日本の国民的英雄だった伝説的なプロレスラー、力道山の一代記を描いたヒューマンドラマ。主演は『シルミド/SILMIDO』のソル・ギョング。妻役を演じたのは中谷美紀。脇を固める俳優も藤竜也や萩原聖人といった豪華な顔ぶれ。監督は、俳優のような華麗なマスクを持つ『パイラン』のソン・へソン。力道山を演じるため、わずか5か月で30kgもの増量に成功したソル・ギョングは、日本語も猛特訓し、本編では流ちょうな日本語を披露した。日本各地で撮影されたという1950年代から60年代の風景を見事に再現した美しい映像にも要注目。[もっと詳しく]
日本人でも朝鮮人でもなく、力道山は「世界人」でありたかった。
僕が生まれたのは、1953年である。その年、アメリカ帰りの力道山を中心として、日本プロレス協会が立ち上がった。
翌54年、有名な「力道山・木村VSシャープ兄弟」の一戦が、テレビ中継された。新橋などの街頭テレビに群がる人々。記録映像で何度も見ているが、実際、僕が、テレビ観戦で力道山を見たのは、たぶん5歳か、6歳の頃である。
ルー・テーズ、パット・オコナー、ジェス・オルテガ、サン・マルチーノ、ミスター・アトミック、フレッド・ブラッシー・・・最後の対戦記憶は、1963年「四の字固め」で一世を風靡した白マスクのデストロイヤーであっただろうか。
僕は10歳。その頃、本屋の店頭で夢中になって「ゴング」誌を立ち読みしていた。中学校の3年間は、毎月「ゴング」誌を購読し、隅から隅まで、飽きず読んでいたものだ。
赤坂の「ニュー・ラテン・クォーター」で、力道山が刺され、現在では外科医のミスというのが定説になっているが、病院でしばらくして、腹膜炎で死んだというニュースを見聞きし、たぶん僕の中で、「ヒーローというものはあっけなく消えるんだ」といった、儚さのような感覚をはじめて持った、といってもよいかもしれない。
1924年朝鮮半島生まれ。本名金信洛(キム・シンラク)。
長崎県大村市の農家の養子になり、戸籍名は百田光浩。
1940年に初土俵、朝鮮人であることで差別されながらも、関脇にまで上り詰める。しかし、日本人でないことが理由で大関には推挙されず、「俺の運命は俺が決める!」と自ら啖呵を切って、髷をきる。
その後、「西洋相撲」ともいえるプロレスの存在を知り、単身、アメリカに武者修行、大活躍の後日本に凱旋した。
戦後の復興もある程度は進み、また、テレビ放映というマス型社会が出始めた時流にも乗り、空手チョップでバッタバッタと西洋の大男を薙ぎ倒す力道山は、熱狂的に、国民の抑圧されていたナショナリズムに呼応するかたちで、戦後最大のヒーローへと神格化されたのである。
力道山には、ヒーローにふさわしく、虚実とりまぜた数多くの伝説がある。
実際に、当時の「マジソンスクエアガーデン」ともいえる総合娯楽施設「リキ・スポーツパレス」を渋谷に造り上げ、赤坂には「リキ・マンション」をもつ大実業家でもあった。
また、映画にも何本か出演し、浮名も流し、生涯4人の女性と婚姻関係を持ち、子供も5人いるとも6人ともされた。
映画「力道山」では、下っ端力士時代、シルラク(ソル・ギョング)が空襲下で出会った芸子綾(中谷美紀)、その綾の身元引受人でありまた二所の関部屋の横綱東浪関の後見人であり、自分にも後見人として「力道山」の四股名をつけてくれ、プロレス協会の興行のフィクサーともなる菅野武雄(藤竜也)、その菅野の指名で最後まで力道山のマネージャーを続けた吉町(萩原聖人)らが、「力道山」をはらはらしながら、寄り添う物語ともいえる。
「俺は日本人でも、朝鮮人でもない、世界人だ」という力道山。
結局のところ、力道山は、「自分で自分の欲望に歯止めがかけられない男」であるというように、この映画では描かれている。
何度か、彼が、落ち着いて生きることができる「分岐点」はあったのだ。
芸子の綾とこじんまりとした世帯を持ったとき、力士時代に関脇までは上り詰めたとき、東浪関もプロレス転向をし、花を持たせるよう菅野に頼まれたとき・・・でも、いつも、こうした「分岐点」をこの男は、世間を敵に回すような方向を選択してしまうのである。
出自からくる抑圧や劣等感や反発心が、その選択を不可避としているのだろう。
巨額を稼ぎ、時代の寵児となり、持て囃されるその分だけ、逆に、孤独と猜疑心と不安感が自分を蝕むことになる。
いつも、なにかに、追いたてられている。
