かんじゃまのつぶやき(海の見えるチベットより)

日本一細長い四国佐田岬半島での慣れない田舎暮らしの日常や風景、
  そして感じたこと、思い出などをひとコマひとコマ

石仏・石塔見て歩き(20:五輪塔その4)

2012-02-27 13:30:21 | 田舎の歴史
地区に残る五輪塔で概ねその全容を留めているのは3基あり、
その他には、パーツの残骸が残っているだけというのがいくつかある。
そして、この度新たな場所で残骸らしきものを見つけた。



2つとも丸い形をしており、おそらく五輪塔の「水輪」だと思われる。
左上の苔むしたのは結構大きく、33cm×24cmほどある。
岩石は安山岩のようで、山口県から運ばれたものだろうとみている。
そして、それの右下にある小ぶりなものは、質感がゴツゴツしており、こちらは火山礫凝灰岩のようだ。
こちらは片側(写真下側)がやや直線的になっていることから、五輪塔てっぺんの「空輪」の可能性もある。
ちなみに、大きい方も完全な球体ではなく、上下がやや直線的に切断されており、
片側はこんな風に、中心にかすかな突起(ほぞ)がある。


おそらく五輪塔を組み立てる際、安定性を保つための工夫だと思われる。
2つのパーツの石質が異なることから、本来は別々の五輪塔の一部であったと思われる。
きっとかなり古いものだろうと思う。
(おそらく江戸時代初期ないしそれ以前)

さらに、これらの近くには、こんな残骸もある。


すぐそばに仏像の顔があるが、それとは形が違っており、顔とは思えない。
かなり風化・破損しているものの、小さな突起があることから、
五輪塔てっぺんの宝珠=空輪だろうと思う。

そして、わからないのがこれ。 


石臼の残骸のようにも見えるのだが・・・・・?

なんといっても、自己満足的発見が これ! 


上記の残骸とは別の場所で見つけた。
しかも2基ある。
双方 使われた岩石は同じで全体の風貌も似ているのだが、
各パーツの形状や寸法が少し違っている。
ちなみに右の五輪塔は高さ37cm、左は31.5cmというかわいさである。

なぜこれが自己満足的発見かというと、
両方とも1つの岩石から彫り出された“一石五輪塔”だということだ。
岩質が同じで類似の形状のものは町内で10基ほどしか確認・報告されていないようで、当地のものでも破損して半分だけの残骸は報告されているが、この2基の報告はない。
残念ながら、かなり風化が進んでおり、2基とも上部で割れている。
文字が見当たらないので、いつの時代のものかわからないが、
かなり古いものだと思われる。
江戸時代以前の造形物の可能性がある。
ムフフ


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