ヘボのアルバム (続編)

四季折々の戯言を・・・
そこから何が読めて来るか?

     『 コバクロ !!! 』

2013-10-12 22:36:22 | 日記

             


信州:諏訪地方では、「シダクロスズメバチ」の事を「軍」と読んで来た!!!
明治38年生まれの親父さん、もう此の世には居ないが、小学1年生の頃から「ジスガリ」即ち「スガレ追ひ」をして来たという・・・
老い耄れ爺が「スガレ追ひ」を親父さんから教わったのは、国民学校1年の夏、小六の芋畑の林で昼休みの時間だった。
芋掘り、鼻糞穿りの真っ黒な指で真綿を捩り、ゴトゲーロ:殿様蛙の腿肉を毟り取り真綿の先端を捏ね繰り回し結んでいた。
当時「ジスガリ(ヘボ)」は何処にでも腐るほど居た!!!
中央線の駅の木の枝にゲーロ:蛙を吊るしておけば線路の土手で幾らでも見付けられた程だ! だから、芋畑の隣り林辺りでは居るのが当たり前だった。
最初に見付けたのが国民学校1年生という経験の持ち主!!!

空きになると、親父さんは、材木商の傍ら広原~小海線に出掛け背負い魚籠に一杯巣盤を積め込んで帰って来た。
背負い魚籠から巣盤を取り出し、テーブルに並べるのが子供達の日課だった。
八ヶ岳山麓は「ピンコロ:クロスズメバチ」の産地で、この種だったら子供達でも見付けられた。
背負い魚籠の巣盤の大部分は、この「ピンコロ」の巣盤が多かったが、中に大判の巣盤が混じっていた。
大判の巣盤、即ち、「軍」の巣盤の事で、これを取り出す時は、手応えを感じた。
「父ちゃん、デカイ巣があるねェ~~~」というと、親父さんは得意げに「「今日は「軍」を〇○見付けた!」等と鼻を膨らませて自慢げに話した。
ヘボ仲間の蜜ちーサーという酒癖の悪い親父さんが毎日のように帰り道、我家に寄り、親父さんと収穫の自慢話をしていた。
自慢話のネタは当然の事ながら「軍」の巣の大きさだった。
「軍」・・・、「軍」と盛んに出て来るので、悪餓鬼の頃からこの種のヘボの事はよく理解していた・・・

「軍」の中でも特別デカイ巣があり、田舎親父の蜂狂達の自慢話は、この「軍」の大きさ比べだった。
「軍」は、八ヶ岳山麓でも標高の高い所、小海線、海の口、海尻辺りに多いと教えてくれた。

話はズ~~~ッと遡る。
現役、定年間近になり岐阜や愛知県の蜂狂さん三宅さんや今井さん、高橋さん、ドクちゃん等と親交を深めるようになり、多くの蜂狂さんを知るようになる。
ドクちゃんは別格の蜂感を持って居て事ヘボの知識に関しては只者ではなかった!!!
知る人ぞ知る、蜂博士である!!! 大阪大学で博士号を取っていると聞いて居る・・・
この当時、、ドクちゃんも巨大巣に関心があり、軍の中で取り分け巨大巣にするヘボ数体のDNAを大阪大学医学部で鑑定して貰ったと聞いて居る。
この個体は、普通の「軍」とは違うDNAを持って居た!!!と、聞き及んでいる・・・
本来だと数十~数百の個体分析が必要のようだが、個人でこれらの経費を賄うとなると到底適う話でも無い!
ドクちゃんは、この巨大巣にする「軍」を「コバクロ」と呼ぶようになった。
ドクちゃん曰く、「コバクロ」は、「軍」より、幾分、翅が長く、胴も長いという。 抜群の飛翔力を持っていて、その行動範囲は広い。

