8月17日は奈良国立博物館で開催中の「中将姫と當麻曼荼羅」展を鑑賞して来ました。




















旧本館は明治27年12月に竣工した建物で京都国立博物館"明治古都館"と同じく片山東熊による設計です。
昭和44年に国指定の重要文化財に指定されています。

東側に近代的なエントランスが作られましたが今も現役で"なら仏像館"として使われています。
葛城市にある當麻寺は自宅からも近く、一年に数度は訪れるお気に入りのお寺です。

當麻寺本堂では須弥壇右端のお厨子におられる中将姫像です。
意志の強そうなお顔立ちが印象的です。

こちらのお軸も當麻寺中之坊に伝わる中将姫像です。


江戸時代に模写された貞享本が今回修復を終えての初めての公開となります。
現在、當麻寺にお詣りされている文亀本より遥かに美しく、細部まで見れるのがいいですね。

當麻寺本堂で當麻曼荼羅を納めている厨子扉(鎌倉時代・国宝)です。


中将姫は宝亀6年3月14日に二十五菩薩のお迎えを受け、現身のまま極楽浄土に迎えられたとの故事から毎年4月14日に行われる當麻寺練供養会式が行われています。
當麻曼荼羅に対する信仰は広く行き渡り、同寸大や縮小された模写が多く作られました。
こちらの當麻曼荼羅は美しく「観無量寿経」の世界が鮮やかに描かれています。
當麻寺中之坊では當麻曼荼羅の"絵解き"が行われていて、お坊さまの説明を聞くと中将姫が理想とされた當麻曼荼羅の世界観を感じる事が出来ます。




出品数は多くはありませんが、中将姫の世界感や後世への影響の大きさがわかる展覧会です。