サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

mini review 11552「海炭市叙景」★★★★★★★☆☆☆

2012年01月13日 | 座布団シネマ:か行
5度芥川賞候補に挙がりながら、41歳で自殺した作家・佐藤泰志の遺作を映画化したオムニバス・ストーリー。北海道・函館をモデルにした架空の地方都市を舞台に、さまざまな事情を抱えた人々が必死に生きる姿を描く。監督は『ノン子36歳(家事手伝い)』の熊切和嘉。『アウトレイジ』の加瀬亮、『おにいちゃんのハナビ』の谷村美月、『春との旅』の小林薫らが出演する。リアルな人間ドラマとオール函館ロケによる映像に注目だ。 . . . 本文を読む

mini review 12551「木洩れ日の家で」★★★★★★★★☆☆

2012年01月07日 | 座布団シネマ:か行
芸歴80年を超えるポーランドの大ベテラン、ダヌタ・シャフラルスカを主演に迎えた心にしみる人生賛歌。人生の喜びも悲しみも知り尽くした女性が、素晴らしい終幕を迎えるために奮闘する様子を陰影に富んだモノクロームの映像でつづる。メガホンを取るのは、『僕がいない場所』のドロタ・ケンジェジャフスカ。 息子を『殺人に関する短いフィルム』のクシシュトフ・グロビシュが演じている。老いてなお、美しく誇り高き主人公の姿 . . . 本文を読む

mini review 11522「隠された日記 母たち、娘たち」★★★★★★☆☆☆☆

2011年04月15日 | 座布団シネマ:か行
『正しい恋愛小説の作り方』のジュリー・ロープ=キュルヴァルが監督を務めた、3世代にわたる女性の生き方を見つめた人間ドラマ。偶然祖母の日記を発見した孫娘とその母親、そして過去に家出した祖母らが織り成す複雑な心模様を大胆に描く。気丈な母親を演じるのは、大女優のカトリーヌ・ドヌーヴ。その娘を、『潜水服は蝶の夢を見る』のマリ=ジョゼ・クローズが熱演する。それぞれの時代を精いっぱいに生きる彼女たちの姿に勇気 . . . 本文を読む

mini review 11519「クヒオ大佐」★★★★☆☆☆☆☆☆

2011年03月24日 | 座布団シネマ:か行
吉田和正原作の「結婚詐欺師 クヒオ大佐」を映画化した、型破りな人間ドラマ。日本人でありながら西洋人のような容ぼうを生かし、自分はアメリカ空軍のパイロットなどと偽って女性たちから約1億円を巻き上げた実在の結婚詐欺師の真の姿に迫る。どこか憎めない詐欺師役に『南極料理人』の堺雅人。彼に無償の愛をささげる女性を『余命』の松雪泰子らが熱演する。付け鼻をして、何とも不思議な主人公に成り切った堺と3人の女性たち . . . 本文を読む

mini review 11518「クロッシング」★★★★★★★☆☆☆

2011年03月05日 | 座布団シネマ:か行
『オオカミの誘惑』『百万長者の初恋』のキム・テギュン監督が、生きるために北朝鮮から中国へ渡った父子の悲劇を描いた人間ドラマ。100人近い脱北者への取材を基に北朝鮮の現実に根ざした骨太なストーリーに仕立て、第81回アカデミー賞外国語映画部門賞の韓国代表作品に選ばれた。過酷な運命に翻弄(ほんろう)される主人公を『ドクターK』のチャ・インピョが熱演。脱北経路を描くため、中国やモンゴルで撮影された雄大な映 . . . 本文を読む

mini review 10512「グリーン・ゾーン」★★★★★★★☆☆☆

2010年12月25日 | 座布団シネマ:か行
『ボーン・スプレマシー』『ボーン・アルティメイタム』のマット・デイモンとポール・グリーングラス監督が、3度目のタッグを組んだサスペンス・アクション。イラク中心部のアメリカ軍駐留地域“グリーン・ゾーン”を舞台に、大量破壊兵器の所在を探る極秘任務に就いた男の決死の捜査を描く。共演には『リトル・ミス・サンシャイン』のグレッグ・キニア、『ハリー・ポッター』シリーズのブレンダン・グリーソンらが顔をそろえる。 . . . 本文を読む

mini review 10510「クレイジー・ハート」★★★★★★☆☆☆☆

2010年12月14日 | 座布団シネマ:か行
ジェフ・ブリッジスが破滅的な人生を送るシンガーを演じ、アカデミー賞主演男優賞を受賞した感動のヒューマンドラマ。かつて一世を風靡(ふうび)した伝説のシンガーソングライターの愛と再生を描く。監督は、本作がデビュー作となるスコット・クーパー。主人公と惹(ひ)かれ合うシングルマザーを『ダークナイト』のマギー・ギレンホールが演じる。俳優人生の集大成ともいえるジェフの熱演と、物語を彩るアメリカンミュージックに . . . 本文を読む

