サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

mini review 11545「八日目の蝉」★★★★★★★☆☆☆

2011年11月06日 | 座布団シネマ:は行
誘拐犯の女と誘拐された少女との逃亡劇と、その後の二人の運命を描いた、角田光代原作のベストセラー小説を映画化したヒューマン・サスペンス。監督は、『孤高のメス』など社会派エンターテインメント作品で定評のある成島出。誘拐された少女の大学生時代を井上真央が演じ、愛人の娘を誘拐する女性に永作博美がふんするほか、小池栄子や森口瑤子、田中哲司など実力派俳優が勢ぞろいする。(タイトルの「蝉」は、「虫」に「單」が正 . . . 本文を読む

mini review 11543「ばかもの」★★★★★★★☆☆☆

2011年10月28日 | 座布団シネマ:は行
絲山秋子の小説を『DEATH NOTE デスノート』シリーズなどのヒットメーカー、金子修介監督が映画化したラブストーリー。10年にわたる男女の恋愛を軸に、就職や結婚や家族の関係などをさまざまな視点から描く。『ドロップ』の成宮寛貴が甘え上手な年下男を熱演。その運命の恋人を『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』の内田有紀が体当たりで演じている。傷つきながらも必死に生きようとする彼ら . . . 本文を読む

mini review 11541「ヒア アフター」★★★★★★★☆☆☆

2011年10月08日 | 座布団シネマ:は行
クリント・イーストウッドがメガホンを取り、スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務めた死と生をめぐる感動的なストーリーをつづるヒューマン・ドラマ。死を身近で体験した3人の登場人物が悩み苦しみ、生と向き合う姿を真摯(しんし)に描いていく。主演は、『インビクタス/負けざる者たち』でイーストウッド監督作品にも出演したマット・デイモン。ほかに、『シスタースマイル ドミニクの歌』のベルギー人女優セシル・ド . . . 本文を読む

mini review 11538「ハーモニー 心をつなぐ歌」★★★★★★★★☆☆

2011年09月21日 | 座布団シネマ:は行
世代も境遇も異なる女性たちが集まった女子刑務所を舞台に、合唱団を結成して歌の力で奇跡を起こしていく受刑者たちの姿を描く感動ドラマ。DVや裏切りなどで心を閉ざした者、罪の意識から生きる力を失った者など、個々に問題を抱えたヒロインたちが合唱を通して自分と向き合い、他者を受け入れていく過程を、珠玉のコーラスが奏でるスタンダードナンバーの数々で描く。幼い息子との別離を余儀なくされる主人公を演じるのは、映画 . . . 本文を読む

mini review 11530「ペルシャ猫を誰も知らない」★★★★★★★★☆☆

2011年07月17日 | 座布団シネマ:は行
『亀も空を飛ぶ』などのイランのクルド人監督、バフマン・ゴバディが初めて故郷クルドを離れ、大都市テヘランを舞台に描く青春音楽映画。ポップ音楽の規制の厳しいイランで、さまざまな苦労をしながら音楽活動に情熱を傾ける若者たちの日常をゲリラ撮影で切り取る。主演の二人をはじめ、出演者には実在のミュージシャンたちが名を連ねている。ロックやフォーク、ヘビーメタルにラップなどの素晴らしい才能が眠るイランの多様な音楽 . . . 本文を読む

mini review 11525「美人図」★★★★★★☆☆☆☆

2011年05月06日 | 座布団シネマ:は行
数々の官能的な名画を残した18世紀朝鮮の天才絵師、シン・ユンボクと、その代表作「美人図」をめぐる愛の軌跡を描いた豪華でエロチックな文芸ロマン。シン・ユンボクが女性であるとの仮説のもと、彼女と運命の恋人、絵の師匠との複雑な関係をつづる。シン・ユンボクにふんするのは、『下流人生 ~愛こそすべて~』などのキム・ミンソン。彼女の恋人を、『後悔なんてしない』などのキム・ナムギルが演じる。めくるめく愛に加え . . . 本文を読む

mini review 11521「春との旅」★★★★★★★☆☆☆

2011年03月29日 | 座布団シネマ:は行
足が不自由な元漁師の祖父と仕事を失った18歳の孫娘が、疎遠だった親族を訪ね歩く旅に出る姿を描いたヒューマンドラマ。『愛の予感』などで国際的にも高い評価を受ける小林政広監督の8年越しの企画となる作品で、高齢者問題を切り口に生きることの意味を問いかける。主演は数々の巨匠たちの作品に出演してきた名優・仲代達矢、彼の孫・春役には『アキレスと亀』の徳永えり。そのほか大滝秀治、菅井きん、小林薫ら実力派が脇を固 . . . 本文を読む

