サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

mini review 12550「ヤコブへの手紙」★★★★★★★☆☆☆

2012年01月02日 | 座布団シネマ:や・ら・わ行
1970年代のフィンランドの片田舎を舞台に、人を寄せ付けない元囚人と悩める人々を癒やす盲目の牧師との繊細な交流を描き、各国の映画祭で称賛された感動的な人間ドラマ。刑務所を出所したヒロインが牧師のために手紙を音読する日々と、二人の心に宿る絶望と希望とを淡々とつづっていく。監督は、フィンランドとスウェーデンで活躍するクラウス・ハロ。物語の終盤に告白される悲しい秘密と温かな真実に、胸が締め付けられる。[ . . . 本文を読む

mini review 11540「わたしを離さないで」★★★★★★★★☆☆

2011年09月30日 | 座布団シネマ:や・ら・わ行
イギリスの文学賞・ブッカー賞受賞作家カズオ・イシグロの小説を基に、傷つきながら恋と友情をはぐくみ、希望や不安に揺れる男女3人の軌跡をたどるラブストーリー。『17歳の肖像』のキャリー・マリガン、『つぐない』のキーラ・ナイトレイ、『大いなる陰謀』のアンドリュー・ガーフィールドといった若手実力派スター3人が豪華共演。詩情豊かでみずみずしい映像と、ドラマチックな展開の果てに待ち受ける衝撃と感動を堪能したい . . . 本文を読む

mini review 11528「レバノン」★★★★★★★☆☆☆

2011年06月15日 | 座布団シネマ:や・ら・わ行
1982年のレバノン戦争を舞台に、極限状況に置かれた4人のイスラエル軍兵士の壮絶な体験を描き、第66回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した戦争映画。同戦争に従軍したサミュエル・マオズ監督の実体験を基に、カメラが戦車内から外に出ない斬新なスタイルで、戦争の恐怖や人間の狂気をあぶり出す。砲撃で四散する兵士や、女・子どもを含む市民が無惨に殺されていく様子など、4人の戦車兵がスコープ越しに見る戦場の光景 . . . 本文を読む

mini review 11526「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」★★★★★★☆☆☆☆

2011年05月20日 | 座布団シネマ:や・ら・わ行
人気漫画家・西原理恵子の元夫で戦場カメラマンの鴨志田穣が、自身のアルコール依存症の経験をつづった自伝的小説を映画化した人間ドラマ。重度のアルコール依存症になった男と、彼を支え続けた家族たちの日々を、『わたしのグランパ』の東陽一監督が丁寧に描き出す。身勝手だが憎めない主人公を浅野忠信、その妻には『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』の永作博美がふんする。どん底の状況で主人公が自分と向き合い、家族という心 . . . 本文を読む

mini review 11517「ヤギと男と男と壁と」★★★★★★★★☆☆

2011年02月25日 | 座布団シネマ:や・ら・わ行
ジョン・ロンスン原作のノンフィクション「実録・アメリカ超能力部隊」を基に描く娯楽作。アメリカ軍に実在したという、ラブ&ピースの精神で世界を救おうとする特殊エスパー部隊のぶっ飛びのエピソードの数々が披露される。物語の語り手に『天使と悪魔』のユアン・マクレガー。彼を無謀なミッションに巻き込む男を、『マイレージ、マイライフ』のジョージ・クルーニーが熱演する。次々と登場するおよそ軍隊とは思えないへなちょこ . . . 本文を読む

mini review 10505「RAILWAYS」★★★☆☆☆☆☆☆☆

2010年11月24日 | 座布団シネマ:や・ら・わ行
仕事に追われ、家族を省みることのなかった50歳目前の男が、ふと人生を振り返り、幼いころの夢を追い求め始める感動ストーリー。監督は『白い船』などで知られる島根出身の錦織良成。主人公の男を『亡国のイージス』の中井貴一、その妻を「天地人」の高島礼子、娘を『ドロップ』の本仮屋ユイカが演じている。一畑電車の走る島根の風土を描きながら、家族や仕事といった人生の普遍的なテーマを扱った深遠なストーリーが感動を呼ぶ . . . 本文を読む

mini review 10498「やさしい嘘と贈り物」★★★★★★★☆☆☆

2010年11月01日 | 座布団シネマ:や・ら・わ行
認知症で記憶をなくした老人が、彼を気遣う家族に見守られながら自分の妻に恋をする姿を描いた人間ドラマ。主人公の老夫婦を、共にオスカー俳優のマーティン・ランドーとエレン・バースティンが演じる。数々の巨匠たちの作品に出演してきた名優二人を主演に迎え、シリアスな内容ながら心温まる感動作に仕上げたのは、本作で長編初監督を果たす新鋭ニコラス・ファクラー。妻から夫へ、娘・息子から父へ、ロバートを愛するがゆえのや . . . 本文を読む

