森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「後白河院」を読みました。

2012-06-24 17:07:12 | ユーモレスクを聴きながら(book)

こんばんは。久しぶりに真夜中に書き出しています。ちょっと書いて、残りは翌朝にと予定していますが、果たして予定通りに行くか・・・。
近頃まとまった時間を取れずにブログと向きあう気分になれませんでした。でもなんとなく書いておきたいことが溜まってきたので復活したい気持がムクムクと沸き起こっては来ているのですが、生活リズムが変わって上手く時間を使いこなせていない私です。そんな所はまたのおしゃべりで聞いてくださいね。

なんだか最近目先の「楽しい」を優先して、平和な気分で生きています。それは言葉にすると、まったくもって悪くはない感じですが、なんかこのままで いいのかと時には首を傾げたりもするのです。本来人は、そこに山があったら登り、川があったら泳ぎ渡ろうとする生き物なのかも知れません。山なく川なく平 坦な道ばかりを行くと、その風景に飽きてくるのは必定。だけれど困難を外的なものに押し付けられれば、それは「悲劇」とか「不幸」とかいうろくでもない二 文字を伴う場合も多いのでろくなものではありません。やはり山も川も自分で課せるものではなければならないのではなどと、日頃から思ってはいるのです が・・・・

まあ、いろいろ思考中です。試行中、もしくは施行中まで行っていないところが悲しい所です。

 

それはさておき、目先の楽しみの一つには、私の場合はやはりドラマを見ることだと思います。

いろいろ見ていますが、大河の「平清盛」が凄く好きです。

柱の部分がドンと面白いので、細かい部分がまったく気になりません。

そして物語は前半の山場ですね。

教科書では数行で終わってしまう保元の乱・平治の乱。

切なさに涙してみたり、松山ケンイチの眼力演技に感嘆して見ていたりしています。と言っても、今回はドラマの感想ではなく本の感想です。しかも「平清盛」という本の感想ではなく「後白河院」。

私の今年は、花に水をやって本を静かに読むことぐらいしか出来ないイメージでしたので、たくさん読むという計画を立てていましたが、どうもイメージとはかけ離れた生活ぶりです。読んだ本は今年二冊目の本・・・
しかも感想は今頃・・・

まっ、細かいことは気にするなって・・・

しかしこの本、ほんとうに本当に面白かったです。
そして今の「平清盛」というドラマの面白さをアップさせたのも事実です。感想といっても、本文の内容には殆ど触れないつもりです。ドラマのネタバレにもなりかねませんので。

なので夏休みに宿題のお助けにはなりませんのであしからず。
いやいや、読書感想文を書くのに何の本にしようか迷ったら、この本はオススメです。
なぜなら面白いことはもちろんですが、長くなく、しかも歴史の勉強にもなると学生さんには良いことづくめです。

後白河院 (新潮文庫)
井上 靖
新潮社

四部からなるこの物語はインタビュー形式でそれぞれの人が語ります。

語り部によって文が柔らかくなったり堅くなったりするのも、面白いところです。

私なんかはやはり二部の宮中に仕えていた者の建春門院と後白河院を語ったあたりが、非常に読みやすく感じました。逆に第三部は、ガラリと趣が変わるので読み進めるスピードが落ちた程です。

そして一番面白く感じたのは、やはり第一部の保元・平治の乱の顛末記が語られた部分でした。

それまで私にとっては信西という人は、まったく見知らぬ人でした。乏しい歴史の知識の中でも何も記憶のない人。でもこの物語の中では強烈な個性とパワーの持ち主だったのでした。まだ始まったばかりの大河ドラマのHPを開いて、一体誰がこの信西をするのか確認してしまったほどでした。

ドラマの中では、やはり強烈な個性の持ち主である阿部サダヲさんがこの役を演じています。
私がこの本を読んでいた時には、もっといろんな意味で太い人のイメージでした。例えば高橋克実さんのような人かな。

まあイメージというのは人それぞれ。

身内の首を身内に切らせて保元の乱を収集させた信西。
全て緻密な計算通りで、その知によるパワーを見せつけます。だけどドラマの中では陰で涙する繊細な部分を見せたりもするのですが、小説の中では人によって語られるので、そんな部分は皆無です。

しかし「平家物語」が諸行無常と語れば、実はこの物語の中にも一貫して流れているものは、実はその四文字ではなかったかと思ったのでした。

 

今日、ドラマではその信西も・・・・

人は夢を見て、そしてこの世から去っていきます。風の前の塵のごとくに。

 

「後白河院」は平家滅亡後も今度は源氏と渡り合っていかねばなりませんでした。その生涯は新しき時代との戦いであったのかも知れません。

貴族の時代が終わって武士の時代が来る。

その水際で、踏ん張り続けた人だったのかもしれないと思いました。

ところであとがきを読むと、作者である井上靖氏も、この時代に強烈な個性を放ち印象的だったのは信西入道とあげています。彼(作者)の研究と思いが、しっかりと伝わってきた小説であったと思いました。

 

ついでながら
保元の乱については詳しくは→ここ

平治の乱については詳しくは→ここ

です。

今日も「平清盛」、楽しみですね。

って、朝はやっぱりムリでこんな時間にアップになってしまいました・・・汗。

コメント (4)
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