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to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

シューシャインボーイ

2010-11-03 21:49:14 | TV dorama
戦災孤児から一代で会社を築きあげた男と、新宿大ガード下の靴磨きとの絆を通して戦後を生きた人々の思いを描く、切なく、ちょっぴりほろ苦い大人のファンタジードラマ。

テレビ東京 初回放送2010/3/24
【原作】浅田次郎(文春文庫刊) 「シューシャインボーイ」「月島慕情」所収
【脚本】鎌田敏夫
【監督】石橋冠
【音楽】本田聖嗣
出演/西田敏行/柳葉敏郎/安田成美/星由里子/余貴美子/大滝秀治
塚田文雄(柳葉敏郎)の以前の仕事は地銀の課長職。都銀との合併時に、部下や同僚の肩たたき役を命じられた。塚田は、組織や人の冷たさを感じ“こんな世界で生きてきたのか”と、出世コースが約束されていたにも関わらず自らも退職。半年前から、食品会社「アカネフーヅ」の社長・鈴木一郎(西田敏行)のお抱え運転手として働いている。
ガサツに見えて繊細で、剽軽なところもある一郎。ころころ態度が変わる一郎と毎日を過ごすうちに塚田は、人の温もりを感じるようになり、今では帰宅後、妻の敬子(安田成美)にも楽しそうに仕事の話をするほどになった。

ある日、一郎の持ち馬『シューシャインボーイ』が競馬レースで勝利した。しかし一郎は祝賀会にも参加せず、さっさと車に乗り込んでしまう。新宿“角筈の大ガード下”へ行くよう指示された塚田は、言われるままに新宿へ・・・。一郎の目的は、そこにいる初老の靴磨き(大滝秀治)に靴を磨いてもらうことだった。余程この靴磨きの腕を買っているのか、その靴磨きのいる新宿まで、週に一度は通っている。
一郎がそこまでして通い詰める理由が気になっていた塚田は、夫婦で一郎夫妻宅に招待された日の帰り、敬子とその靴磨きを訪ねることに。靴を磨いてもらいながら一郎との関係を聞いてみるものの、“知らない”という返答しか得られなかった・・・。


何気なくチャンネルを切り替えたらやっていたドラマ。凄くよかったです!
ギバちゃんも、西田さんも、どちらかというと苦手な俳優さんですし、変に予備知識もなかったので却って良かったのかも?
苦虫を噛み潰したようなギバちゃんも、憂えるサラリーマン、塚田を好演していましたし、
何といっても西田さんの暑苦しいエネルギッシュな一郎が、泣いても怒っても、すばらしい。
頑ななまでに一靴磨きとして座り続けるキクジの大滝さんはもう、代わりの居ない味がありました。

何といってもこれはセリフがいいです。
役者の力量もあるのですが、
確かにストーリーの中で凹み、苛立ち、喜ぶ人物のセリフとして生きている言葉として発せられています。

時として人は、仕事や会社に傷つけられる。
会社の利益の為、存続のためのリストラ、それをやるひとも必要なのだ。しかし、それを捨てる選択肢もまたある。
その選択に敗北感もありながら、少しずつ喜びを感じていた塚田。
そして出会った一郎は、大切な人に拒まれている男だった―。

     
一郎が心に刻み、糧としてきたキクジの言葉。
「お前だけが頼みの綱なんだ」
それは当時子供だった一郎には理解できず、ただ人より高いところに立って、成功して、迎え入れようと、、
なのにキクジのために買った豪邸にも、一郎の親にもなってくれない……。

「俺は親に二度捨てられるのか?」一郎はどうしようもなく、そう詰め寄ります。
「だったら二度忘れりゃいい」と、キクジは答えるんですね。。。

塚田も心に傷を負って、逃げ出した人間なら、
キクジは自分が悪いわけでもないのに、心に痛みと敗北感と、云うに云えない雪辱を胸に生きていた男なのですね。
お前だけが頼みの綱―
その真意はラストの手紙の中に読み取れます。

初回放送は今年の3月で、今日は再々放送だったんですね。
ソウル国際ドラマアワードのグランプリを受賞した作品らしいです。
一郎の引き際などはちょっとキレイ過ぎる気もしますが、
絆を結んだ人のぬくもりに焦がれ続ける男の姿を通して、家族の姿をもキチンと描き、
そしてその絆は、ちゃんと受け継がれていくという、素敵なドラマでした。

視聴できるサイトがありました。興味のある方は是非コチラ

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