
3月10日に映画館にて鑑賞。
実は私は、ボブ・ディラン氏の事は、あまり知らないのです。
彼に憧れた人たち、または影響を受けた人たち、その人たちに憧れた世代が私たちだと思うのですね。ビートルズにだってリアルで心ときめかしたり騒ぐことは出来なかった世代です。言うなれば間に合わなかったと言うのが正直なところです。
映画の中にも、ボブに向かって、台頭してきたビートルズを気にするなみたいなセリフが入ります。
つまりちょっと上のミュージシャンの物語ー。
「彼に憧れた人たち、または影響を受けた人たち、その人たちに憧れた」と言うのは、私にとっては、吉田拓郎氏かな。
いま彼は一年に一度くらいしかラジオにも出てこないけれど、この映画を見たかしら。
見ていたら感想を聞きたいものだと思いました。
この映画を見ると、如何に彼が拓郎氏に影響を与えたかが、分かるような気がしたのです。
ところでこの日、観客はたった4人。私以外の3人は白髪のおじいさんたちでした。(m(__)m)
そうか。この人たちにとっては、この人たちの憧れのミュージシャンだったのかなと私は思いました。
でも私は美しいティモシー・シャラメを見に来たようなものです。
何となく、この人の作品は逃すことなく全部見たいと思う俳優さんっているじゃないですか。
藤原竜也以外は、今は、このシャラメがそうかも。
またこの人が、素晴らしかったんです。ボブ・ディランをあまり知らないと言いながら言うのは変ですが、きっとそっくりなんじゃないかなと思いました。
全編、歌が本当に良かったです。聴き惚れていました。
ただ物語はちょっと淡々としているように感じました。ボブの自分の音楽への苦悩も、平板なゆえに分かり辛いものがあるのではないかと思いました。
1歩前に進むとき、それは今までの何かを断ち切っていかなければならないのかも知れません。
それがどんなに今までの自分にとって、大事な人であっても・・・・・。
最後のエンドロールで、本物のボブの歌が流れます。
この音量で聴けるなんて、最高。
そう思いながら目を瞑って耳を澄ましていました。
ふと途中で目を開けましたら、前に座って居るおじいさんがいません。
あれっ?
それで背後にいたはずの人たちを確認するために振り向きましたら、やっぱり誰もいません。
昔の人はたまに映画に来ると、昔のようにエンドロールの途中で退席したがる人もいるし、140分の映画だったので、トイレに行きたくなってしまったのかも知れません。
このことを家に帰ってから夫殿に言うと、「勿体ないことだね。」と言いました。
だけどとにかくですね、この時私はずっと憧れていた、映画館ひとり貸し切りを数分ではありましたが実行できたのです。
遣りましたね💛💛💛
以下はネタバレしています。
フォークソングフェスで彼は彼の思っていた音楽を奏でます。
つまりエレキを使ったフォークの枠から飛び出した音楽でした。
主催者が音量を下げろと言ったり、止めさせようとしたりしますが、
「何で? 最高なのに!?」と、会場の音響担当の者がゆずらなかったのは、好きなシーンでした。
会場では、やはりついて行けない人々が少々居て、「止めろ」と叫んだり「帰れ」と叫んだり、なんか投げてきたり・・・・
思わず私・・・・・ニヤニヤしちゃった。
なんか、懐かしかったからです。
また、エドワード・ノートン演じたピート・シガーも、とっても良かったです。
彼を見出し認め、世に送り出し応援したピート。だけど音楽性から袂を分かつ事になっていってしまいました。
だけどこの人は、フォーク・リバイバル運動の中心者として生き、94歳で亡くなりました。
彼の事を知りえたのも、この作品のお陰です。
彼のもっと詳しいことは→ピート・シーガー - Wikipedia
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