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to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

銭ゲバ 最終回

2009-03-16 00:58:35 | TV dorama
貧しく不幸な生い立ちのために、金しか信用しない”銭ゲバ”となった青年の姿を通し、幸福とは何かを問うエンターテインメントドラマ
日本テレビ系 毎週土曜21:00-21:54
原作:ジョージ秋山ほか
脚本:岡田惠和
演出:大谷太郎、狩山俊輔
主題歌 かりゆし58「さよなら」
出演:松山ケンイチ/ミムラ/宮川大輔/木南晴夏/石橋杏奈/光石研/りょう/椎名桔平ほか
銭ゲバ 9回 幸せはどこにあるズラ?
死を決意し、ダイナマイトの導火線に火をつけた風太郎(松山ケンイチ)。
なぜ彼は、自らの命を消そうとしているのか?
チリチリと燃えていく導火線の炎を見ながら、風太郎はある夢を描きはじめる――。


先週のあそこが、風太郎の最後の場所になると予測していましたので、
後は回想シーン(少年時代と、ここで彼が死んだ後の人々)が多くなるのかなぁ~と思っていたので、
半分は予想通りでした。

だけど、もう1つの物語が、あのように展開されるとは思わなかった。

蒲郡家の不幸の原因、健蔵は会社をクビになっておらず、従って貧乏ではない。
桃子の薬袋にはちゃんと薬が入っていて、もちろん風太郎は目に傷もない。
母からちゃんとお小遣いも貰っていて、たまには友達とディズニーランドにも行く。
大金が入った札入れも拾って巡回中のおまわりさんに届ける。(.....ことが出来た
大学では痣のない明るい茜と知り合い、あのトモダチと楽しく過ごし、共にバイトもし、
それから、卒業したら緑と同じ会社に勤め、初任給で健蔵に酒を奢る―
双方の家族に祝福され、茜と新しい家族を得る・・そんなもう一つの人生

そうなのだ。あの雨の夜から出直すのは辛すぎる。。。。
あの雨の夜が来ない、一人ぼっちで母を看取ることのない状況が、彼の幸せの原点。
桃子は手術を受け成功し、元気になる。
あの大勢の亡くなった人達も、自分の周りで幸せに生きている――そんな幸せな人生。
彼が最期に願ったもの―罪を犯さなかった自分。ささやかな幸せ。
だから、伊豆屋に金を送った。
彼らに、自分に訪れたあの雨の夜の悲劇がこないようにとの願いだったのではないかと
思ってみる。

先の見えない不況の闇。
その中で生まれた一つの不運は、なぜ不幸な連鎖になるのか。
この世で護るべき大切なものの為に、誰もが少なからず心に傷を負い戦う戦士。
極端な生き様を通じて投げかけてきた「幸せになるために・・」
或いは「不幸になるための、」ある男のドラマ。
少しあっけなかったけれど、説教臭くしたくなかったんだろうなぁ~と感じた最終回。
苦しかったけど、毎回惹きつけられ、どういう風に救われるのか見守っていました。
松山ケンイチくん、本当にお疲れさまでした....

 いつも苦しいドラマでしたが、この曲に救われた気がする
コレを書き終えて、公式のブログに書かれている松山君のコメントをみたら、
なんだか涙が止まらない・・
突っ走り続ける風太郎を演じる為に、修正を入れたくなかったという役者の姿勢を
少ない言葉に感じることが出来ます。
映画も良いけど、毎週のドラマは楽しみでした。本当におつかれさま!