胸のうちを、いくつかは綾をはじめとする女たちに、いくつかは最後は袂を分かつことになるのだが甘えられた親分の菅野に、あるいは最後までついてきてくれたマネージャーの吉町に、また、朝鮮半島出身のレスラー大木金太郎に、あるいはこの映画では登場しないがプロ野球からスカウトし可愛がったジャイアント馬場に、もしかしたらリンチめいたしごきにあわせたが、結局最後の看病をしてくれたアントニオ猪木に、吐露することはできたのかもしれない。
しかし、多くは、自分で自分の理不尽な感情を、引き受けるしかなかったどうしようもない孤独さが、この男には生涯ついてまわったような気がする。
時代は、プロレス中継がゴールデン放映から、はずされていく頃であった。
ヒーローは、柏鵬や王・長島の時代に移っていく。戦後を引きずった暴力団組長が興行を仕切ることにも、批判が出はじめていた。
だから、1963年のあの出来事は、映画では、酔っ払い暴力をふるう力道山に、ファンであったチンピラ(山本太郎)が逃げようとして思わずナイフを腹部に突き刺してしまう、という「事故」のように描かれている。
何が起こったか、力道山にもわからない。
本当の死因は謎だとしても、運命的に見れば、時代が力道山に引導を渡したのかもしれない、とも思う。「もう、いいじゃないか」と・・・。
日韓合作映画だが、ソン・ヘソン監督は3年をかけて、よくこの映画を粘り強く完成に導いた。
オープンセットは10個以上、力士・芸者を100人集めたシーンもあった。試合会場には1万人のエキストラを調達した。また、現役格闘家の船木誠勝、武藤敬司、故橋本真也らも参加させている。
僕は、この監督の「ラブ・レター/パイラン」という映画が大好きだった。
浅田次郎の原作を韓国を舞台に書き換え、三流ヤクザ(チュ・ミンシク)が偽装結婚のようなかたちで籍を入れたが、薄幸の女(セシリア・チャン)は写真でしか見たことがない男を、待ち続けながら死んでしまう。男は、生まれて初めて、慟哭する。
タルコフスキーを信奉するソン・ヘソンだが、実作品はリアリズムとリリシズムを融合させようとしているようにもみえる。だから「通俗」にも入り込む。
「力道山」を日本語も闊達に使いながら演じたのは、韓国映画界の「若きカリスマ」ソル・ギョンク。
この映画では、5ヶ月で28㎏も体重を増やし、レスラーの体格を造り上げた。
実際の格闘シーンも迫力満点だ。さすがは、韓国映画界のロバート・デ・ニーロと言われるんだな、と納得してしまう。
「ユリョン」「燃ゆる月」「オアシス」「シルミド」どの役作りも、深く、記憶に残っている。
日本人のある一群は、朝鮮半島の高句麗の方から、海を渡ってきている。
力道山=キム・シンラクの祖先も、きっとその一族であり、強靭な王であったかもしれない。
その悠久な歴史時間では、「日本人」でも「朝鮮人」でもなく、むしろ力道山が夢を見ていた「世界人」と呼んだほうが、適切であったのかもしれない。
しかし、力道山が生きた時代は、「日本人」と「朝鮮人」の間の、海溝のような深い深い断層を、埋めることなど出来ない時代であった。
長い歴史の彼方から、DNAに刻まれた記憶が、力道山を呼んでいたのかもしれない。
もっと遠くへ。
もっと自由に。
こんなところで、立ち止まっていては、ダメだよ、
もっと遠くへ。もっと自由に、と・・・。
日本人監督だと、全く異なる質感になっていたと思います。事実かどうかより、どんな力道山像を描き出せるか、ですね。この監督は、よく頑張ったと思います。
今作のお陰で初めて知ったことも多かったです。
負けん気の強さや機を見る才能にも恵まれた人だったんですね。
ソル・ギョングはやっぱり凄いですね。
『オアシス』でも目を見張りました。
TBさせて頂きました。
ソル・ギョングのあの身体の作り方は、正しく正統派のプロレスラーの体型ですね。力道山とも似ています。
あまり、ボディビルのようなムキムキマンより、衝撃を受け止められるような柔らかさが必要なんですね。
ソル・ギョングのプロレスラー体型って本物に
近いと感じられたのですね。
ただ太るだけでも大変なのに凄いですよね。
しかも日本語まで覚えて、
それでいて演技も素晴らしくってそれだけでも
見応えありました。
力道山ご本人さんについてはもちろんあまり
知らなかったのですが、
この映画をきっかけに少しまた勉強させてもらいました。
そうですね、とても体を張ったいい演技でしたね。
懐かしいですね。
大先輩ではあられますけれど(笑)、若い青少年たちには、無理してもおっつけませんから、日向ぼっこでもして、おしゃべりしていたいですねぇ(笑)
