かえるネット木津川南

大阪市南西部で活動する日本共産党の青年後援会のブログです。

「思慮不足」ですまされない

2010-11-19 21:38:42 | 政治

柳田法相発言

「思慮不足」ですまされない


 柳田稔法相が地元選挙区での会合で、「法相は国会答弁では二つ覚えておけばいい。『個別の事案については答えを差し控える』と『法と証拠にもとづいて適切にやっている』だ」と発言して、きびしい批判をあびています。

 柳田法相は国会で「思慮が足りなかった」などと謝罪し、仙谷由人官房長官も「誤解を招く」と注意しましたが、それですまされていいものではありません。国会と国民を愚弄(ぐろう)し、法相としての資格にもかかわるもので、政治的責任が問われるべき発言です。

法相の資格にもかかわる

 柳田法相の発言は、14日に広島市で開かれた「法相就任を祝う会」で飛び出したものです。マスメディアも取材し、報道した公開の席です。身内の会合という気安さはあったにせよ、決して「思慮が足りなかった」と弁解してすむものではありません。

 柳田法相が国会答弁を「個別の事案については答えを差し控える」と「法と証拠にもとづいて」の二つの言い回しを繰り返すだけですむと本当に考えているとすれば、それこそ国会を軽視し、歴代法相の答弁をも冒涜(ぼうとく)することになります。他方、柳田氏にそうした配慮を働かすほどの「思慮」もないとすれば、それこそ法相としての資格にかかわります。

 仙谷官房長官が法相を呼んで注意しながら、「大変誤解を生む発言」などとしかいわないのも、柳田法相をかばい、あたかも誤解したほうが悪いといわんばかりの言語道断な発言です。仙谷官房長官はもちろん、菅直人首相の責任も重大です。

 問題なのは、9月の内閣改造で柳田氏が法相に就任していらい、郵便不正事件をめぐる大阪地検特捜部での捜査資料改ざん、小沢一郎民主党元代表にたいする検察審議会での起訴議決や、沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船の衝突事件にたいする検察の捜査の問題など、柳田氏が法相として国会で答弁を求められる機会は決して少なくなかったことです。これまでこれらの問題にたいする国会での質問に二つの言い回しを繰り返せばいいと、まともに答弁する姿勢がなかったのなら、まったく不誠実だったということです。

 しかもいずれの問題も現在も進行中であり、柳田氏が今後も法相を続ければ、同じように答弁を求められるのは確実です。発言は「思慮不足」だったというだけで、今後もそうした答弁を改めないとすれば、それこそ柳田氏に、法相として国会で答弁する資格が問われます。

 柳田法相は国会で陳謝したあと、「今後とも国会答弁に真摯(しんし)な姿勢で臨みたい」と答え、仙谷官房長官も「今後も気をつけて国会答弁や職務に精励するよう」注意したといいますが、まったくしらじらしい限りです。「今後とも」というのは、これまで同様、今後も態度を改めないということか。それこそ問題です。

任命権者の責任明確化を

 法相を含め閣僚の任命権者は首相です。菅首相は問題が表面化したあと「直接何も聞かない中でコメントは控える」としかいいませんでしたが、重大な問題だと考えるなら、なぜ自らすすんで対応しないのか。

 形ばかりの注意ですますなら、菅首相が任命権者としての責任を果たしたことにはなりません。



介護保険 弱者ほど冷遇

2010-11-19 12:29:49 | 社会保障

介護保険 弱者ほど冷遇

制度実施10年、民医連が調査

負担重く利用日数減らす 保険料滞納で利用料3倍


 全日本民主医療機関連合会(全日本民医連、藤末衛会長)は18日、東京都内で記者会見し、「『介護保険10年』検証事例調査報告」と題する介護保険利用者・家族についての大規模な全国実態調査の結果を発表しました。貧困化の広がりの中で、低所得者ほど重い費用負担に苦しみ、必要な介護サービスを受けられない実態が明らかになりました。



 この調査は、2000年4月に導入された介護保険制度の実態を検証するために実施。今年5月~9月末までの調査期間に29都道府県420の事例を集めています。

 それによると、「経済的困難でショートステイ(短期入所介護)の利用日数を5分の1に制限している。利用料の未払い額も約30万円になった」(84歳の女性)など介護サービスを利用すればするほど利用料が重くなる仕組みのため、必要な介護サービスの利用を抑制している事例が目立ちました。

 「保険料滞納による制裁措置でサービス利用負担が3割になり、その支払いのために家族は働き詰めになっている」(78歳の男性)など、保険料を2年以上滞納した場合、利用負担が1割から3割になるといった制裁措置の問題も明らかになりました。

