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サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

ひとつの母親像/向田せい(向田邦子さんの母)/100歳

2008年10月22日 | 毎日がメメント・モリ

<訃報>向田せいさん100歳=作家の故向田邦子さんの母


10月21日22時5分配信/FONT>毎日新聞




 向田せいさん100歳(むこうだ・せい=作家の故向田邦子さんの母)9月12日、死去。葬儀は近親者で済ませた。喪主は三女でエッセイストの和子(かずこ)さん。

 「父の詫(わ)び状」など、邦子さんのエッセーに度々登場した。

向田邦子が、取材旅行先の台湾での飛行機事故で亡くなったのは、1981年8月22日だった。暑い日だった。テレビ報道を見てびっくりした僕は、部屋にこもって、好きだった彼女の本を、懐かしく手に取ったことを覚えている。
それからもう、20年近く経っているのだ。

せいさんのことは、エッセイにもよく登場するし、妹の和子さんのエッセイでも触れられている。

向田邦子は、映画の世界で編集をしながら、脚本を学び、1000本以上のシナリオを書いている。
とんでもない量である。そんな膨大な仕事をこなしながら、趣味にも自分の世界を持っている人だった。
その後、何度も向田邦子展が開かれたり、雑誌で遺品などの特集が組まれたり・・・。
僕は、飽きずに、付き合ってきたと思う。
いまでも、ときどき、文庫を読み返すことがある。

せいさんがどれほどのモデルになっているのかどうかはともあれ、僕は向田邦子の「母親」を描いた作品で一番好きなのは「あ・うん」の水田たみである。
テレビドラマでは、1980年に4話、81年に「続あ・うん」ということで5話放映されている。
実直なサラリーマンだが父親の威厳をこっけいなようにも求める父親水田仙吉役をフランキー堺、そして親友でありお金持ちの2枚目男である門倉修造を杉浦直樹、少し自画像も投影されているのだろうが娘である水田さと子役を岸本加代子が演じている。
そして、母である水野たみ役が吉村実子。
このなんとも魅力的な吉村実子をはさんで、フランキー堺と杉浦直樹が、神社の一対の狛犬のように、絶妙の関係で存在するのである。
映画では89年に降旗康男監督がメガホンをとっている。
こちらは仙吉を坂東英二、門倉を高倉健、さと子を富田靖子、そして母たみを冨司純子が演じている。
これも、なかなかの布陣だ。
でも、僕としては、やはり吉村実子の母親役が、強く印象に残っている。

本当は、このドラマを向田邦子は、10年は連続しようと決意していたようだ。
しかし、81年の事故でその夢はかなわなかった。

100歳になったおかあさんに・・・合掌!


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