ご推察の通り、力道山の時代は、大相撲はラジオの放送しかありませんでした。本場所は大阪春場所を一度だけ見に行きました。高くてとても何度も見に行けませんでした。
余談ですが、映画『力道山』に出てくる東浪(当時の横綱東富士)は、怒濤の寄り身で有名でした。プロレス転向後は、(ご存じの通りだと思いますが)パッとしませんでしたね。
そうですか。鮮明だったでしょうね。
でも、多くは、ラジオですか?本場所も観にいかれたりしてたんだと思いますけど。
豊登や芳の里なんかも相撲出身でしたよね。
現役(関取)時代は、どうだったんでしょう。
大相撲の関脇時代から力道山は知っています。
その気っぷのいい取り口は気持ちよかったです。
張り手にも似た猛突っ張りが最大の武器だったと思います。
当時の横綱、大関も最低一度は力道山に苦杯を喫しています。
プロレスに転向した時、その技が空手チョップとして活きたのではないかと、自分で思っています。
>日本人の誰も疑わなかった力道山の日本語と考えると
たしかにそうだけどね。でも、もう、力道山の肉声を聞いたことがある人のほうが、少なくなってきているし(笑)
大化の改新以前というのは、僕は専門家ではないけど、当然、蘇我・物部と天皇家を巻き込んで、権力闘争がありますね。歴史(史書)は改竄されているでしょうが、その経緯はやはり、日本に伝来したいくつかの民族の系譜による、代理戦争的な歴史観があると思うんですね。古くは、出雲や邪馬台国に遡りますけど。
狭義に見ても、現日本人、朝鮮半島のいくつかの民族の流入、東アジア圏からの流入が混在しており、もう少し広義にみれば、ポリネシアあたりの海洋民族からの流入と、ペルシャ(いまのイランあたり)からのシルクロードを経由しての流入が混在しているはずです。
天皇家の発言にもありますが、万世一家なんてありえないわけですからね。これは、古墳を暴いてみれば、すぐにわかることだと思います。
力道山の祖先は、昔の高句麗あたりかと思いますけど、ちょっと、ロマンチックにとれば、はるか昔、日本にも渡った王族の末裔であると捉えたい気がしますね(笑)
皆さんがお褒めになるソル・ギョングの日本語は、短い期間であそこまでよく話せるようになったと言ってもいいとは思いますが、日本人の誰も疑わなかった力道山の日本語と考えると絶賛したものか、と天邪鬼の私は思ってしまいますね(笑)。映画というのはスクリーンに現れたものが全てですから。
>あってもいいと思いますけど、僕は、日本・韓国問題は、大化の改新以前に、遡りたいほうなんですよ。
私もそう考えるほうです。ご不都合がないようであれば、もう少し詳細をお伺いしたいのですが。
馬場、猪木の旧日本プロレス時代からです。
この映画を見て、忘れていた、幼い頃の「茶の間」を思い出しました。もちろん、力道山の活躍を、家族がどんな動作で応援していたか、まで、一瞬で思い出されました。
映画って、おそろしいですね(笑)
ブログをみて力道山についての、驚くほどの研鑽に感服いたしました。
自分のブログ内容が薄っぺらなんで恥ずかしい思いです。
熱演でしたね。
日本人で、いま、力道山を演じられる役者さんって、誰なんでしょうね。ちょっと思いつきません。
これ本当に良かったです。映画館で観ようと思ってたんですけど、、、失敗したぁ~。やっぱり映画館で観ればと後悔してます。
それにしても、ソル・ギョングの体当たりの演技には脱帽です。中谷美紀の綾も良かったですね。
役者もよかったんですけど、「力道山」って強烈な印象を残しますよね。現代のヒーローは、たくさんいますけど、ちょっと、「強烈さ」の種類が違う。やっぱ、とても深い「渇き」のようなものがあり、それが現在は希薄になってきているのかもわかりませんね。
何時もブログにコメント残して頂いてありがとうございます。
たまには私からもお邪魔させてもらいますね(^^)
私は「力道山」の事をよく知らない人間だったのですが、この作品を観て強烈に印象に残りました。
それだけでも観る価値はあったのかと思っております。
それと、ソル・・ギョンクは相変わらず圧巻の役作りと演技力でしたよね。
よっぽど、プロレスマニアじゃない限り、力道山の実像は、そのころの世代でさえも、知らないんじゃないでしょうか。そういう意味でも、こういう映画で、ひとつの解釈がでてきたのはいいことだと思います。
TBありがとうございました。
力道山ことは”街頭テレビ”のヒーローだったことくらいしか知らず、