mini review 10493「倫敦(ロンドン)から来た男」★★★★★★★★☆☆

2010年10月14日 | 座布団シネマ:や・ら・わ行
ハンガリーの鬼才タル・ベーラが前作『ヴェルクマイスター・ハーモニー』から7年ぶりに放つノワール・サスペンス。「メグレ警視」シリーズで知られる文豪ジョルジュ・シムノンの同名小説を原作に、偶然にも殺人を目撃したことから運命が大きく狂いだしていく鉄道員の姿を描く。『フィクサー』のティルダ・スウィントンや、ハンガリーやチェコで活躍するベテラン俳優が出演。長回しを用いた独自のカメラワーク、陰影に富んだモノク . . . 本文を読む

mini review 10491「笑いながら泣きやがれ」★★★★★★★☆☆☆

2010年10月10日 | 座布団シネマ:や・ら・わ行
英国アカデミー賞スコットランド最優秀映画賞受賞。抜群のストーリーテリングが冴える、トラブルまみれのスタンダップ・コメディアン“ジョーイ”の人生を描いたミステリアス・スリラーの傑作!次々とアップテンポで繰り出されるエピソード。そのエピソードをネタにしたステージの喋りがオーバーラップして、現在と過去が入れ子になりながら物語は進行する。吉本芸人のR1グランプリから、もっとも遠く離 . . . 本文を読む

mini review 10484「夜更かし羊が寝る前に」★★★★★★★☆☆☆

2010年09月11日 | 座布団シネマ:や・ら・わ行
自分が執筆する小説に登場する女性に幻想を抱く作家の恋を描くラブファンタジー。ある日、コーヒーショップでひとりの女性と出会ったダニエルは、彼女が自分の小説に登場するルシンダであることに気付く。これを機に、ふたりの恋の物語が始まるが…。 これは「夜更かし羊」ではなく「衛星と隕石」をめぐる暗喩の物語かもしれない。 原題は『SATELLITES & METEORITES』だから、『衛星と隕石』とでも . . . 本文を読む

mini review 10460「レ・ブロンゼ/再会と友情に乾杯!」★★★★★★☆☆☆☆

2010年06月08日 | 座布団シネマ:や・ら・わ行
フランスで1,030万人、国民の17%が観た国民的コメディが遂に日本上陸!! 1978年、当時まだ無名であったパトリス・ルコント監督をフランスの人気コメディ集団「ル・スプレンディド」が起用し大ヒットしたのが『レ・ブロンゼ 日焼けした連中』『レ・ブロンゼ スキーに行く』の2作品。今回、27年の時を経てフランスの名匠となったルコント監督の第30作品目にオリジナル・メンバーが大集結!! たぶん僕にと . . . 本文を読む

mini review 10455「私の中のあなた」★★★★★★★★☆☆

2010年05月04日 | 座布団シネマ:や・ら・わ行
アメリカの人気作家ジョディ・ピコーのベストセラー小説を、『きみに読む物語』のニック・カサヴェテス監督が映画化。白血病の姉のドナーとなるべく遺伝子操作によって生まれた妹が、姉への臓器提供を拒んで両親を提訴する姿を通し、家族のありかたや命の尊厳を問いかける。主演のキャメロン・ディアスが初の母親役に挑み、両親を訴える次女役を『リトル・ミス・サンシャイン』のアビゲイル・ブレスリンが熱演。シリアスなテーマな . . . 本文を読む

mini review 10443「レスラー」★★★★★★★☆☆☆

2010年02月21日 | 座布団シネマ:や・ら・わ行
自らの生き様を貫き通す中年プロレスラー役がミッキー・ロークのはまり役となり、数々の映画賞に輝いたエネルギッシュで感動的な人間ドラマ。監督は『π』『ファウンテン 永遠つづく愛』のダーレン・アロノフスキー。主人公の一人娘には『アクロス・ザ・ユニバース』のエヴァン・レイチェル・ウッドがふんし、主人公が好意を寄せるストリッパーを『いとこのビニー』のマリサ・トメイが演じる。栄光の光と影、落ちてもなお失 . . . 本文を読む

mini review 10436「ラブリーボーン」★★★★★★★★☆☆

2010年01月31日 | 座布団シネマ:や・ら・わ行
14歳で殺されてしまった少女が、残された家族や友人たちが立ち直っていく姿を天国から見守り続けるファンタジックな感動ドラマ。全世界30か国以上で1,000万部以上を売り上げた原作を、スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮、『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソンが監督という豪華布陣で映像化。主人公の少女役は、『つぐない』のシアーシャ・ローナン。前代未聞の物語設定と、少女が起こす奇跡に注目。 . . . 本文を読む

mini review 09426「レイチェルの結婚」★★★★★★★☆☆☆

2009年12月22日 | 座布団シネマ:や・ら・わ行
『クライシス・オブ・アメリカ』などのジョナサン・デミ監督が手掛けた珠玉の人間ドラマ。ある一家の結婚式を中心に、優等生の姉と問題児の妹の抱える問題や、彼女たちを取り巻く人々の微妙な関係を包み隠さず映しだす。気性の激しい妹を演じるのは、『プラダを着た悪魔』のアン・ハサウェイ。その姉を『シンデレラマン』のローズマリー・デウィットが演じている。長所も短所も併せ持つ登場人物たちのリアルな喜怒哀楽に、感情移入 . . . 本文を読む