サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

397日目「松本かつぢ展(弥生美術館)」東大前

2013年10月06日 | 姪っ子メグとお出かけ

姪っ子メグ 今回は、竹久夢二館では小林かいぢ特集。弥生美術館では松本かつぢ展。どちらも大注目で、おじさん好きでしょ。
キミオン叔父 もちのロンだね。小林かいぢは前に伊香保温泉の保科美術館に行ったろ。あそこが日本では常設展示されている。とにかくずっと「謎のデザイナー」「幻の抒情版画家」とされてきたの。 もともとは京都の図案家、木版絵師なんだけど、大正末から昭和にかけて、京都の京極にあるみやげもの屋で絵葉書、絵封筒などがたくさん出された。
「京都のアール・デコ」と呼ばれたのよね。 モチーフはハート・月・星・薔薇・トランプ・十字架・女性などが使われるけど、すごくロマンチックでモダン。とくにトランプの使い方がうまいなあ、と。でも、そのあと忘れられてしまうのね。それが、海外で1992年、2004年にコレクションされていたものが「日本の絵葉書芸術」ということで注目を浴びて、小林かいぢってすごいじゃないか、ということで本格的に研究されるようなったのね。
すごく面白いというか不思議なエピソードなんだけど、かいぢの息子さんが「小林かいち」とお父さんの「小林嘉一郎」とまったく別人だと思ってたんだけど、京都で「かいぢ」の展覧会が合って、念のため親父さんの遺品を調べてみたら 、なんと親父さんの木版画のサインとかいぢのサインが一緒であったのがわかって、びっくり仰天。それって、2008年、ついこの前のことなんだよ。それまで、いつ生まれ、いつ死んで、どれぐらいの作品を残していたのか、わかんなかった。
この人は、あんまり女性の顔そのものを描かないのよね。でも、絵葉書は4枚で1セット、絵封筒は5枚で1セットだけど、そのセットの中に物語りが浮かんでくるみたいで、飽きないのよ。


弥生美術館の方は松本かつぢ。この人は、海外でも注目された蕗谷虹児に憧れて、画家を目指すようになる。で、昭和の頭から、中原淳一と人気を二分する挿絵画家となる。でもこの人の場合は、挿絵だけではなくすごくジャンルが広いことが特徴。今度の展覧会では、少女マンガの元祖の一人であるということが強調されていた。
それが1934年の「なぞのクローバー」であり、38年の「くるくるクルミちゃん」の連載よね。で、クルミちゃんはキャラクターグッズの第1号じゃないかと言われるけど、その後もさまざまなグッズの世界にも出ていく。
面白いのは、蕗谷虹児に憧れてこの世界に入ったようなところがあるけど、かつぢの妹が 蕗谷虹児の奥さんになる。だからかつぢは義理の兄になると言う不思議。かつぢは家庭的な人で、こどもも6人ぐらいいたのかな、その子たちが全員といっていいほどクリエーターで海外におられたりする。

マルチクリエーターの元祖とも言われる。絵本・童画も多く描いている。
この人の抒情画がやっぱり好きだなぁ。ちょっと洋風だけどね。思春期の少女達は憧れただろうなぁ。田村セツ子や上田トシコらが師事しているけど、そのあたり、いまビッグコミックでも上田トシコ物語みたいなのをやってるけど、この松本かつぢも出てきて、これがかっこいいおじさんなんだ。
かいぢもかつぢも、若い時の写真を見るとすごくかっこいい。まだまだ、人気が出そうな気がするよ。 


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