森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

グーグーだって猫である〈5〉〈6〉

2014-11-10 00:51:08 | 漫画・マンガ・まんが

先日本屋で買い求めた「キャットニップ」はグーグーが亡くなった後の続編だと分かったので、読んでなかった「グーグーだって猫である」の5と6を読もうと思いアマゾンで注文しました。

これは本の感想ではない事ですが、単行本で4冊まで持ってると、一冊だけ文庫と言うのはちょっと嫌だなと思ってしまうのですよね。でも何の本かは忘れましたが、前にも同じような事があり単行本の中に一冊だけ文庫と言うシリーズを持っているように思います。でも今回はそれを避け、中古新品と言うのをほぼ二倍のお金を払って買い求めました。本音を言えばちょっと面白くなかったのは事実。

「キャットニップ」と言う新作も出たしwowowでのドラマも好評で、今なら本屋さんで注文して気長に待てば再版ってこともあったかもしれません。

2008年からその続編の事も気にもかけてなかったくせに、ひとたび読みたいと思ったら待てなかったのでした。それでも安く手に入る文庫を避けたのは並べた時の美しさにこだわったわけではなく、私の目の衰えに理由があると思います。

どんどん歳を取っているのです。

でもそれは私だけでなく、大島弓子さんもそしてグーグーにも。

2008年から同じように3年の歳月が流れて2011年がやって来て、そしてそれからさらに3年が経ったのです。

 

グーグーだって猫である5 (角川文庫)
大島 弓子
角川書店

 

グーグーだって猫である6
大島 弓子
角川書店(角川グループパブリッシング)

結論から言うと、少々割高になっても早く読めて本当に良かったと思いました。

 

やっぱりちょっと読んでは泣いて、また泣いてと読み進めていたわけですが、今では6巻の表紙の「んるる」というグーグーの鳴き声を見ただけで涙が溢れてしまうのです。

と言いましても、この物語は作者とグーグーのふれあいの物語ではなく、大島さんと猫たちとの物語。

でもサバと言う猫を亡くして、ペットロスになってしまった彼女を救ったのは紛れもないグーグーで、その後の猫愛の行動に彼女を進ませたのは、この猫の優しい性格にもよったと思うのです。どんな猫にもウエルカムの態度を取り面倒見の良かったグーグー。

だから他の猫と大島さんの交流と触れ合いとそのドラマは日常的に続いていくのに、グーグーが死んでこの物語は終了するのです。

「グーグーだって猫である」の4巻までで止めてはいけなかったのだと痛感しました。なぜならそこまでだと、彼女の加速する猫愛についていけないような気がしていたからなんです。挨拶しても返してこない近所の男性。さりげなく描かれていても、野良猫に餌をやりその出産を手伝い、敷地内に猫小屋を作る事への反感なんじゃないかと感じました。

なんだか不安になるような展開でした。

 

だけれども5巻6巻を読むと、そのぶれる事のない猫とのかかわり方に首がたれるような気持になって来て、そして感動するのでした。

短編で成り立っているのでどのようにとかは言えませんが、あえて一つのエピソードだけネタバレで書かせていただきます。

14匹も猫が居ても、大島さんはその1匹1匹にそれぞれにちゃんと愛情を注いでいます。だからたくさんの猫の中のその1匹が死んでも、その悲しみに落ち込むのでした。

2011年の2月、テンミケと言う猫が死んで、その悲しみが癒えずに街の中をとぼとぼと彷徨う大島さん。帰宅して大勢の猫に迎えられて、そしてその時にあの3.11の地震が来たのでした。

あまりにも大きな出来事で

「あの時、私は」と言うそれぞれの「あの時」がある事件や出来事の事を、私は「共通体験」と呼んでいるのですが、思わず大島さんの「あの時」と私の「あの時」を重ね合わせてしまいました。

テンミケの死の悲しみのさなかの大島さん。献血にチャレンジしようと決意をツイッターに書き込んでいた私の午後。

子供たちと声を掛け合っていた私。動かずその場で揺れている猫たちに囲まれていた大島さん。そうして私たちはそれぞれの場所で、あの恐怖の数分間を耐えていたのでした。

 

昭和の初めもしくは大正時代からの女性史を描くドラマがあったならば、それはすべてあの戦争を描かないわけにはいかないのですよね。

それと同じように、いつしか平成の日々のドラマを描くときには、あの3.11を多かれ少なかれ描くことが多くなるのかもしれません。

 

グーグーはあの震災から、そんなに日にちを空けずに亡くなりました。

 

2011年は大きな大きな一年だったと思います。

 

漫画の感想ではありませんが、我が家の猫のももは2011年にやってきました。

余震続くどさくさの中、簡易な卒業式が行われて就職も決まっていないと言うのに世間と言う大海に放り出されてしまったルート君。

その後の彼の青春は地味でありながらドラマチック。

心がぺしゃんこになったり、泣きたくなる日もたくさんあったと思います。

でも彼は言いました。

「いやあ、もも吉にはさ、ドンだけ癒されたか分からないな。」

そんなもも吉もルート君が大好きで、気まぐれにですが時々一緒に寝ています。

 

 「グーグーだって猫である」4巻までの感想は→こちら

「キャットニップ」の感想は→こちら

 

 

 


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