アンチ・トランプのNYT紙コラムニスト「ロシア疑惑はでっち上げだった」 誤報を流し続けたメディアには反省が迫られる
2022.07.24(liverty web)
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画像:Osugi / Shutterstock.com
《本記事のポイント》
- NYT紙コラムニストが論説記事で「ロシア疑惑はでっち上げ」と指摘
- アンチ・トランプ派の代表格が公式に捏造を認めたことで、米保守派から注目集まる
- アンチ・トランプで結託し、誤報を流してきたメディアは反省を迫られる
米ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙は21日、自社のコラムニストによる「私はこれについて間違っていた(I Was Wrong About)」で始まる一連の論説を掲載した。
アンチ・トランプの急先鋒であるブレット・スティーブンス氏(Bret Stephens)が、「トランプ支持者について私は間違っていた(I Was Wrong About Trump Voters)」と題した論説を発表。同氏のアンチ・トランプの論調には変化はないが、トランプ前米政権の「ロシア疑惑」について「手の込んだでっち上げ(the elaborate hoax)」であると認めた記事であるとして、米保守派を中心に注目を集めている。
トランプ支持者への批判を反省するも
スティーブンス氏は論説の中で、ドナルド・トランプ前大統領やその側近らへの批判に関しては「後悔するものはほとんどない」としながら、その支持者に向けた非難には反省する点があるとした。
特に2015年8月31日付の自身による論説「ドナルドと扇動者(The Donald and the Demagogue)」では、「もしあなたが今もドナルド・トランプを最悪だと分からなければ、あなたが最悪だ」と一行目に書き、トランプ支持者の精神状態や知性などを強く批判したことを反省した上で、次のように述べている。
「私はトランプ氏を見る時、偏屈で自慢ばかりする人間が、無教養な主張を次から次へと並べている姿として見ていた。トランプの支持者が見ていたのは、破綻した現状維持を生み出して自己満足に陥っているエリートに対して、堂々と中指を立てる候補者だったのだ。私はこれが分からなかった」
「私はバラク・オバマ政権時代を、彼の政策を批判して過ごしたが、私の異議というのは私的なものではなく、より抽象的なものだった。私は、友人のペギー・ヌーナン(ウォール・ストリート・ジャーナル紙のコラムニスト)が『守られた人々』と呼ぶ社会階級に所属している。私の家族は、安全で居心地のよい地域に住み、私の子供は素晴らしい公立学校に通っていた。私は高級取りで、保険も十分で、人生の厳しい瀬戸際とは無縁だった」
「ヌーナンによれば、トランプの魅力の大部分が、ヌーナンが『保護されていない』と呼ぶ人々に向けられていた。彼ら(トランプ支持者)の居住地はそこまで安全でなく、居心地もよくなかった。彼らの学校はそれほど素晴らしくなく、生活は保障されていなかった」
こう記した上でスティーブンス氏は、"保護されていない"人々が、国を動かすエリートたちに幾度となく裏切られ続ける中で、トランプ氏が登場したのだと指摘した。
とはいえスティーブンス氏は、トランプ氏を「共和国そのものを壊そうとした前歴のある大統領」だとして、2024年の大統領選への再出馬を容認すべきではないと強調。一方でその支持者に対しては、前回とはアプローチを変え、「誠実な友人」として説得する意図を示している。
ロシア疑惑は「手の込んだでっち上げ」
先述の通り、スティーブンス氏がアンチ・トランプであることに変わりはなく、自己弁護的であると揶揄する声も上がっている。一方で、特に注目されているのは、ロシア疑惑をめぐる以下の記述だ。
「大手メディアによって軽率にオウム返しされた、スティール文書やその他の虚偽の主張といった手の込んだでっち上げ─他に表現のしようがない─を巡って、今日に至るまで、アンチ・トランプ派の中で自分に対して正直でいる人はほとんどいない」
トランプ氏やその側近がロシア政府と繋がっているとしたスティール文書については、内容自体が虚偽に満ちているのみならず、民主党のクリントン陣営が資金を出して文書を作成させていたことが明らかになっている。そして、2016年の米大統領選でトランプ陣営がロシアと共謀した疑惑について、ロバート・モラー特別検察官の主導で2年がかりの捜査が行われたにもかかわらず、証拠が出てこなかったことはすでに報じられている通りである。
さらに言えば、「ロシア疑惑そのものが民主党による捏造」であり、同党がホワイトハウスの執務室などトランプ陣営に対する情報傍受などの違法な工作を行っていたことも判明している。
さんざんメディアを賑わせたロシア疑惑について、アンチ・トランプ派の代表格の一人が公式に「でっち上げ」を認めたことが注目を集めている(他の手段で大統領選の出馬が噂されているトランプ氏を"撃ち落とせる"と考えているためかもしれないが)。
「マスコミ対トランプ」だった2020年大統領選
ちなみにスティーブンス氏は、ウォール・ストリート・ジャーナル紙から引き抜かれた中道右派のコラムニストで、自身が所属するNYT紙の主張に対しても、行き過ぎたものに関しては打ち返しの批判記事を書いてきたことで知られている。
ただ先述した記事の他にも、、昨年5月31日に掲載されたスティーブンス氏による論考「メディアの集団心理と、コロナ武漢ウイルス研究所流出説」は、NYT紙自身が研究所流出説を「いかれた論理(Fringe Theory)」だと批判してきた過去を上書きするかのような内容だったことも留意する必要があるだろう。
同論考はワシントン・ポスト紙など他メディアに対し、研究所流出説をまともに扱わなかったと批判する一方で、自社も同説を「いかれた論理」だと嘲笑する記事を掲載してきたことには触れなかった。
つまり、反省を装いながら、全社としての謝罪を回避するための"アリバイ作り"である可能性もあるということだ。
いずれにしても、大手メディアがアンチ・トランプで結託し、数多くの誤報を流してきたことに対して、反省を余儀なくされる時が来るはずだ。
大川隆法・幸福の科学総裁は2020年12月に開催された大講演会で、同年11月の大統領選をめぐる報道姿勢について次のように指摘している。
「これは、はっきり言って、『トランプさんか、バイデンさんか』ということではなくて、『トランプか、反トランプかの戦い』であって、反トランプの中心軸がアメリカの主要メディアであった。マスコミであった。『マスコミがトランプと戦っていた』ということだと思うのです。ここのところが、いちばん引っ掛かるところではあるのです」
(「"With Savior"─救世主と共に─」より)
何が間違いだったのかを真摯に反省してもらうためにも、各メディアがどのような報道をしてきたのか、視聴者や読者が正確に記憶しておくことも重要だろう。
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『メシアの法』
幸福の科学出版 大川隆法著
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