京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

當麻寺 通常拝観と国宝三重塔初層開扉(東塔・西塔)

2022年08月15日 08時03分00秒 | 日記
8月11日は奈良県葛城市にある古刹・當麻寺を訪ねました。

仁王門


梵鐘(国宝)


金堂


講堂

曼荼羅堂(本堂・国宝)


西塔(国宝)


東塔(国宝)


もとは聖徳太子の弟の麻呂子親王が612年に河内国に建立された禅林寺を役行者が681年に現在地に移したと伝わります。

白鳳時代から天平時代にかけて金堂や講堂、東西両三重塔などが完成したとされています。

弘仁年間には弘法大師空海が参籠して以来真言宗の寺院となりますが、その後の南北朝時代には浄土宗も兼学する寺院となりました。





ご本尊は當麻曼荼羅(奈良時代・国宝)で中将姫が蓮糸で織り表したもので、阿弥陀如来や勢至菩薩を中心に極楽往生の世界が絢爛豪華に描かれています。

このオリジナルは痛みが激しく、現在は室町時代に転写された文亀本(重文)か江戸時代に転写された貞享本のどちらかがお厨子(天平時代・国宝)に納められています。

また、須弥壇(鎌倉時代・国宝)は源頼朝の寄進によるもので美しい螺鈿細工が残っています。







金堂には當麻寺創建時よりのご本尊弥勒菩薩坐像(白鳳時代・国宝)がお祀りされていて日本最古の塑像です。)

四方には四天王立像がご本尊をお護りしています。
多聞天立像(鎌倉時代)以外は白鳳時代の乾漆像です。





講堂には阿弥陀如来坐像(重文)ほか客仏の地蔵菩薩立像や千手観音立像、不動明王両像、毘沙門天立像がお祀りされています。

今回のメインは奈良時代から平安時代に創建された東西の三重塔(何れも国宝)の初層開扉です。





前回の平城京遷都1400年の記念事業で初層が始めて開扉されて以来2度目の公開です。

前回にも来ていますが西塔の基壇の痛みが激しく、基壇下したからの拝観でした。

今回、基壇を始め修復工事が完成し、基壇の上から塔の周りを巡り拝観する事が出来ます。



解説書にあるように西塔の水煙から仏舎利容器が見つかり詳細な調査から690年頃の制作である事が判明しています。
また、発掘調査で飛鳥時代の瓦が発見された事から當麻寺創建と同時期に建立されていた事がわかってきています。





一方の東塔は當麻寺で最も古い建物物で法隆寺、法起寺、薬師寺に次いで4番目に古い塔です。

初層は三間、二層目、三層目が二間で、その漸減率から遠くから眺めると美しい塔です。

奈良の外れにも當麻寺の様な"国宝ワールド"があるのも奈良の魅力のひとつです。