サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

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403日目「ジョセフ・クーデルカ展(東京国立近代美術館)」竹橋

2013年11月17日 | 姪っ子メグとお出かけ

姪っ子メグ 今日は駆け足で三つの展覧会に行きましょう!ということで、まずは三井記念美術館で『国宝「卯花墻」と桃山の名陶』展。これは今も見る人の心を揺さぶる桃山時代後期のやきもの群ね。
キミオン叔父 岐阜県美濃地方。「志野」「黄瀬戸・瀬戸黒」そして「織部」。もうどれをとっても、そしてオジサンみたくやきものの世界のど素人でも惹きつけられる。
なかでも「志野」はやっぱりこの時代の陶磁でも最高の人気。白土に長石釉。この釉の状態でいろんな変化がつく。今回は紅志野というのも出てたなぁ。鼠志野は素地を箆で掻き落とすのよね。それで文様を浮かびださせる。今回の展示の表題にもなっている 国宝「卯花墻」も志野茶碗だけど、当意即妙の趣があってやっぱすごいな。
「黄瀬戸・黒瀬戸」はもともとこのあたりのやきものはすべて瀬戸焼呼ばれていたらしい。黄瀬戸は鮮やかな黄釉のかかったもので緑が滲んだりしている。瀬戸黒は黒釉の重厚そうな瀬戸茶碗で、これらは志野よりちょっと端正。 
織部になると、いろんな釉が混ざって、赤土・白土が駆使されてとても色彩が豊かで楽しげ。また型がいろいろ増えている。茶碗・水指・香合・懐石道具の数々。結局、これらはわずか20年から30年の間に美濃地方で制作されたわけだけど、それらの造形や装飾が、その後の時代に戦国大名たちによって愛でられ、必死でコレクションされたりもしたんだよね。
さてさて、二番目は国立近代美術館工芸館まで来て、『クローズアップ工芸』。ここでは近現代を代表するもう有名すぎる5人の作家。鈴木長吉、富本憲吉、松田権六、森口華弘、小名木陽一にフォーカスしている。小名木陽一さんだけがご存命で、まあ彼の場合は「赤い手ぶくろ」と題する現代作家的な作品だったけど、残りは彫塑、着物、焼き物、蒔絵で、もう何度も何度も見ている人たちだけど、まあいつ見てもその精巧さに舌を巻く。
今回はさ、クローズアップだからコンピュータ画像で拡大して見れるような仕掛けが。本当に細部を見るには、大型映像かコンピュータによる拡大再生だものねぇ。
そりゃそうだ。だから日曜美術館でも拡大して見せるわけ。人気の展覧会で人の後ろから見てもなんだか入りこめないしね。でもさ、やっぱり一番楽しみなのは、鈴木長吉の『十二の鷹』。これ、今にも襲い掛かられそうな気配がある。この前は、六本木の住友の博古館の正面ホールで見たんだっけな。ああ、こいつがまたいてくれた、と感激したな。


三番目は国立近代美術館で『ジョセフ・クーデルカ展』。この人の代表作品は、東京都写真美術館で見てるけど、もちろん今回は270点余りの回顧展。
この人はなんといっても「プラハの春」の写真で注目された。1968年、ワルシャワ条約機構軍、つまりソ連軍だけど、これがプラハに侵攻する。オジサン高校1年生だったかな。もうその写真が頭から離れない。なんか、オジサンの人生にすごく大きな影響を与えているかもしれないよ。
今回の構成は、まず学生時代の初期作品。ちょっと実験的で構成主義的な作品よね。その後は演劇雑誌の表紙用の作品群。これ思い切ってハイコントラストにしてさ、なんか劇画風のフォルムで面白い。その関係なのか、次にプラハに新設された劇場の専属カメラマンのような仕事をしている。舞台写真が多いけど、単なる記録撮影じゃなく、構図とかすごく実験的。その仕事と並行するように彼はジプシーを訪ね歩いてその生活をドキュメント風に撮り始める。このあたりで、かなり社会派の思想を獲得するのかもしれないわね。
そして1968年8月の「プラハの春」の記録写真。これ、匿名で発表してる。だって、自分や家族も弾圧されるからさ。西側にプラハ市民の抵抗の姿を撮影したものを流す。この弾圧から、チェコのソ連軍による傀儡政権を通じての支配は、冷戦の終わりまで続くんだから。その後、クーデルカは亡命することになる。僕は、学生時代、雑誌からその写真を切り抜いて、学校に持っていき、アジテーションした覚えがある(笑)。もちろん、クーデルカなんていう名前はまるで知らないわけさ。クーデルカは匿名のまま、69年にロバート・キャパ賞を受ける。
亡命したクーデルカはヨーロッパ各地を放浪するようになり、それぞれの国でカメラを向けることになるのね。写真家集団マグナムに加わることにもなる。独特のノスタルジーが感じられる。最後はフランスの政府機関の依頼で、英仏海峡を巡る風景を撮影する。ここでは人はあまり出てこない。クーデルカはなんとパノラマフォーマットの写真で文明論的な作品を残す。
クーデルカの回顧展はアジアではじめての位置づけ。今回の関連企画として「MOMATコレクション」 として森山大道さんの『にっぽん劇場』百点の展示があるの。森山さんはクーデルカと同年生まれ、そして『にっぽん劇場』が撮影されたのは1968年で、「プラハの春」と同じ年なわけだ。
よし、さっそくそちらにも回りましょうよ。 


 

 

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