観るも八卦のバトルロイヤル

映画・ドラマを独断と偏見(?)で、
斬って斬って斬りまくる。
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「殿様風来坊隠れ旅」葵の殿様に不可能は無し

2006年07月24日 | 映画・ドラマ
 「三匹」には劣るが、11代将軍候補の紀州大納言・徳川治貞と、尾張大納言・徳川宗陸が将軍になるのを嫌い、逃げ出して諸国漫遊の旅という、ダイナミックかつ無責任お茶の間ドラマの決定版的ストーリーが大好きだった。
紀州の殿様に三田村邦彦。尾張の殿様に西岡徳馬。毎週、終盤の正体を明かす時が、これまた痛快で、浪人や商人だった筈の2人が着物を脱ぎ捨てると、下には豪華絢爛、葵の御紋が燦然と輝く、殿様お召し。あんな凄い着物重ね着してたらかさばるだろうに。さすが御三家の殿様だ、髷だって一瞬にして結い直しているのだから。
 「死して屍拾う者なし」の「大江戸捜査網」だって歩いている間に結い直していたけど、御三家の殿様よりは時間が掛かっていたものね。
 さすが葵の殿様のやることには抜かりがねーや。
 この、クライマックス。分かっちゃいるけど止められないってやつで、「どうして人ごとなのに(ましてや作りもの)なのにこんなに心がときめくのだろう」。これが日本人としての血ってやつなのか…。
 あまりにクライマックスが痛快なのと、殿様2人が旅をするという発想にときめいて、ほかの出演者の印象が全くないのは私だけだろうか。
 是非、リメイク版作ってほしいな。
 旅の途中で「三匹」に出会ったりとかのサプライズもほしかった。

「三匹が斬る!」隠密は過去さえも変幻自在

2006年07月24日 | 映画・ドラマ
 時代劇フリークの私が自信を持って「日本時代劇の最高峰」と称するのが、「三匹が斬る!」シリーズ。
 簡単に言えば、千石こと役所広司、殿様こと高橋英樹、たここと春風亭小朝の3人が全国漫遊の旅の道中悪投退治といった単純かつ明快なもの。全国漫遊の悪投退治は、水戸の人の方が有名が、このシリーズは、とにかく楽しい。観ているだけで元気になれちゃう。痛快時代劇の何ふさわしい逸品。 途中、殿様が抜けて、若こと近藤真彦が入ったりの出入りはあったが、「続三匹が斬る!」とか「またまた三匹が斬る!」とか続編も初回からつながりがあるところもまたいいのだ。
 大抵、続編というのはトーンダウンしていくものだが、「三匹」は前回にも増して面白さアップ。
 しかし、千石の正体が、こうぎ隠密だったと最終話で明かしているが、ちょっと待った。確か彼は、船乗りか漁師じゃなかったか? それで身分違いの武家の娘に恋をして、その憧れの人の姓を名乗っていたという話があったぞ。
 漁師から隠密への路を進んだのか? 
 昨今の時代劇を観ていると、「どいつもこいつも立ち回りが下手で、観ているこっちがハラハラしちゃう」が、さすが、高橋英樹は上手い。悪投を斬った後の顔付きといい懐紙で刀を拭って鞘に納める動作といい、これぞ時代劇なのだ。やはり時代劇はそんじょそこらの若手じゃ駄目。おっさん俳優が演じてこそ深みが出る。
 もし、全集DVDなんてものが発売されたら間違いなく買うな。