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サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

142日目「田中一光ポスター1953~1979(ギンザグラフィックギャラリー)」銀座

2010年02月02日 | 姪っ子メグとお出かけ
姪っ子メグ さっきのフィルムセンターの「戦後フランス映画ポスターの世界」だけど、今回は前期だけど1940年代が中心だったわね。おじさん見てるの?
キミオン叔父 いやいや、ちょこちょこ見てるのは50年代半ば以降かな。それももちろんずっとあとにね。まだまだ名作DVDは出てないんだよな。
今回は、ほとんどがフランスの原ポスターね。ちょっとだけ、日本版が展示してあった。でも、大型ポスターがほとんどだったけど、なんか日本のポスターより一回り大きいサイズのような気がしたけど。
そうかもしれないね。詳しくないけど、雑誌でも洋物サイズがあったでしょ。日本ではB全ポスターが基本になってたりするけど、基本のサイズが違うのかしらね。縦にすごく細長いのもあったし、なんか地下鉄に貼られてもおかしくないようなサイズもあったね。
フィルムセンターてっさ、4万5000枚以上のポスターを所蔵してるんだって。これ、アーカイブになってて、PCから覗けるのかなぁ、ちょっとチェックしてみよう!
戦後のGHQの指導があったのか、外国映画の輸入は、限定して許可してたんだって。フランス映画にはフランス映画輸出組合日本事務所(SEF)として設立された機構が洋画配給会社・新外映になって1963年まで存在したらしい。そこが所有していたものらしいね。
映画は見てないけどあたしが好きだったのは、ジャック・ベッケル監督の『幸福の設計』のポスター。
ああ、あの地下鉄の路線図を織り込んだモダンなやつね。いっさい、俳優のスケッチはないんだよな。日本版の方は、男女の役者絵がメインになってたけど。これ、何人か、専門のポスター画家がいたんだけど、芸術としてみても面白いよねぇ。日本のポスター画の人たちも、というよりアートグラフィックの先達なんかが、刺激を受けただろうな。
でもさ、先日野口久光さんのポスター展に行ったけど、彼は欧米映画もアメリカ映画もやったけど、まったく遜色ないというか、あらためて凄い人よねぇ。原画ポスターに全然ひけをとってないものね。



映画ということじゃないけど、日本のポスターとしてはやっぱり田中一光さんだな。
亡くなられたのが2002年だけど、この大日本印刷関連の財団法人DNP文化振興財団に12万点に及ぶ彼の作品や資料が寄贈されて、アーカイブになってるのね。
大日本印刷は、昔はよくいっしょに仕事したりしたけどね。この銀座のギャラリーも古いけど、大阪にもあるし、最近福島の須賀川市にも立派なアートギャラリーを建造してる。
最近は、いろいろDNPによるM&Aも盛んだし(笑)
この銀座のビルは結構新しいけど、実は大日本印刷の前身の会社が銀座で産声を上げて、ここにビルを建てて、戦災にも奇跡的に生き残ったらしい。そのメッカの場所をギャラリにしたんだよね。
ふーん、そうなの。田中一光さんって、あたしは同時代じゃないけどさ、やっぱりアートグラフィックの草分けみたいなところあるよね。そのなかでも、舞台とか、演劇とか、コンサートとかのポスターが目立つよね。独特のタイポグラフィーの使い方と色使いの見事さ。
デザイン史でいえば、「産経観世能」を長年おやりになっていて、これがその後のデザイナーたちにどれほどの影響を与えたことか。いまのデジタル印刷術じゃないからね、現場もその色指定が刷り上って出てきたときには感動に震えたらしい。
それと、元気な頃の西武関係の美術展とか舞台とかのポスター戦略を、総合的にまかされている。なんかバブルとか言われた時代でも、やっぱり勢いがあったわよねぇ。堤清二さんたちの文化戦略。
そりゃ面白かったよ。若いアーチストもどんどん採用してさ。渋谷も池袋も変えちゃったわけだし。
いまはどうなのかしら。東京で言えば、東急ぶんか村あたりがそのあたりの役割をやってるのかな。ちょっと保守的で教養主義の匂いがプンプンしすぎるけど(笑)
パルコも頑張ってはいるけど、ヴィジュアル戦略は減衰したな。
田中一光さんは、やっぱりアートディレクターの走りというか、ご本人もデザインされるけど、和田誠さんとか横尾忠則さんとかのイラストレーターを若い頃に大胆に起用なさっておられて。あとは、国際的にも、日本のデザイン界の協会窓口活動で重鎮を勤めてこられて。
一方で、民音とかさ、あまり予算がなさそうなところの仕事も面白いことができるということで、精力的にやってこられて、当時の関係者の熱気が伝わってくるよな。


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