かんじゃまのつぶやき(海の見えるチベットより)

日本一細長い四国佐田岬半島での慣れない田舎暮らしの日常や風景、
  そして感じたこと、思い出などをひとコマひとコマ

僕のTシャツ(1)

2007-09-23 14:01:14 | 旅行
昨年から田舎に住み始めて、夏場の3~4ヶ月間は、一日中短パンにTシャツといった格好で過ごすことがほとんどである。サラリーマン時代は、仕事に出るときは背広姿だったので、とても考えられないスタイルである。だから、今はほとんどクリーニング代がかからない。
思えば私は旅行に行った時など、記念にTシャツを買うことが多かった。それで、夏場はそれらのTシャツを今でも着ているわけです。そのほとんどが、いわゆるプリントTシャツなものだから、奥さんには少々小バカにされている感じである。そんな奥さんが、先日「Tシャツのことをブログに書いたらどう?」と言うものだから、私もその気になり、我がTシャツたちに日の目を見させてあげようと思うようになった。私のブログは、何も特徴がないので、せめてこのTシャツにまつわる話をシリーズ化しようという甘い考えがのし上げてきた。
というわけで、この半島生活とは何の関係もないのですが、ヨレヨレのTシャツとともに、それを買った時の旅の思い出などを少しずつご紹介していきたいと思います。

そこで、今日は第一弾。ネパールで買ったTシャツをご紹介します。
図柄にはネパールの代表的な山のひとつマチャプチャレの他、夾竹桃や寺院が描かれています。このTシャツは、今ではずいぶん色あせてしまいました。そして、縫製がやや稚拙で、買ってすぐに脇のところがほつれてしまい穴になっている。
初めてネパールへ行った時は、標高の低い所だけしか行かなかったので、はるか遠くに見えるヒマラヤの山々がとても気になり、次回は少しでもあの山々に近づきたいと思った。そして2回目のネパール旅行は、そのヒマラヤ山脈のひとつアンナプルナ方面へのトレッキングを目的に、友達を誘って出かけた。

トレッキング中は全てテント生活で、避暑地で有名なポカラから12日間かけてアンナプルナ内院を往復した。ところが、トレッキング2日目にひどくお腹をこわし、朝から何度も“きじうち”する羽目になった。そして、お尻を押さえながら恐る恐る歩くという、しんどくも恥ずかしい体験をすることになったのである。とにかくその日は、お腹から下が別人格になっており、お腹に巣食った悪魔を呪ったものである。   でも、同じ食事を摂ったはずの友人は、なんともなかった。
その時、ネパールのガイドは、「昨夜の水牛のミルク入りスープが悪かったのだろうか」と言ったので、私もきっとそうだと思った。私は、牛乳がダメで、大汗をかいた時などビールも美味しいが、冷えた牛乳も美味しいだろうなあと思うのだけれど、後が怖いので飲めないでいる。だから、自分は1日に1~2リットルの牛乳を飲みます、というようなことをいう人は、私にとって「信じられない」ことなのである。
そんな半病人状態でのトレッキング開始だったが、その日のルートはほとんど緩い下りだったのがラッキーだった。幸い、翌日はなんとか回復し、それ以降無事にトレッキングを続けることができ、ヒマラヤの山々に圧倒され、とても楽しい時間を過ごすことができた。
頂上付近が「魚の尾っぽ」のような形をした、憧れのマチャプチャレを存分に見ることができたし、アンナプルナ山塊のふところに入り、360度のパノラマも堪能できた。それまでの自分の最高到達点は、富士山の3,776mだったので、このアンナプルナ内院トレッキングで4,100mまで行ったので、自己記録の更新であった。さすがに、4,000m付近では、一度地面に腰を下ろすと再度立ち上がるのが億劫になる、簡単な計算をするのさえ面倒になる、などの軽い高山病にはなったが、頭が痛くなるということはなかった。

こうして、しんどくも楽しいトレッキングが終わり、ポカラのホテルに帰ってきた時は、いの一番にシャワーを浴びた。11日間シャワーを浴びていなかったので、身体をつたって下に落ちる水は、すぐに泥水のように黒くなった。その水の色の変わりようを見るだけでも気持ちよく、シャワーを浴びながら生まれて初めてくらいの爽快感を味わった。 
そのあとは、友人と「さあー ビールだ!」と叫びながらポカラの町に出て行った。
こうして、私のネパールへの憧れは決定的なものとなった。