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森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

山寺・立石寺

2010-09-12 17:05:06 | お出掛け日記
<チャレンジひとり旅その4>
山形駅から山寺へ。
二日目の午前中は立石寺。
閑さや 巖にしみ入 蝉の声』と芭蕉の句で有名なところです。

実は、この芭蕉の「奥の細道」を、私は密かにシリーズ化して記事に書き続けたいなと思っていたもの。これは隠している訳でもなく、時々言っては実行できないでいる「北千住に行きたい」は、この関係なのでした。図らずも、順番関係なくいつかは是非行ってみたかった「立石寺」に行くことが出来たのです。

しかし、此処。

半端じゃなくきつかったです。

「奥の細道」の立石寺のページには(ページと言うのはどうかな)
「岩に巌を重ねて山とし、松栢年旧り、土石老いて苔滑らかに、岩上の院々扉を閉ぢて物の音聞こえず。岸を巡り、岩を這ひて、仏閣を拝し、佳景寂寞として心澄ゆくのみおぼゆ。」

ふむふむ、凄くいい感じ。静寂と蝉の声。クッーたまらない・・・


ホームから見上げると

よし、あそこを目指すのね。

ホームから改札に向かう途中に・・・

大丈夫。凄く余裕を持って計画を立てました。


山寺駅は、駅から風流です。

行く途中にある対面石。こちらから見るとなにげにハート型に見えたので、何かロマンチックないわれでもあるのかと思ったのでしたが・・・・

貞観2年(860)慈覚大師が山寺を開くにあたり、この地方を支配していた狩人磐司磐三郎と大師がこの大石の上で対面し仏道を広める根拠地を求めたと伝えられている。
と言う事です。




サア、いざ!

しかし、この日も暑かったですよ~。


えーと、なんだって・・・
「岩に巌を重ねて山とし・・」


「松栢年旧り・・」


「岸を巡り、岩を這ひて・・」


「佳景寂寞として・・・」


確かに・・・・
言葉には嘘はないですよ・・・
でも、芭蕉先生・・・




曾良さん・・・



あなたたちがいらした元禄2年(1689年)5月27日(新暦7月13日)は、今年のように30年に一度の猛暑で異常気象などといわれる年ではありませんでしたよね。


それでも行かない予定だったのに勧められて尾花沢から引き返して午後3時ごろに、此処にたどり着いた二人。でも休みなく一気に登って行ったのは流石健脚の誉れの高い芭蕉・・・

その真実は知りませんが、勧められたということは、その時も既に訪れる人は少なくなかったのではないかと思います。
閑かさと言う言葉から、まるで人は芭蕉たちだけでもっと夕方のイメージも強いのですが、実際は違うのではなかったかと思われます。静寂と蝉と思うと、もっと晩夏のイメージもありますが、それははっきりと違います。

晩夏の断末魔の叫びにも似た蝉の声とは違う、遠くで穏やかに鳴く蝉の声。

その静かさは、芭蕉の心の中の静かさだったかもしれません。

芭蕉の句というのは・・・
あっ、ちなみにですね、此処から先はワタクシの暴走です。何がしの偉い先生たちの諸説なんかも参考にしていないので、(と言うか、お勉強していません。)だから、すっとぼけた事を言ってるかも知れないし、かぶっているかも知れませんがあしからず。ワタクシの感想ですから。

で、芭蕉の句というのは、絵画でいうと印象派と言うのではなく、つまり霊感によって、又はインスプレーションによって心のうちを叩き出し句にするタイプではなかったのだと思います。

この後訪れた「山寺芭蕉記念館」で、この句は、もともとは「山寺や石にしみつく蝉の声」が初案だったという文を見つけました。曾良による文献にあるそうですが、彼はその初案に推敲を重ねて、今知られている句に仕上げたのだと思います。彼の場合は積み重ねられた知識と教養が、句の贅肉をこそげ取り洗練されたものにしているのではないかと感じてしまいました。

つまり、5・7・5 の短い言葉の世界に練られた創作の世界が存在しているのではないかと感じるのです。
ゆえに時には、それに感動し、時には騙されて、頭の中でイメージが暴走し、カナカナカナや、ジィージィーと蝉を鳴かしてみせたりするのだと思います。

と、まじめなお話はこの辺にします。これがテレビだとチャンネルを変えられちゃう頃かもしれませんし。

で、ワタクシですが、もう死ぬかと思いましたよ。首に巻いたゲゲゲ手拭が、絞れば水が落ちるくらい汗をかきました。ちょっとは出掛けましたが、主に引きこもり生活の鍛錬なき生活の私には、ハードルなんてものじゃなく、そのバーは棒高跳びくらいありました。

