サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

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405日目「小津安二郎の図像学(東京国立近代美術館フィルムセンター)」京橋

2013年12月15日 | 姪っ子メグとお出かけ

姪っ子メグ おじさん、先週松阪に帰ったんだって?
キミオン叔父 ああ、久しぶり。ちょっと墓参りもしたくてさ。
おじさんの生まれた伊勢市岩渕町。宇治山田駅からすぐだけど、そこから少し歩いたところだったよね。
外宮に近いから、昔の同級生と地元の情報誌のオーナーとまず食事して、外宮を少し歩いて、そのあと、墓地まで。メグも行ったことあるけど、伊勢の駅前から外宮までの参道が、昔とずいぶん変わってさ。式年遷宮もあったし、面白そうな店が新しくたくさんつくられている。ぱんじゅうとか、赤福とか、とにかくいろいろ食べ歩いて、宇治山田の駅近くではもちろん伊勢うどん。「ちとせ」というとても古い店だけどさ、オジサンは四歳まで宇治山田で育ったけど、この店のすぐ近くなの。それで、今回、その頃の記憶が少し甦って来てさ、面白かった。
翌日が松阪?
その日中に松阪に戻り、姉貴の家に泊まらせてもらって。松阪では夜にフェイスブックでお知り合いになった地元の人と食事会したの。会うの初めてなんだけどさ、面白かったよ。
地元でオフラインか。
昼間は、小津安二郎の生誕110周年、没後50年の記念事業の一環で、産業振興センターでいろいろ資料展示していたので見てきたよ。
ふーん。どんな展示だったの?
大正2年から大正12年までの十年間。まさに小津の青春時代。もともとは有名な商家だったけど、父親の方針で東京から父の実家の松阪に引越しした。その頃の彼が経験したであろう町並みの写真とか、彼の日記とか、その頃はどこの町にも映画館があっただろうから、彼に影響を与えた映画館の資料とか、いろいろ。
前におじさんと小津安二郎青春館に行ったよね。外観がまさに、当時の映画館のような雰囲気でさ、中も小津映画のポスターパネルとかいろいろ。基本的に小津家ゆかりの方がボランティアでやっているようだけど、もうご高齢のようだった。ちゃんと市がバックアップしてほしいよね。 
とにかく小津が9歳からだからさ、この十年間と言うのはすごく彼の資質形成に影響を与えていると思う。でもさ、今回当時の松阪の町の写真をたくさん見たんだけど、僕は4歳から18歳までが松阪だけど、記憶に残る、町並みがたくさんあって、いろんなことがどんどん思い出されてきて、涙がでちゃったよ。時代的には、大正13年ぐらいに、今度は梶井基次郎が松阪に滞在してさ、有名な「城のある町にて」の作品になるんだけどさ。


その小津監督のデザイン・センスにフォーカスした展示会がフィルムセンターで開催された「小津安二郎の図像学」。
これは面白い企画だね。映画そのものの紹介展示と言うより、小津の視覚センスや美的嗜好に焦点をあてている。実際に、小津もアートワークで参加していたりする。
絵が巧いよね。黒澤監督のような迫力のある絵コンテというよりは、もっと細いペンタッチが中心だけど。それに、やはり細部にこだわるから、美術の人たちも大変だったと思う。小津は色のセンスが抜群だと思う。自分でシナリオを装丁したり、記念品をつくったりしてるけど、とても色使いのセンスがいい。
字も味がある。書なんかも飄々としてるけどいい。こういうセンスはもしかしたら、松阪時代に養われたものかもしれないな。
全体の構成は、絵画・図案・文字・色彩について小津の特徴を見せている。小津映画の美術は有名な濱田辰雄さんだけど、その人の仕事についてもコーナーが出来ていたね。
それと、小津映画にはさ、舞台となる部屋なんかにさりげなく日本画が飾られているんだけど、これも当時の新進絵画なんかが飾られている。これこそ、小津の感覚だろうね。
小津の作品、もうオープニングの出演者の名前の出し方からいいだろ。あれ、小津さんのタイポグラフィ。もともと、小津家の旧家には、祖父の代からかな、いろいろ浮世絵も残っていた。小さい頃からそういうなかで育っているから、「粋」なデザイン感覚が自然と身についたんだと思うよ。あと、松阪時代にともかくアメリカ映画とか洋画を見まくった時期があって、そういう少年時代の感性がフィルムの中で、磨かれていったんだろうな。 
そうね。だから小津の美的感覚は、洒脱でウルトラ・モダンと言う人もいるわよね。 

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