森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

The 入院 <病院に朝が来て>

2011-10-29 17:19:02 | 梢は歌う(日記)

せっかくなので、入院体験記などを書こうと思います。

せっかくと言うのも変ですが,誰もが出来る経験ではないと思うので。

いや、そんな風に言うのはおかしいのかも。いつかほとんどの人は、その経験をすることになるのではないかと思います。運が良ければ、女性の場合は出産を除いてと言う事になりますが、人生で1回だけで済むのかも知れません。逆に一度もその経験がなく人生を終わらせると言う方が運が悪いのかも・・・・。

・・・、この部分にこだわると、なんだか寂しい気持ち&不安な気持ちになってくるので、細かい事はナシにして、今回の体験記&思ったことを少々書いておこうと思います。

 

病院の朝は早いのです。

起床時間が6時だからと言うわけではありません。

採血などがある人はその前に看護師さんがやってきます。

でもだいたいその前には起きていました。慣れないベッドで寝ていられないとかもありますが、病院と言う所は基本的にはそれ自体は不眠で、まさに不夜城です。その気配で起きてしまうのです。

毎朝4時半頃には起きていました。

だからと言って思いがけず家事から解放されてしまっているのでやる事もありません。スタンドの明かりを点けると私のコーナーだけ明るくなってしまうので、それを点けて本を読むわけにもいきません。その時間は、ほとんど考え事に使っていたように思います。

 

病院で考え事なんて言うと、ろくでもない事を考えそうですが、こういう時に普段からお気楽脳天気なやつだと、いきなり暗い事を考える事も出来ないのです。もちろん病気のことも考えました。だけど「くよくよ度」ナシです。
それはお医者さんが何気に言っていた
「癌ではないと思う。」と言う言葉で、私は救われていたからだと思います。

早期の癌は治るのです。でもやはりその病気になってしまった時のショック度は計り知れないものがあるのだと思いました。たとえ他のかなりマズイ病気を疑われていたとしてもです。

この朝の瞑想タイムは、普段私が寝る前に温かい湯船の中でしている事の代わりだなと思いました。でもまあ、最近湯船の中では寝ていることが多かったので(危ないから止めようね)、私としては貴重な時間を持てたかなと思います。

 

そして起床時間前後になりますと、少々忙しくなってきます。

忙しいといっても、私はお食事がないわけですから朝イチで歯磨きをして顔を洗っていました。そして乳液入り化粧水をぺたぺた。病院は乾燥しているので、潤すものは必要だと思いました。これは途中から始めた事ですが、化粧用パフを濡らして耳の周りを丁寧に拭いたりしました。あの化粧用パフは女性には必需品だなと思いました。耳の後ろは髪が汚れると、すぐにただれます。自分の髪がアレルギーを引き起こしていると前に耳鼻科の看護師さんに言われた事があります。ちゃんと調べたわけではないので分かりませんが、ひっつめ髪にしとけと言われたのですが似合わないので拒否で、時々薬を塗っています。

最初はそんな薬まで持って来てはいなかったのですが、退院した時にほかのところが悪化しても困りますので、ちゃんとしておこうと持って来てもらったのです。

それから髪の毛のケアです。

私は絶対安静患者ではないので点滴の棒を友としてウロウロ出来るのですが、点滴が外れないので、長い間髪が洗えませんでした。その時、超が付くほど役に立ったのはドライシャンプーです。このドライシャンプーは被災地の方にも役に立ったのですよね。

「忙しいってこんな事か!?」って、思いましたか?

私は思っていましたよ。

歯を磨く、顔を洗う、肌のケアをする。日常の生活の隙間時間でやるようなことが、メインに躍り出てるのです。
自分の世界の縮小化、そんな感じがしました。でも、何気なくやっていることを、丁寧に意識を持ってやると言うことって時には大切な事なんだなと思いました。

それから花の水遣りです。

嬉しい事に、入院初日に友人が持って来てくれたのです。

 それから10日間のお友達でした。

 今のお見舞いはアレンジメントが主流ですよね。花だけ持って行っても花瓶などないので大変ですものね。それにこの花、カーネーションにスターティスと長持ちするものばかりです。

縮小された自分の世界でも、ささやかな楽しみはあるものですね。

 

ああ、暇なんだなと思われるでしょう。確かにそうです。

でも昔、私は出産以外にも悲しい入院を経験した事があります。短い入院でしたが、髪も梳かさず顔も洗わず、よれよれのパジャマでぐちゃぐちゃのベッドで寝ていました。病院も酷かったけれど、私の心も酷かったのです。

そんな経験があったからこそ、入院中は特に意識して小奇麗にしていようと思っていたのかもしれません。それからきっとあの人の影響です。
臨終の近くまで、お見舞いに来てくれた人を、起き上がって正座して迎えようとしたあの人。
そう、大好きだった松田優作氏の事です。

彼のこの話は、私の胸に刻まれている事なのです。

 

そう考えると、やっぱり一人では生きていませんね。

 

 

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持田ヘルスケア
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