一緒に登っている前後の人も大変・・・
「まっだ~!?」「死ぬ~」「こりゃ、きついわ」「行けるところまで行きゃいいよね。」とか、いろいろな声と、ハァハァと言う息遣いが聞こえてきます。とっても「閑さや~」なんてものじゃありませんて・・・

私も、ちょっとアカンかもって思ってしまいました。
「行きます」と言う自分の言葉に縛られてはいけないと思いました。せみ塚まで行ったのだから、そこで耳澄まして帰ってくればいいじゃん。何かアクシデントがあったら、一人だし、かなりかっこ悪いし、行かない勇気も必要だよ、と私は私と会話しました。その時、諦める勇気も必要だなと分かりました。だから、「もうちょっとだけ行っても良いかな。」と私は私に許しを請いました。

が、そこからは休憩ポイントなくふと気がつけば目指していた場所のわずか下まで来ていました。
だけどそこまで来た時に苦しくて、足が進まないのです。
私は石段に腰掛けて、ゆっくりと汗を拭き、ほとんどすっぴんに戻った顔にゆっくりと化粧をしなおしました。もちろん、その時は人はいませんよ。人前で化粧なんかしませんから、私。

化粧が終わると、風がヒューっと吹き抜けていきました。気持ち良い~!&復活~!!

そして目的地まで、わずか10段強の石段を登ってゴールです。
こんなところを下から登って行ったのですよ。


上の写真の左隣。↓




「佳景寂寞として心澄ゆくのみおぼゆ」
ふふふ、登ったもののみに与えられるごほうび↓ 




だけど私はヨロ~ヨロ~。「顔写っていれば良いですよ~。」って撮って貰ったのですが、化粧直ししたのに真っ暗だ~だからアップも出来るんですが、本当は髪をお見せしたかったわ。この前の何かのドラマのように髪が天パーみたいになっていたのですよ。

教訓。日ごろからの体の鍛錬は大切です♪ 


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ガッチョーン!!

2010-09-12 01:30:12 | 同じ時代の船に乗る
今日(もう昨日でした)、多くの人が心の中で、又は声に出して言いませんでしたか?
「ガッチョーン」って。
だから、タイトルもそれ。

9月11日の今日、2時半ごろお昼寝から目覚めて、珈琲タイム。そんな時は、私はツイッターです。そこで見つけた「谷啓さん、亡くなったんだ。」と言う呟き。
―エー、本当?入院とかしていたんだ・・・
でも、それは違いました。
検索したら、こちらがありました。→△△

10日の夕方躓いて転び、顔面や頭部を強打し、入院先の病院で11日の午前5時ごろ亡くなったとありました。
ある意味、事故死。
あまりに突然で、ご家族の方も気の毒だと思いました。

谷啓さんと聞くと、なぜかお葬式のシーンばかりが思い出されてしまいます。

青島幸雄さんのお葬式の弔辞は涙を誘いました。
「青ちゃん、谷だぁ。あおちゃん、たにだぁ。返ってきませんね。寂しいです。」
と言って、青島さんを見送った谷啓さん。
そして、植木等さんも見送って・・・・

変な言い方ですが、子供時代にかっこいい大人たちと見上げてきた人たちが、そうやって儚くなっていっても、何か谷さんの存在がクッションになっていて、まだその時代は終わっていないのだと言う気持ちになっていたのです。
例えば、クレージーキャッツと言うバンドはハナ肇さんが亡くなった時に解散してしまった訳ですが、それでもその仲間の一人でもいる限り、そのバンドは消えないと思うのです。

先に逝ってしまった者の事を覚えている。覚えている人が存在している。それは悲しみのクッション。
だからその谷さんが逝ってしまったのは、また違ったショックを感じたのでした。

だけどもちろん、そういった意味では犬塚弘・桜井センリさんがいらっしゃる訳ですが、谷さんはお二人よりも少々若かった訳で、このお二人の気持ちを思うと、凄く寂しいのではないかと推察してしまいます。


存在している、それが自然体。そんな人っているんですね。だから凄く正直に自分の気持ちを言ってしまうと、「悲しみ」と言う言葉はないのです。ぜんぜんピーンとこないんです。だけどある時、やはり突然に、「そうか、彼はもういないのか。」としみじみとしてしまう予感がします。その時、私は凄く寂しいなと思い、やはりひとつの時代は終わってしまったなと、クッションなき今は思ってしまうのでしょう。


想い出を語れば
釣りバカの佐々木課長よりも、私は「カメレオン」に出てきた、詐欺グループのお年寄りの一人かな。最後まで現役。素敵でしたね。

ご冥福をお祈りしています

そうそう、ちょっと思い出しました。谷さんは1932年2月22日生まれ。ピンクの林家さんじゃなくても覚えやすい誕生日ですね。そして、亡くなられた日も9月11日。だから・・・って、その先は言わずもがなですね。


コメント (2)
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