艦の運用は当然海上自衛隊が担うので、
よしんばF-XでF/A-18EやF-35Bなどの艦載機の導入が決定されたとしても、
日本の空母運用とは全く関連性があるわけもない。
その艦載機の運用ノウハウは得られるかもしれないけど、しかし陸上機としてのノウハウである。
海自が空母を保有するとするならば、まずは大きな予算的なハードルをクリアしなければいけない。
そこのところは以前に詳しく記事にしたのでそちらを参照。
→ 自衛隊の敵地攻撃能力の保有について
それと戦闘機の運用経験がない海自に、戦闘機アビエイターとしての部門を設立し、教育を施さなければならない。
これが案外一番ハードル高いのかもしれない。
トップガンの世界である。
専守防衛だとか憲法だとか世論だとかは、もはやさしてハードルにならないと思われる。
ここのところ急激な高まりを見せる中国脅威論、誰でも悪役としての中国を憂いるご時世だし、
またおおすみ型輸送艦、ひゅうが型護衛艦、そして配備予定の22DDHなど、
軍事的知識があまり無い人からすれば見るからに空母そのものな艦が日本には既に何隻かあるわけで。
それらの就役時に大きな論争が巻き起こったかといえば、そんなことはない。
一般の人にとっては日本に空母があろうがなかろうが、多分どうでもいいことなわけで。
もし日本に本格的な固定翼機を運用できる空母が配備されたところで、そんな大した騒動にはならないと思われる。
むしろおおすみ型やひゅうが型から始まった全通甲板の連続した採用は将来の空母保有への布石か。
ひゅうが型護衛艦 |
でもやはり、前述した自衛隊の敵地攻撃能力の保有について の記事中でも述べている通り、
日本は空母を建造する前に準備すべきものが他にたくさんある。
今の事情で空母を建造するぐらいなら、その予算を他に回すべきである。
それはやっぱり巡航ミサイルの導入だとか、空中給油機だとか、巡航ミサイルの導入だとか、
イージス艦や汎用護衛艦を増やすとか、巡航ミサイルだとか、
これから定数が純減される予定の戦闘機や戦車の数の補填とか、巡航ミサイルとか、である。
(要するにゆっきぃ的にはどうしても巡航ミサイルが欲しい。理由は上記記事で述べている。)
まあまずは目先のF-Xがどうなるか。
中国の拡大と、尖閣への侵攻、日本の備え、台湾情勢や米軍など。
世界で軍事的に今一番HOTなのはこの東アジアなのだろう。
日本人なので他人事じゃないけど、この情勢の行く末に興味は尽きないね。