 「限度額を超えるため月によってデイケア(通所介護)を減らしている。家族は認知症のため介護できない」(83歳の男性)など、支給限度額制度(最重度の要介護5で支給限度額が月約36万円まで)のため、十分なサービスを利用できない実態も浮き彫りになりました。

 記者会見で全日本民医連の林泰則事務局次長は、12年度の制度改定に向けた政府内の見直し作業について「給付(サービス)抑制・負担増『先にありき』という見直しを、利用者・家族は求めていない」と強調。この10年来の給付抑制方針を転換して、「給付は必要に応じて」(必要充足原則)と「負担は支払い能力に応じて」(応能負担原則)を貫いた同制度の再設計が「何より必要だ」と訴えました。

 同調査報告の全文は19日から全日本民医連のホームページで公開予定です。


 介護保険制度の改定作業 2012年度に介護保険制度を改定する計画が社会保障審議会介護保険部会で議論されています。厚生労働省は▽高齢者・軽度者の利用料引き上げ▽軽度者への生活援助サービスの縮小▽40歳未満からの保険料徴収(現行は40歳以上)―など負担増と給付減のメニューを列挙しています。

しんぶん赤旗より

支援機構が争議権放棄迫る

2010-11-19 07:33:30 | 労働・雇用

支援機構が争議権放棄迫る

日航 客乗組合が抗議 “解雇撤回までたたかう”


 日本航空乗員組合と日航キャビンクルーユニオン(CCU)が日航の「整理解雇」撤回を求めていることに対し、日航の管財人である企業再生支援機構が出資をたてに支配介入する不当労働行為を行ったことが明らかになりました。CCUが17日、厚労省内の会見で告発しました。


写真

(写真)違法な整理解雇をやめさせてと宣伝する日本航空乗員組合と、キャビンクルーユニオンの組合員=17日、東京地方裁判所前

 日航乗組とCCUが「整理解雇」の撤回を求めて臨時大会で争議権確立を発議し、組合員全員投票を行っていることに対し、支援機構は16日、「争議権を降ろさなければ、出資しない」などと恫喝(どうかつ)しました。

 労働組合の争議権は、日本国憲法第28条で定められた正当な権利です。

 支援機構は、政府が資本金の半分を出資し、政府保証で事業資金を調達している組織です。

 内田妙子CCU委員長は「解雇が撤回されれば、争議権は中止すると言っている。それほど労働者の人生のかかった切実な問題だと理解してほしい」と訴えました。

 CCU顧問弁護団は、支援機構の行為は「組合員が自主的に判断し、決定すべき事柄に不当に介入したものである」と意見書を発表。両組合の加盟する航空労組連絡会(航空連)は、「整理解雇を押し付け、さらには脅しをかけて労働者からスト権を奪い去るきわめて異常な不当労働行為です」と声明を発表しました。

 CCUはまた、同日の会見で、客室乗務員の希望退職が会社の人員削減目標660人を73人上回る733人に達しており、「整理解雇」に道理がないことを明らかにしました。

 内田妙子委員長は、「日航は当初、客室乗務員570人を削減目標としてきたが、突然、660人に引き上げ、さらに『稼動ベース』の概念を持ち出してきた」と会社の対応の異常さを指摘しました。

 「稼動ベース」とは、休職中の人は「0人」、育児・介護中で部分就労の人は「0・5人」などと計算し、退職応募者数を実際より低く見積もるやり方。この「稼動ベース」をもとに、日航は客室乗務員90人を解雇するとしています。

 内田委員長は「客室乗務員には、安全のための重要任務がある。一人ひとりの人生と生活がかかっている。解雇に反対し、撤回まで会社と協議を続ける」と強調。解雇強行の場合は「裁判も検討する」と述べました。

 大阪の事業所閉鎖で成田に異動し、一時的に体調不良となって解雇対象となった女性(42)は、「家族を残して転勤した。辞めずに日航再生につくしたい」と訴えました。


整理解雇は暴挙 航空労組連が声明

 航空労組連絡会は17日、「日本航空の整理解雇という暴挙に断固抗議するとともに、全グループ社員の雇用と安全運航の確保に全力を上げてたたかう」とした声明を発表しました。

 声明は、これまでの希望退職募集ですでに人員削減目標が達成されているなどの事実をあげて、「整理解雇」を実施する必要性はないことを強調。「整理解雇」は安全運航の確保とスムーズな再建を困難にするだけだとのべて、いま求められていることは「現状の体制を有効活用し、労使がともに知恵を出し合い、安全運航を確保しつつ、経営・全グループ社員一体となって再建に取り組む体制を築くことである」と主張しています。