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あなたなら、死刑といえますか?
上映時間 117分
脚本 夏井辰徳/高橋伴明
監督 高橋伴明
出演 萩原聖人/新井浩文/葉月里緒奈/村野武範/保阪尚希/ダンカン/國村隼/塩見三省/岸部一徳/吉村実子/大杉漣/石橋凌
1966年に実際に起きた「袴田事件」を基に、人が人を裁くということの難しさを描いた社会派ドラマ
昭和41年、放火された静岡県清水市の味噌工場から、刺殺された一家4人が焼死体で見つかるという事件が起きる。立松刑事(石橋凌)は元プロボクサーの従業員袴田(新井浩文)に目を付け、容疑者として逮捕するが物証はとぼしかった。裁判官として静岡地方裁判所に赴任した熊本(萩原聖人)は、主任判事としてこの事件を担当することになる。
銀座シネパトス舞台挨拶付きの回、観てきました。
その前に、、。本作は死刑判決が確定している実在の事件を題材にした作品であり、
この作品のきっかけとなったのは、当時無罪の確信をもちながら主任裁判官として、死刑の判決文を書かざるを得なかった元裁判官の告発に端を発した、
司法のあり方を問い、(陪審員として)命に関わる全ての人に向けられたドラマです。
銀座シネパトスは、ご存知の方も多いと思いますが、ある意味環境は最悪です。
銀座とは思えない場末感、電車の音、独特の臭い。それでも、
以前、「今日からヒットマン」の時、本当に武田真治くんが?で、「舞台挨拶がコチラであったんですか?」と映画館の方にお聞きしたら、「はい、大盛況だったんです~。」ととても嬉しそうに教えて下さったので、本当にびっくりしたのです。
が、渋谷のユーロスペースよりも時間的に余裕があったので、コチラにしました。
登壇者は高橋伴明監督、萩原聖人、新井浩文、石橋凌さん。
上映後の挨拶とあって、監督の開口一番はこんな重くて暗い映画に、こんなに暖かい拍手で迎えて下さってありがとうというものでした。
劇場の大きさもあるかも知れないけど、コチラの拍手の方が大きくて温かい(笑)と。
実際、心からの力強い拍手であったのは確かでしょう。
そして本作は、『2010年 モントリオール国際映画祭』のコンペ部門に正式出品が決定しており、高橋監督は
「『おくりびと』、『ヴィヨンの妻』に続けるのかというところに関心が行くとは思うけど、このようなメッセージ性が強い映画を選んでくれたことを、今は嬉しく思います」と仰っていました。
主演の萩原さんは、「本日封切の沢山の作品の中からこの作品を選んで下さって、有難うございます」の後、
監督の独自の(モニターのところに座っていない。カメラの横に居る)スタイルに、緊張と共に満足感もあったこと、
新井浩文さんは、終盤の演出に、自分の意見が監督に取り入れられたこと、
石橋凌さんは、先の「ユーロでは3つ程モノが飛んできましたが、、」と笑いを取っていらっしゃいましたが、「時代のせいにして流されてしまうのでなく、間違いを犯す人間としての役作りを心がけた」というような事をお話されました。
そして、出演者全員が、作られるべき作品との思いで作ってきましたとの監督の言葉に大きく拍手と声援が飛んでいました。

これは、今なら考えらない稚拙な捏造と見られる物証と、過酷な連日の取調べの果ての自供だけで、
その検証もないままに死刑が確定するまでを描き、
それを止められなかった前途ある裁判官の、苦悩の日々を映し出すことによって、
いつ私たちに届くか知れない、陪審員への召集に、心の準備は出来ているのか?人を裁くことがどれほどのことなのか?
ちゃんと考える機会を与えてくれるものです。
ぴあの出口調査で、ここ数年で、初めての高評価をつけました。
観るべき作品であると思いましたから。
渋谷ユーロスペース舞台挨拶の記事
「春との旅」「告白」と、既に鑑賞済みですが、コチラの作品が先になりました。
DVD感想も溜まってしまっていますので、簡単に、近日中に
あなたなら、死刑といえますか?
上映時間 117分
脚本 夏井辰徳/高橋伴明
監督 高橋伴明
出演 萩原聖人/新井浩文/葉月里緒奈/村野武範/保阪尚希/ダンカン/國村隼/塩見三省/岸部一徳/吉村実子/大杉漣/石橋凌
1966年に実際に起きた「袴田事件」を基に、人が人を裁くということの難しさを描いた社会派ドラマ

銀座シネパトス舞台挨拶付きの回、観てきました。
その前に、、。本作は死刑判決が確定している実在の事件を題材にした作品であり、
この作品のきっかけとなったのは、当時無罪の確信をもちながら主任裁判官として、死刑の判決文を書かざるを得なかった元裁判官の告発に端を発した、
司法のあり方を問い、(陪審員として)命に関わる全ての人に向けられたドラマです。
銀座シネパトスは、ご存知の方も多いと思いますが、ある意味環境は最悪です。
銀座とは思えない場末感、電車の音、独特の臭い。それでも、
以前、「今日からヒットマン」の時、本当に武田真治くんが?で、「舞台挨拶がコチラであったんですか?」と映画館の方にお聞きしたら、「はい、大盛況だったんです~。」ととても嬉しそうに教えて下さったので、本当にびっくりしたのです。
が、渋谷のユーロスペースよりも時間的に余裕があったので、コチラにしました。
登壇者は高橋伴明監督、萩原聖人、新井浩文、石橋凌さん。
上映後の挨拶とあって、監督の開口一番はこんな重くて暗い映画に、こんなに暖かい拍手で迎えて下さってありがとうというものでした。
劇場の大きさもあるかも知れないけど、コチラの拍手の方が大きくて温かい(笑)と。
実際、心からの力強い拍手であったのは確かでしょう。
そして本作は、『2010年 モントリオール国際映画祭』のコンペ部門に正式出品が決定しており、高橋監督は
「『おくりびと』、『ヴィヨンの妻』に続けるのかというところに関心が行くとは思うけど、このようなメッセージ性が強い映画を選んでくれたことを、今は嬉しく思います」と仰っていました。
主演の萩原さんは、「本日封切の沢山の作品の中からこの作品を選んで下さって、有難うございます」の後、
監督の独自の(モニターのところに座っていない。カメラの横に居る)スタイルに、緊張と共に満足感もあったこと、
新井浩文さんは、終盤の演出に、自分の意見が監督に取り入れられたこと、
石橋凌さんは、先の「ユーロでは3つ程モノが飛んできましたが、、」と笑いを取っていらっしゃいましたが、「時代のせいにして流されてしまうのでなく、間違いを犯す人間としての役作りを心がけた」というような事をお話されました。
そして、出演者全員が、作られるべき作品との思いで作ってきましたとの監督の言葉に大きく拍手と声援が飛んでいました。

