<訃報>鈴木博之さん68歳=建築史家、東京駅復元に尽力
毎日新聞 2月6日(木)20時30分配信
日本の近現代建築の保存と批評で活躍した建築史家で青山学院大教授の鈴木博之(すずき・ひろゆき)さんが3日、肺炎のため死去した。68歳だった。葬儀は近親者で営んだ。本葬は3月24日午後1時、東京都新宿区四谷4の34の東長寺。喪主は妻で明治学院大教授の杜幾子(ときこ)さん。葬儀委員長は建築家の安藤忠雄さん。
東京都出身。東大大学院在学中から論文を発表し、気鋭の学者として注目された。1990年から東大建築学科教授を務め、2009年から現職。
現代建築の評論や都市論の執筆を手掛け、90年には土地に宿る精神性を論じた著書「東京の地霊」などでサントリー学芸賞を受賞した。
日本の近代化を象徴するモダニズム建築の保存運動で主導的な役割を果たした。12年に完成当時の姿によみがえった東京駅舎の復元をはじめ東京、大阪の中央郵便局解体に反対する活動を展開。昨年、都内に開館した国立近現代建築資料館の創設にも尽力した。
05年紫綬褒章。東大名誉教授。10年から博物館明治村(愛知県犬山市)館長。08年から毎日新聞でコラム「都市の呼吸」を連載していた。
90年サントリー文芸賞をとった『東京の「地霊」』はいまは文庫本にもなっているので手に取りやすい。
鈴木先生は建築史が専門なのだが、僕にとっては、日本の西洋建築の保存を提唱されたり、東京駅の保存活動に奔走したり、愛知県犬山市の明治村の 館長になられたり、といった活動を通じての発言に刺激を受けさせてもらってきた。
最近僕の方のあるプロジェクトで犬山市のからみがあり、先生がおられるならご挨拶しに行こうと無邪気に思っていたところだった。
また、先生も尽力された昨年開館した国立近現代建築資料館もまだ行けてないので、予約は面倒なのだが、次の企画を楽しみにしていた。
そんなおりの突然の訃報である。
残念なことだ・・・合掌!
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