
○ちゃん。○ちゃん。午さんを過ぎて、勝手口から私を呼ぶ声が聞こえます。
「はい。おめでとう。おひなさまおめでとう」
そう言って夫は小箱を私に差し出しました。
ブログの最後の二行をしっかり読んでいてくれたのが分かりました。
嬉しくて箱を開けて見ました。

Jさん。これお内裏様とお雛様?
そうだよ。
箱に貼られたシールには、評判の美味しいケーキ屋さんの名前があります。
クチコミで人気のある新興住宅地の小さなケーキ屋さんです。
あんな所までJが買いに行ってくれたのかと思うとグッと来るものがありました。
きっと黙って、雛に見えるものを選んだのだと思います。
Jさん。ケーキ代お支払いしなくっちゃ。
いらない。いらない。今日は絶対いらないからね。
今度はグッサと来るものがありました。
大きなものを、何も望んでいない自分が嬉しかった。
○ちゃん。僕のイチゴをひとつ上げよう。
いいですよ。そんなの。
なんて、昔無かったようなことが展開している・・・
歳が行ってから夫婦は段々良くなると、耳元で聞いた声が甦る。
あの声は誰の声だったの?
桃花が開く音だったのかしら。


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