mini review 10490「京義線(キョンイセン)」★★★★★★☆☆☆☆

2010年10月09日 | 座布団シネマ:か行
『食客』などで知られるキム・ガンウが主演を務めたラブロマンス。地下鉄運転手の青年・マンスは、自らの運転する列車に飛び込んだ客を図らずも轢殺してしまう。罪悪感に打ちひしがれた彼は、ソウルと北朝鮮の国境を結ぶ電車・京義線に乗り込む。 韓国映画には珍しい静謐な作品。この監督の次回作に期待したい。韓国には何度も行ったが、38度線の国境には行った事がない。また、残念なことに仕事の関係での訪韓だったので、列車 . . . 本文を読む

mini review 10483「今度は愛妻家」★★★★★★★☆☆☆

2010年09月10日 | 座布団シネマ:か行
仕事も家事もせず、妻への愛情も微妙なダメ夫と、そんな夫を献身的に支える健康オタクの妻が織り成す、ハートフルな夫婦のドラマ。大ヒットを博した中谷まゆみ原作の舞台劇をベースに、ヒットメーカーの行定勲監督が涙と笑いが交互に訪れる感動ドラマとして演出。夫婦を演じるのは、『サウスバウンド』の豊川悦司と『ALWAYS 三丁目の夕日』薬師丸ひろ子。ダメ夫婦から誰もがうらやむ理想の関係に変わる、夫婦のきずなに心動 . . . 本文を読む

mini review 10472「カティンの森」★★★★★★★★☆☆

2010年07月20日 | 座布団シネマ:か行
第二次世界大戦中、ソ連の秘密警察によってポーランド軍将校が虐殺された「カティンの森事件」を、ポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダ監督が映画化した問題作。長い間明らかにされてこなかった同事件の真相を、ソ連の捕虜となった将校たちと、彼らの帰還を待ちわびる家族たちの姿を通して描く。父親を事件で殺された過去を持つワイダ監督が歴史の闇に迫った本作は、第80回アカデミー賞外国語映画賞ノミネートをはじめ、世界各地 . . . 本文を読む

mini review 10469「空気人形」★★★★★★★★☆☆

2010年07月15日 | 座布団シネマ:か行
『歩いても 歩いても』などの是枝裕和監督が、業田良家原作の短編コミック「ゴーダ哲学堂 空気人形」を映画化した切ないラブストーリー。心を持ってしまった空気人形と人間の交流を温かく見守る。『グエムル -漢江の怪物-』のペ・ドゥナが空気人形役を熱演。共演者も『蛇にピアス』のARATAや『ニセ札』の板尾創路ら個性派が顔をそろえる。国際的撮影監督、リー・ピンビンのカメラによる情緒豊かな東京の風景と、人形の純 . . . 本文を読む

mini review 10467「海角七号/君想う、国境の南」★★★★★★★☆☆☆

2010年07月07日 | 座布団シネマ:か行
1940年代と現代の台湾を舞台に、約60年間届かなかったラブレターが2つの時代の恋物語をつなぐ切ないラブストーリー。名匠エドワード・ヤンのもとでキャリアを重ねたウェイ・ダーション監督が、約60年前の小さな恋物語や現代の若者の姿を通して、夢かなわなかった者たちの思いを映し出す。主演は人気歌手で映画初出演のファン・イーチュン。現代のヒロインに日本人女優の田中千絵。日本の原風景のようなロケーション映像が . . . 本文を読む

mini review 10466「キャピタリズム マネーは踊る」★★★★★★★★☆☆

2010年07月02日 | 座布団シネマ:か行
『ボウリング・フォー・コロンバイン』のマイケル・ムーア監督が、キャピタリズム(資本主義)支配下の経済問題に迫るドキュメンタリー。巨大企業が利益を追求すると、世界にどのような影響が出るのかを検証する。デビュー作『ロジャー&ミー』で元GM(ゼネラル・モーターズ)会長に突撃取材を敢行したムーア監督が、GMが破綻した20年後の今、生活を支配する経済をテーマに選択。原点に立ち返ったムーア監督の覚悟と怒りが熱 . . . 本文を読む

mini review 10458「クリーン」★★★★★★★☆☆☆

2010年06月04日 | 座布団シネマ:か行
夫を薬物中毒で亡くし一人息子の養育権も奪われてしまった母親が、息子を取り戻そうと奮闘する人間ドラマ。息子と暮らせる日が来ると信じて人生をやり直そうとするヒロインを『2046』のマギー・チャンが熱演し、第57回カンヌ国際映画祭で最優秀主演女優賞を受賞した。監督は、彼女の元夫で『夏時間の庭』のオリヴィエ・アサイヤス。共演には『ホテル・ルワンダ』のニック・ノルティ、『屋敷女』のベアトリス・ダル、『ランジ . . . 本文を読む

mini review 10449「キャデラック・レコード」★★★★★★☆☆☆☆

2010年04月03日 | 座布団シネマ:か行
1950年代のシカゴを中心に、伝説的なレコード・レーベル、チェス・レコードと所属アーティストたちの盛衰を描く実話ドラマ。監督は『彼らの目は神を見ていた』のダーネル・マーティン。チェス・レコードを立ち上げたレナード・チェスをエイドリアン・ブロディ、グラミー賞受賞シンガー、エタ・ジェイムズをビヨンセが演じている。偉大なミュージシャンたちの波乱に満ちた半生と、彼らを熱演した出演陣から目が離せない。[もっ . . . 本文を読む