思い返せば、老い耄れ爺、これまでに10数体にのコバクロに出会って来た。
そう、度々見付けられる訳ではない!!!
概括的に言えば、
巣門は馬鹿デカク、通いは尋常ではない!!! 所謂噴き上がりの状況を呈している!!!
巣盤は、12枚~15枚はあり、王台:5~8枚、巣盤径30㎝は優に在る。目方にして3.5~5kgの巨大巣にする。 当然、自然巣の話。
ドクちゃんもこの手のヘボちゃんを称して「コバクロ」と命名している・・・

今年、この手の「コバクロ」に2回出会った。
見付けた時からデカイだろうなァ~~~と・・・・・
道端にあったという事もあり、昨日、その内の一つを燻して見た。
案の定デカイは!!!デカイは!!!!!、枚数にして15枚、内、上段4枚は殆ど空だった。


多分、先週初め燻していれば、満満タンで、総て、満たされていたであろう・・・と、想像する。
未だ、もう1巣山に在るが、出来る事なら自然放蜂へと考えている。。。

所で、「軍」と「コバクロ」の違いや如何に?
爺の観察では、「軍」の中に2系統あり、老い耄れ爺は、敢えて「ピン軍」と「軍軍」と分けて居る。
「軍軍」は、食住が上手く噛み合えば「コバクロ」になり得ると考えている。
飼い蜂を見て見よう・・・
涼しい所で、安住の飼育箱に入れられ(飼育箱の土入れの有無は関係ない)、フンダンの食:餌の環境に置かれれば、コバクロになるモノがある!!! 我家の飼育蜂の多くは、今、この状態にある!
自然界ではどうだろう?
餌場が針葉樹林では餌の確保が難しく、コバクロにはなり得ない!!! また、闊葉樹林でも必ずしも餌が豊富とは言えず、且つ、土目が超良くないと「コバクロ」にはなり得ない。
自然界の多くの土目は、石間、砂利間、それに木の根等障害物が多いので、極々稀にしかその条件を満たさない。
昨日、燻した「コバクロ」は、畑の土手という超好条件の土目で、幾ら掘っても木の根や石コロ一つ出て来なかった。 
近在は、畑や草間、闊葉樹林が散在していて、好条件が揃っていた。
そして、思う・・・
今年の自然界、ヘボの餌になる蟲さん、蜜類が多く「ピンコロ」と雖も巣が大きめだ! 昨年とは状況が違う・・・

何時も思うのだが、岐阜や愛知に出掛けると針葉樹林が大多数で、土目が良くても「コバクロ」タイプに成り難い?と思っている。 取り分け、餌は最大の武器で、餌がフンダンにあれば「軍軍」:「コバクロ」は、計り知れない巨大巣にする。
因みに、我家の飼い蜂は、2リッターの砂糖水、8羽分の鶏肝を半日で平らげる。 言うなれば餌は幾ら与えても限がない程だ!!! 餌代も馬鹿にならなくなって来た。

それにしても、「軍軍」:「コバクロ」の通いを見るのは癒される・・・  

< 注 >画像の説明:

この容器はパンのトレーで、縦横60cmはある大型トレーだ。
ここに2棚づつしか入らなかった。 容器からハミ出した状態で撮影している・・・ 巣盤の大きさが判る。
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2 コメント

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グングンは癒されますね (美濃屋)
2013-10-13 23:01:24
私のところのグングンは土中飼育にしてありますので吹きあがりが“土を加えて立つ”、という姿がほんとにどっしりとしていて、飛んでいく姿にずっと続くであろう“未来”が重なり、ホッとするひと時ですね。
餌を食う姿もガツガツせず、ちょこまかせず、落ち着きも風格もアリ、威厳すら漂わせています。
体がいくらも違わないのにグングン候補生と初めから違っているようです…。血統は争えない、ということでしょうか・・・。
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Unknown (極トン爺)
2013-10-15 15:15:03
今年は自然界の餌環境が良い所為か?巨大巣が多いです・・・
勿論、土目のイイ場所に限定されますがねェ~~~
何時までも土を咥え、グ~~~ンと空に伸して行きます! 
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