太宰府木うそ保存会

木うその技術伝承と原木育成を目的とした会です。木うその歴史や会の活動内容などを紹介します。

木うその力・・・宰府うつし3

2014年01月04日 | 各地のうそ替え
福岡の水鏡天満宮の境内に行かれた方は
御参りを済ませたら是非見ていただきたいものがあるのです。
太宰府にありそうでないもので、大阪天満宮さんや亀戸天満宮にあるもので・・・
それは御本殿の右手横に置かれています。


そう、石像の鷽なのです。


この像は竿に彫られた銘文によれば、
日清戦争の戦勝記念で福岡の有志が出資し、
石工の広田家により彫られて明治31年に造立されたものなのだそうです。


間違いなく当時の木うそがモデルになっていたようですが、
この時期のものは現物が残っていません。
かろうじて川崎巨泉の玩具帖などに絵としてその姿を見ることができます。
そういう意味では木うそそのものではありませんが、
形が保存されているという意味では貴重な存在です。


明治の木うそは鳥然とした造形のものから
徐々に後羽のカールがデフォルメされ、強調され出して
現在の木うその形の基礎が出来あがって行く過程にあります。
この像が貴重なのは、その後背の造形にデフォルメされる前の
元の造形が見て取れる点にあります。


大正期の木うその側面にうろこのような模様が施された作例がありますが、
この石像品を見るとその意味がはっきり理解されます。
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木うその力・・・宰府うつし2

2014年01月02日 | 各地のうそ替え

かわってこちらは福岡市中央区天神の水鏡天満宮です。
旧県庁(現福岡アクロス)の前にある天神様です。
もとは西鉄薬院駅の西側にある姿見橋辺りにありましたが、
黒田藩の城下町造営に伴って現在の場所に移され、
福岡の歓楽街「天神」の名の由来になった神社です。


正面の鳥居に掲げられた扁額の字は昭和の宰相広田弘毅によるものです。
(広田家は福岡の石工の家系でした。)


天神の初売りの賑わいの中、こちらにも多くのご参拝があるようです。


そしてやはり見つけました。
社頭には縁起ものの中にちゃんと「木うそ」があります。
お初穂料1000円也。
しかも名工木村當馬氏の手になるものでした(驚)。
ここにもちゃんと「宰府うつし」が息づいていました。
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木うその力・・・宰府うつし

2014年01月01日 | 各地のうそ替え

元旦は曇りベースでしたが時折日が差す穏やかな一日でした。
太宰府天満宮へは今日1日で20万人のご参拝があったと報じられています。
博多辺りでは「三社参り」でお櫛田さんや箱崎さんへのお参りがあるようですが、
博多駅近くの住吉神社でも多くのご参拝を集めています。
入口の左手にある神社の看板を注視すると、そこに「鷽替え」とあります。
なにを隠そう、ここ博多の住吉さんでは一月七日の夜に「鬼やらい」と「鷽替え」
の二つの行事が連続して開催されています。


確認したところ元日より社頭で縁起ものに交じって、木うそがちゃんと販売されています。


高さ3㎝のミニサイズですがしっかり太宰府系統の木うそです。
ここでは祭事当日には番号付きの木うそが販売され、
境内で盛大に鷽替えがおこなわれます。ここでは特賞から3等までの景品が当たる
福みくじ的な行事でおこなわれており、近隣の常連さんを中心に盛んにおこなわれています。
博多では他に水鏡天満宮や鏡天満宮などでも鷽替えがかつてはおこなわれていたようで、
博多祇園山笠が北部九州一円に「ハカタウツシ」として伝播したのと反対に
まさに太宰府の文化が移された事例として貴重な行事となっています。
悲しきは、太宰府と同日、同時刻のためなかなか拝見することが・・・
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