観るも八卦のバトルロイヤル

映画・ドラマを独断と偏見(?)で、
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編集者をなめてるんじゃねーよ「いつもふたりで」

2006年11月11日 | 映画・ドラマ
 始まりのタイトルバックの坂口憲二と松たか子。もうドラマを凝縮していて、どんな結末か分かってしまうけど、2人が可愛いから許す。
 作家志望の瑞穂(松たか子)。26歳にして夢を追い掛けてのアルバイト生活。26歳なら夢を実現させているか、現実を見つめて諦めてもいいんじゃない。甘いよ。しかも作家になるには「東京に行かなければならない」とか、「強く願えば夢は叶う」とか、何言ってるんだよ、この田舎者め。
 しかし、逞しいからこれは見なかったことにしよう。
 東京で転がり込んだ幼なじみのハチ(坂口憲二)のマンション。代官山だか何だか知らないけど、若手放送作家があんな何部屋あるか分からないようなでかいマンションに住めるもんか! しかし、これも実家が資産家ということにしよう。
 それにしてもあの部屋の悪趣味さ加減はいかなるものか? 原色ビンビンで色分けされて、「お前はタイの王様か」(タイのラマ何世かは忘れたが「ブゥイメンマーク宮」をぶっ建てた王様は側室の管理する地域を色分けしてたのだ)。
 そして本題はこれから、作家志望で売り込みをするところは偉い。しかし、どう評価されようとも頑に自分の才能を信じてるってはっきり言ってバカだよね。自分にとって耳が痛いことに眼をつぶっていては成長しない。作家を諦めて正解。
 しかし、飛び込んだ出版社で即採用。「あり得ねー」。一体どれだけの若者が出版社に入社したくてしのぎを削っていると思っているんだ。この脚本家は。
 しかし、これも「いい女」には例外。いい女はそれだけで、このドラマのような幸運に有りつけるのが、日本の現実さ。だから、瑞穂が出版社の社長秘書として採用されたのは認めよう。
 だが、これが、いつの間にか敏腕編集者になっちゃうのだ。ずぶの素人がさ。こんなのあり得ない。そう考えても無理だ。いくら作家に気に入られても、本が好きでも、本作りのいろはも知らず、編集はできません。第一、文字校正できるのかよ。
 この下りは、世界の全編集者に対するボウトクだ。そんな甘いもんじゃないぞ。
 これがストーリーへの意見。
 登場人物となると、坂口憲二ってもっと演技上手いと思ってたけど、案外…。こういう役が難しいのかも。しかし、いい男だよね。坂口ではなくてハチも人柄もいい男として描かれているけど、自分から好きで好きで、ほかの男を好きだった央子(長谷川京子)にお願いして付き合ってもらったのに、「瑞穂のことが好きだからもう付き合えません」だと。女をなめてるんじゃねー。自分の行動に責任を持て。失敬な奴だ。
 瑞穂が勤める出版社のおぽんち社長を柏原崇が演じていたが、病気降板のため第3話より葛山信吾が代役を務めたが、葛山も良かったのだが、遊び人でいい加減で、軽ーい、だめ社長ぶりは柏原の印象が強かったので、ちょっと気が抜けた感じに成ってしまい残念。
 瑞穂の祖母役のおばさん。最近いろんなドラマで顔を見るけど、エキストラの人じゃなかったんだね。
 個人的には瑞穂の高校時代の同級生で佐藤仁美って言う女優さん? この人の演じたキャラが好き。物事はっきりしていて、何事にも自分優先させて、しかしそれが我侭ではなく、押さえる時はきっちり押さえ、人の痛みも分かっている。
 ということで、ドラマ自体は流れは読めるが面白いといったものだった。松たか子が上手い。