「初産や 吾子の泣き声 白露の日」辛かったお産を、嬉し涙と安堵の思いに寄せて、その日の露の雫に重ねて読みました。
三十六年前の情景です。
後日、少し顔を出していた俳句の先生に花丸を頂いて、わたくしの記念句になっています。
昨日父と夕食を食べながら、Sがもう三十六になりましたよ。と言いますと父も「そうか・・」と言いました。
孫がこの年になった年月を思ったのでしょうか。
桃井かおりさんの「十年はあっというまよ」と言った風なコマーシャルが流れてますが、瞬き三回で三十年ですか・・早っ。
「これからの十年」 随分長ぁい瞬きの末、やっとたどり着いたこの季節。大切にしたい気持ちが溢れて来ます。
○ちゃん。黙って僕についてくる?
・・・
何だ乗り気じゃないの?
・・・
困った子だね
・・・行く・・
明日何処かに連れて行ってやろうとしきりに夫が言っているのです。
いっぱいする仕事があって、ちょっと遅れ勝ちの返事をしていましたが、元気を出して付いて行きましょうか。
後(あと)の知れた年月を素直になることだなぁ。
飲んだくれてチャンチキおけさはJだけだけれど、まぁこの明るさに助けられての瞬き三回だった気もするし。
「ミステリィーツアーだ」と言っていますが、行き先は分かっています。
分かっている行き先を、一緒に向かうことに二人がいる意味があるのだと、朝露をそっと揺らして落としてみました。
かすかに産声を聞いたような・・そんな懐かしい朝でした。



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