これは、今なら考えらない稚拙な捏造と見られる物証と、過酷な連日の取調べの果ての自供だけで、
その検証もないままに死刑が確定するまでを描き、
それを止められなかった前途ある裁判官の、苦悩の日々を映し出すことによって、
いつ私たちに届くか知れない、陪審員への召集に、心の準備は出来ているのか?人を裁くことがどれほどのことなのか?
ちゃんと考える機会を与えてくれるものです。
ぴあの出口調査で、ここ数年で、初めての高評価をつけました。
観るべき作品であると思いましたから。
渋谷ユーロスペース舞台挨拶の記事
「春との旅」「告白」と、既に鑑賞済みですが、コチラの作品が先になりました。
DVD感想も溜まってしまっていますので、簡単に、近日中に

kiraさんもあの場にいらっしゃったのですね。
素晴らしいレポートを楽しませて頂きました。
國村さん目当てに出掛けた作品だったのですが、それを抜きにしても見に行って良かったと思う作品でした。
もちろん!國村さんもよかったですが♪
また遊びに来させて頂きます。
おじゃましました。
ちょっと小さめのスクリーンでしたが、
なかなかいい雰囲気の舞台挨拶でしたね~。
同じタイトルのエントリーを探していて、お邪魔しました。
TBも送ったんですが、コレは禁止ワードに『死刑判決』が引っかかっているのかも知れませんね。
残念ですが、仕方ないです。
コレは出演者全員が、”この趣旨に賛同して"というところに意味があると思います。
あの役、國村さんが買って出られたんでしょうね。贅沢でした。
こちらこそ、また宜しくお願いします♪
数年前、ボクシング観戦の際にこの事件を知りました。
この映画を観る事ができないのは残念ですが、
感想を拝見できて良かったです。
ありがとうございました。
TB強襲、失礼しました。コメント、有難うございます。
鑑賞後、ぴあの満足度調査の後、袴田さんを支援する方たちの
署名運動も行なわれており、遅ればせながら名を連ねてきました。
それにしても、長い闘いです。
一日も早く、自由を取り戻されて、思いっきり走る日が来るように願って止みません。
ご覧になれる日がきますように。
エンタテインメントとしての映画は確かに基本だと思いますが、こういった作品も一つの映画の形であり、それを公開することは社会的意義を果たすことも映画館の役割の一つだと思うのですけど…。
>社会的意義を果たすことも映画館の役割の一つだと
全く、仰るとおり!まるっと同感です。
これはもう制作の時点で、この作品に関わった人が凄いとしか言いようがないです。
もうクチコミに頼らざるを得ない前提ですから。
しかし、コレは見る側もこうした状況を作ってきたのだと思っています。余りにも
こうした作品や社会そのものに関心が薄い大人が多いのも残念なことです。
まるで、子供だましみたいな証拠の捏造や
3人の裁判官による多数決で死刑か無罪かを決めてしまう安易さ・・・。
昔はそれがまかり通っていたんですね・・・。
人を裁くのも人間、裁かれるのも人間。
双方の運命を一瞬で変えてしまう判決の過酷さを突きつけられたような思いもしました。
きっと映画の公開自体を知らない人も多いのかもしれませんね。
こういう作品こそクチコミで広げていかなければ。
私はこの事件を知らなかったのでこの作品を鑑賞しただけでは
簡単に事実を判断できないのですが高橋監督の「冤罪である」という姿勢で製作した姿勢を評価したいと思います。
監督自身が「観る側に委ねる、という作り方はしたくなかった」と語っていたのがとても印象的でした。
熊本氏のような方にこそ司法の職に携わっていただきたいですよね。
お返事が遅くてゴメンナサイ
教師や裁判官、医者。
ヒトの人生を左右する職業に、ナゼ就いたのか!?
解せない人はたくさんいますが、
こういう舞台裏を知ることもまた私たちには必要だと感じさせてくれますよね。
裁判員制度についても、人事ではないと、
やはりこういう作品は作られるべき、そして観るべき作品だと強く感じました。
申し訳ありません!
こういう作品こそできるだけ多くの方に観ていただきたいと、
頑張ってTB先も探したりしましたが、
やはりナンといっても宣伝に尽きるのでしょうか?とても残念です。
昨日はやはりマイナーな作品を観にいってきましたが、
館内放送で「大ヒット記念・・」とかいってました。平日にも関わらず、
その小さな映画館にはヒトが押し寄せていました。コレはネットやクチコミ効果だと思いますが。(「ぼくのエリ」)
こういう真面目で現実を突きつけられる作品であっても、
誠実に映し出した制作側の熱意が皆に伝わって欲しいと思うばかりです。