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4 コメント

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得られなかった父性 (ぺろんぱ)
2009-03-16 19:57:38
こんばんは。

終わってしまいましたね・・・風太郎の為にも早く「人生の決着」をつけてあげたかったのは確かですが。
それにしても壮絶なラストでしたね。

>「もう一つの物語」

Kiraさんの文章を読んでて、再び泣けてくる思いです。
あんな人生が用意されていて然るべきだった少年・風太郎くん。一度は愛し合った両親がいて彼が生まれてきたのですものね。
自分と自分が葬った人間たちを本当は救いたかった風太郎の思いに、泣けました。

>一人ぼっちで母を看取ることのない状況が彼の幸せの原点

失くした母親の母性よりも彼が本当に求めていたのは「最初から得る事のなかった父性」なのかもしれませんね! うぅ、、、Kiraさん、また泣けてきました。


壮絶な死の前にプレイバックした時の、あの不敵な笑みと世を呪う言葉。あのどす黒い錘のような言葉と、伊豆屋の人たちに残したピュアな言葉と、どっちの世界を携えて彼は逝ったのでしょうか。
・・・どっちの思いも持って行ったのかも知れませんね。傷に支配された心とそうでない心と
両方をずっと引きずったままで・・・。

Kiraさん、毎回Kiraさんのレヴューが楽しみでした!
本当にありがとうございました!!
私もKiraさんと一緒に、松山ケンイチくんにご苦労様って言わせて下さいね。



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Unknown (JoJo)
2009-03-16 21:18:04
Kiraさ~ん、こんばんは!遂に終わってしまいましたね、ドラマと共に蒲郡風太郎の一生が・・・。最終回は、正直ちょっと消化不良気味なところもありますが、非常に見応えのある作品でした。

松ケンちゃんは、非常に冷静ですね。あの年齢で珍しいほど大人であり、知的だといつも驚かされます。視聴率はいまひとつでしたが、観た人の評価はかなり高いし、いい意味での影響を与えたと思います。

ところで、上記の天国からの~、わたしも以前やったことがあります。わたしも80代で、しかも足の指の怪我がモトで往生するようです(笑)これ、なんだかほのぼのしちゃうんですよね、本当に未来の自分に言われてるみたいで!
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ぺろんぱさん* (kira)
2009-03-17 19:24:18
不謹慎ですが、なぜかもっと生きて欲しいという想いも、
心の中にあって・・しかし、もう生きることは出来なかったですよね。

こんなに冷酷で、自己中心的な犯罪を重ねてきたわけですから、
本来同情の余地はない筈ですので、
製作側としても、壮絶なラストを用意せざるを得なかったし、また、
逆説的にせよ、メッセージを発信する目的の作品、マツケンの起用だったわけで、
あの「もう一つの人生」の構成は良かったのだという気がしています。

>失くした母親の母性よりも彼が本当に求めていたのは
>「最初から得る事のなかった父性」なのかもしれませんね
そうでしたね!
流石はぺろんぱさん~終盤から健蔵にやけに甘い風太郎が気になっていました。
最終回ではあの妄想シーンの別人のような健蔵を、
実は風太郎は求めていたのだと知らされますね、、、

風太郎のお金で新しい出発、修復ができた二つの家族が、
「それでもお金がなければ幸せになれない場面」をさりげなく象徴して終わったのが、
考えさせられるラストでした

録画したものをみて、いつも遅い記事アップでしたが、
こんな拙い記事を楽しみにしていてくださって
こちらこそ有難うございました
なんだか、終わってしまって気分は虚ろです~(笑)


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JoJoさん~* (kira)
2009-03-17 19:41:57
こんばんは~、終わっちゃいましたね~

>最終回は、正直ちょっと消化不良気味なところもありますが、
うん。
最初、ちょっと肩透かしかな~と思いましたが、
恐らく善悪よりも、風太郎の「心の闇」と「罪の意識」がクローズアップされる気はしていました。

なので、これまで重ねてきた報いは受けるけれど、
彼の願望が詰まった「もう一つの人生」を描くことで、
取り返しのつかない人生を強く印象付けたのは
説教臭くなく、
同時に切ない、犯罪者になってしまってその道を引き返せなかった風太郎の本来の気持ちが現れていて
最近のドラマのラストとしては、かなり良かったと思います

JoJoちゃん、足の指の怪我ー(笑)
もう、絶対気をつけてねっ
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