木のつぶやき

主に手話やろう重複の仲間たちのこと、それと新聞記事や本から感じたことを書き込んでいきます。皆様よろしくお願いします。

第4分科会「手話通訳者の養成」報告(上)

2009年02月16日 00時28分21秒 | sign language
第1日目は3つのレポート発表と質疑
(レポート1)手話通訳養成校卒業生の統一試験受験機会完全保障への取り組み(2)
   (木村晴美さん&高島良宏さん;東京都)
■昨年に続いての同テーマによる発表とのこと。専門学校修了生の統一試験受験への道は開かれたように見えたが、全日ろう連通知文書の「修了証明の提出」という条件がネックになって、現役つまり「修了見込み者」がまだ受験資格を得られない場合があるということで、このハードルも取り払って欲しいとのレポートだった。討論集会をろうあ運動に直結させて、全日ろう連を動かすパワーには頭が下がる。また、発表冒頭に「ここは養成を議論する分科会だから読み取り通訳は不要だろう」と、事務局からの「発表者の地元で読み取り通訳をつけて欲しい」との要請を断ったあたりも木村さんの気合いを感じました。
 もちろん事務局としては「分科会報告作成のために筆記する必要から”読み取り通訳”をお願いしているのは分かるのですが、「地元の方、読み取りお願いします。」って辛いものがあります。東京なんかなかなか手が上がらなかったんですがそもそも「東京」でくくることにムリがありますよね。23区26(?)市あるんだし・・・、地方出身者も多くて手話もバラエティに富んでるし。
 それにある地区の「読み取り通訳者」なんかは「地元」とはいえさっぱり読み取れなくて発言したろう者が何度も話を繰り返してました。それでもしどろもどろな読み取りで、「養成の分科会なんだから読み取り通訳は不要だろう」と発言した木村晴美さんも「そうとも言えないか・・」と思ったかも・・・。

(レポート2)手話通訳者養成の運営(三重県プロジェクトチーム)
■三重県の報告は、(1)市町村の奉仕員養成と県の通訳者養成の間の技術レベルにギャップが生じていている問題、(2)カリキュラム上の「実習」現場確保の困難さ、(3)講師確保の問題、(4)講座会場の物理的な問題(遠い)、など私の地元で抱えている問題と共通点が多く共感を持って聞いた。

(レポート3)千葉県における養成事業運営と実技指導講師養成・登録制度について
■逆に千葉県は「先進県」として、今後私たちがめざすべき仕組み「講師養成・登録・派遣制度」の充実について大変参考になる知識(事例)を与えてくれた。

第2日目午前中9:00~10:00
討議の柱1「地域で手話通訳者を育てるためには、どのような仕組みが整備されているか?」
■午前中1コマ目は養成講座(基本・応用・実践)修了後、統一試験に落ちた人のフォローアップの問題を中心に議論になりました。
北陸のある県からは「養成講座として(統一試験に落ちた人を)再受講者として受け入れると、どんどん受講生数が増えていってしまう。」という問題提起がありました。

私の地元でも本来は今年度(2008年度)から「イルカの学校」として統一試験再受験者のための講座を設置する計画でしたが、他の大きなイベントの準備のために先延ばしになっています。そのため者養成講座の卒業生の自主的な勉強会が認められるようになりました。しかし、毎年15~6名が受験して合格者は数名ですから、自主勉強会のメンバーは2年で20名くらいになってしまいます。3年目の修了生を受け入れるのかどうかは、けっこう深刻な問題です。

私が驚いたのは「再受験に備えて、県ろう協独自の制度外手話通訳派遣制度への登録をしてもらって、そこで経験を積んでもらうという」という地域が北と西の割と大きな都市で行われているということでした。
また、関西の有名な地域では養成講座の実習への参加を呼びかけているという報告がありました。これも驚きましたが受講料を取ってない地域なら可能かもと感じました。
「手話通訳者」の定義づけも実に様々であることを再認識できて良かったです。

10:15~11:30
討議の柱2「奉仕員および通訳者養成の相互を関連づける運営方法」
■2コマ目はちょっと議論が右往左往したのですが、基本的には奉仕員養成(入門・基礎)と手話通訳者養成(基本・応用・実践)との関係について議論されました。

1コマ目にも私の隣の県から「市町村手話講習会と県養成講座のレベルの差が広がり、市町村で奉仕員養成講座修了後にレベルアップ講座を設置しようという地域が出てきた。県としても通訳者養成講座3カ所のうち2カ所を準備コース(者養成講座を受ける前のカリキュラム)に再編する予定である」との報告があり、とても参考になりました。

また同じ地域からは「基礎課程を十分にマスターできてないのではないか?」という問題提起がなされました。中部地方の方からも「以前のこの分科会で入門と基礎との間に新たなカリキュラムを設ける必要があるのではないかと提案したが・・・」との意見がありました。

私も今の厚生労働省カリキュラムの一番の問題点は「基礎課程」にあると感じています。
(午後につづく)
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