森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

今頃は、銀河鉄道の車窓の旅を楽しんでいるに違いない

2023-02-22 00:06:27 | 同じ時代の船に乗る

イヤ、違うか。

今頃はアルカディア号に乗って、憧れの銀河の海を旅しているんじゃないかしら。ハーロックやエメラルダスと一緒に。

松本零士さんは、2月13日に亡くなられました。85歳だったそうです。

 

松本零士さんは、私が生まれる前から漫画家で、そして私の青春時代を彩ってくれた方でした。

彼の代表作のひとつである「宇宙戦艦ヤマト」は、「ガンダム」と同じように、リアルタイムよりもその後の再放送でファンを拡大していったアニメだったように記憶しています。(記憶違いかもしれませんが)

私もその一人だったと思います。

救いを求めて命ギリギリでイスカンダルに向かうと、地球を滅ぼそうとしたガミラスは、そのイスカンダルと双子星だったという衝撃の展開。

メチャクチャ面白かったですし、その自己犠牲や愛の物語に滂沱の涙を流しました。波動砲、カッコ良かったし、木星を横切るヤマト、ワクワクしました。

そしてその映画「宇宙戦艦ヤマト」の頃から、リピートで観るという事がはやり始めたのではと思います。少なくとも私の周りではそうで、私以上に「ヤマト」にはまっていた妹のスノウさんは、「3回見た。」と自慢していました。私も負けじと2回は見ました。

その続編辺りから、一緒に見に行ったのは今の夫。

彼は、私以上に松本零士さんの漫画のファンで、家に行くと、彼の世間で知られている代表作と言われている「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」以外の他の漫画もたくさんあったのですよ。

もちろん「銀河鉄道999」のシリーズは、皆、夫と行きました。

「まんが祭り」か何かで上映された、旅の途中のひとつのエピソードのような中編のものまで、ルート君と見ましたが、あの長編の二作の後であっては、子供であったルート君にさえ「がっかりした。」と言われてしまうようなもので、好きだからと言って、何でも見れば良いと言うものではないなと言う反省をしたものですが、そんな事も含めて、みな良い想い出です。

映画館で見た「銀河鉄道999」は本当に美しかったですね。機械の体を鉄郎は最後に貰えるのか。この物語、最初から答えが分かっていると思うんです。だけど終着駅で鉄郎はどのような答えを出すのか、その最終の地の秘密は ?

メーテルの正体は ?

みんなが夢中になり、いまだに人気が衰えていないのは当然の事ですね。

 

だけど私、最近、良くこの映画のある場面を、今の心象風景のように思い浮かべる事があるんです。

そしてなんかリアルな未来図を松本零士さんは描いたような気にもなって来るんです。

それはみなが思うような、メーテルとの別れのシーンとか、少年の日の想い出とか言う叙情的なシーンではなくて、冒頭・・・・。

発展に発展を重ねた未来の空中都市があり、その視点が下に下にと降りていくと、そこには荒廃したゴーストタウンのような地上があり、豊かさから取り残された人々が生きているのです。鉄郎とその母は、そんな世界の住人。

機械の体を貰おうと、パスもないのに銀河鉄道を目指します。

そこにあるのは、底なしの貧しさと無知。

メーテルとの出会いが無ければ、物語は始まらないのです。

 

時々、この先、この国はどうなってしまうんだろうと、自国の未来に不安を感じる事もあるでしょう。そんな時、私はこの作品の強すぎるビル風の中を歩いていく鉄郎親子の姿が浮かんでくるんです。なんだかこの国の未来の風景のように。

 

と、ここで終われば、長さ的にちょうどいいのかなと思うのですが、やはりそれでは書き足りないのです。なんてったてファン歴が長いものですから。

松本零士さんのアトリエ・・・・昔テレビで映ったのですが、積読資料の山で吃驚しました。きっとどこに何があるのか、そこの住人には把握されているか、もしくはどこかに宝が隠されているかって言う感じで、好き度が変な所であがりました^^

またテレビ等で代表作を言う時、「宇宙戦艦ヤマト」と「銀河鉄道999」をあげるけれど、「男おいどん」はあまり言われないですね。

あの作品は、確かに女性にはいろんな意味で少々キツイ・・・。なのでどなた様にもお勧め出来ると言うものではないし、私自身も、あのキノコの名前とか、不名誉な皮膚炎の名前とか、あーもう、いや、何で知ってるのって気分になりますよ~(笑)

 

で、私、上に書いてきたような作品の想い出を書こうと、心の中でその想い出を辿っていた時に、ふと自分の中の1作品は違うなと、ある作品の事が頭に蘇えって来たんです。

それはやはり夫の家で読んだ、戦場マンガの「スタンレーの魔女」という短編です。

(反戦がテーマとか言うものではないので、そこはご了承ください。)

皆さまの中にも、きっと私のように、自分の中に一番の作品と言うものがあるかもしれませんね。

 

長い漫画家生活で、多くの人に夢やワクワクやそして感動を与え続けてくださったことに感謝いたします。

今は、その銀河の旅を楽しまれるよう、心からお祈りいたします。

 

 

 

愛猫ミー君が呟く、零時社のツイッターから。

零時社からのお知らせです

漫画家松本零士が 2023年2月13日都内病院にて 星の海に旅立ちました

これまで応援くださいましたファンの皆様 本当にありがとうございました

「遠く時の輪の接する処でまた巡り会える」 と松本は常々申しておりました

私たちもその言葉を信じ その日を楽しみにしています』

 

やっぱり「星の海」って書いてありましたね。

・・・


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「リドリー~退任警部補の事... | トップ | 猫の日☆2023 »
最新の画像もっと見る

同じ時代の船に乗る」カテゴリの最新記事