mini review 11520「瞳の奥の秘密」★★★★★★★★☆☆

2011年03月27日 | 座布団シネマ:は行
長年勤めた刑事裁判所を退職した男が、25年前の未解決殺人事件をモチーフに小説を書き出すものの、過去の思い出に支配され苦悩するサスペンス・ドラマ。アルゼンチンを代表する名監督ファン・J・カンパネラが1970年代の祖国の姿を背景に、過去と現在を巧みに交差させ、一人の人間の罪と罰や祖国の軌跡を浮き彫りにする。また、本作は第82回アカデミー賞外国語映画賞を受賞。主演は、カンパネラ監督作品の常連リカルド・ダ . . . 本文を読む

mini review 10504「プレシャス」★★★★★★★☆☆☆

2010年11月20日 | 座布団シネマ:は行
ハーレムを舞台に、過酷な運命を生きる16歳のアフリカ系アメリカ人少女、クレアリース“プレシャス”ジョーンズの人生を描く人間ドラマ。サンダンス映画祭でグランプリを受賞したほか、各映画賞の目玉的存在となっている。新星ガボレイ・シディベが悲惨な家庭環境で育った主人公プレシャスを熱演。マライア・キャリー、レニー・クラヴィッツら、有名スターの助演も話題を呼んでいる。全米公開時には口コ . . . 本文を読む

mini review 10500「花のあと」★★★★★☆☆☆☆☆

2010年11月08日 | 座布団シネマ:は行
『蝉しぐれ』『武士の一分(いちぶん)』など数々の時代劇作品の原作者として知られる藤沢周平の同名短編小説を、『青い鳥』の中西健二監督が映画化。江戸時代の東北を舞台に、ひそかに思いを寄せていた武士が自害したことを知り、その原因となった相手に敵討ちを果たそうとする女性の姿を描く。剣の達人であるヒロインを時代劇初挑戦となる北川景子が熱演し、見事な殺陣を披露。彼女が恋心を抱く剣士にバレエダンサーの宮尾俊太郎 . . . 本文を読む

mini review 10499「人の砂漠」★★★★★☆☆☆☆☆

2010年11月04日 | 座布団シネマ:は行
ノンフィクション作家・沢木耕太郎による同名ルポルタージュを、東京藝術大学映像研究科の学生が映画化した4編からなるオムニバス・ドラマ。町の人たちをだまし続けた70歳の女詐欺師やゴミ屋敷で亡くなった老女、家族に捨てられた元売春婦など、社会の片隅に生きる人々の生きざまを若い感性で描き出す。強烈な存在感を放つ実在したアウトローたちを、室井滋、小池栄子、石橋蓮司、夏木マリが迫真の演技を披露するほか、忍成修吾 . . . 本文を読む

mini review 10489「プール」★★★★★☆☆☆☆☆

2010年09月24日 | 座布団シネマ:は行
漫画家の桜沢エリカが映画用に書き下ろした原作を、『ネコナデ』の大森美香監督が映画化したほのぼのとした癒し系人間ドラマ。タイの古都、チェンマイを舞台に、それぞれの事情を抱えた5人の男女の6日間の人間模様をさらりと映し出す。出演者も独特の空気感をまとう小林聡美やもたいまさこらベテラン勢に加え、若手実力派の加瀬亮や、新人の伽奈が見事なアンサンブルをみせる。自然体で生きる個性的な人々のシンプルライフが心地 . . . 本文を読む

review 10480「PUSH 光と闇の能力者」★★★☆☆☆☆☆☆☆

2010年08月22日 | 座布団シネマ:は行
政府に特殊能力者として開発された人間と、彼らの能力を利用したい当局との攻防を描くSFサイキック・アクション。『ラッキーナンバー7』の俊英ポール・マクギガンが、第二次世界大戦時に実際に育成されていたという超能力スパイの逸話を基に映画化。主演は、『ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]』のクリス・エヴァンスと『宇宙戦争』のダコタ・ファニング。葛藤(かっとう)する能力者の姿や、スタイリッシュなア . . . 本文を読む

mini review 10478「バーナード・アンド・ドリス」★★★★★★☆☆☆☆

2010年08月15日 | 座布団シネマ:は行
オスカー女優のスーザン・サランドンと、2度のオスカーノミネートを誇る演技派、レイフ・ファインズ共演による実話を元にしたドラマ。大富豪でアルコール依存症のドリス・デュークは、一文なしのラファティと出会い、彼を執事として雇うのだが…。 世の中には桁違いの金持ちも存在するものだ。 知人でイギリスの王室グループの一員に、養子縁組のかたちで入った男がいる。 僕にはさっぱり縁のない世界であるが、帰国して . . . 本文を読む

mini review 10475「抱擁のかけら」★★★★★★★☆☆☆

2010年07月30日 | 座布団シネマ:は行
『ボルベール<帰郷>』のペドロ・アルモドバル監督とペネロペ・クルスにとって、4度目のコラボレートとなる恋愛ドラマ。愛と視力を同時に失った男の過去へとさかのぼり、男と運命の女との愛に満ちた日々と悲劇を描く。過去の出来事を封印して生きる男を演じるのは、『バッド・エデュケーション』のルイス・オマール。ペネロペは男の恋人で、すべてを求める美しい女優を演じる。人生の苦しみや痛み、そして愛と幸福の詰まった濃厚 . . . 本文を読む