日本人じゃなかったことも相撲取りだったことも知りませんでした。
頭のいい、エネルギー溢れる人だったんですね。
この映画の全てがホントのことではないでしょうが
少しでも知ることができて、興味深かったです。
中谷美紀さんのしっとりした美しさもよかったなぁ。
政治・経済の裏面史というものは、なかなか、研究の対象にはされず、個人のジャーナリストなどのがんばりのなかで、ある程度が出されるだけです。
新聞・テレビの伝えているものは、安全無害な、表層の一部だけというのは、多くのヒトがわかっているんですけどね。
今後は、インターネットによるジャーナリズムが主流になってきて、どこかで、風穴が開いていくのだと、思いたいのですが。
力道山氏が朝鮮半島の生まれというのは、当時の日本人の殆どが知らなかった事の様ですね。自分の場合は、かなり以前に書籍でその事実を知ったのですが、仰る様に政治の闇の部分に関わっていた”可能性”は、件の本を読む迄全く知りませんでした。或る意味、時代に翻弄された人物という感じがして、気の毒さを覚えます。
この映画は未見なのですが、レンタルビデオ店で近い内に借りて見ようと思っています。
今後とも何卒宜しく御願い致します。
舞台挨拶、ご覧になられたんですか。
なんか、お人柄が謙虚そうで、いい感じですね。
日本でも、ファンが増えると思いますね。
僕も、村松さんの一連のエッセイ・小説は、楽しく読みました。
梶原一騎も、功罪あったけど、ずいぶん、プロレスファン層を拡げましたね。ミーハーだけど、ミル・マスカラスあたりまで、夢中だったかな。
村松氏の「私プロレスの味方です」が出版されたときは、嬉しかったなぁ・・・
あの頃がプロレス人気の絶頂期でしたね。
今は、新日本プロレスもうらぶれて、寂しい限りです。
そうですね。日本人の役者さんも含め、いろんな役者の顔を思い浮かべるんだけど、いませんね。やっぱ、すごいですね。彼は!
韓流といわれる流れからはずれる、正統派の魅力にオバ様たちも気がついて欲しいものです。
そして、藤竜也の存在感もすごかった。
>ネットでは、反日であるとか、珍しく日本批判がないとか、韓国・日本双方から、いろんな議論があるようですね。
うーん、そんなの必要ないと思うんだけど。ハリウッド映画にそんなこという人いないでしょう。なんだろ~。
ご丁寧にどうも。
僕もblog1年と数ヶ月になりますが、運営会社によって、いろいろルールが違ったり、相性があったりするらしいですね。
いまでも、よくわかりませんが(笑)
ブログにTBありがとうございました。
こちらからはgooへTBが着けられないので、TBのお礼だけのコメントです。
気軽に遊びに寄ってください。
韓国の男優さんは、みんな鍛えられた肉体をしていますが。
普通、そんな急速に体重増やしたら、もっとぶよぶよになっちゃいそうですが。
筋肉増強剤かしら。副作用が心配です(笑)
なんかブログで公開しちゃうのが勿体ないほどのレベルですね。
すごいなあ、kimionさん。
ソル・ギョングは韓国でも貴重な存在の俳優さんですね。
こっちゃんもあちこちの映画でこの方に出会いましたが、
いまや「出てくるだけで安心できる俳優さん」のひとりです。
日本語、良く頑張りました。◎ッ!
力道山って、漫画も伝記もとてもたくさん出ています。いろんな伝説があって、真偽を検証したわけではないけれど、戦後で言えば、同じ朝鮮出身の大山館長と双璧でしょうね。とてつもない、伝説は。
読ませていただき、力道山についての知識を得ることが出来ました。
成功すればするほど、孤独になっていく男。
満たされることのない心のみぞ。
力道山まさに孤独なファイターですね。
この映画を邦画だと思っていた方も、たくさんおられたと思いますね。こういうかたちでの、日韓合作がもっとでてくるかもわかりません。日本の監督さんと主役が出て、他は韓国のスタッフ&キャスト。そうすると、草薙君あたりか(笑)
>よし坊さん
どこからどこまでが、力道山で、そのあと、吉村、豊登などを経て、馬場・猪木時代などか、記憶では、ごちゃ混ぜになってしまうところも、ありますけどね。
懐かしい名前が並びましたね。ボボ・ブラジルとか、キラー・コワルスキーなんてのも居りましたね。
映画ですが、ソル・ギョングの日本語、上手いですね、感心しました。
これからもチョクチョクお邪魔します。
そして返信が遅くなりましたことお詫び申し上げます。
勝手ながら都合によりメインのJUGEM版やっぱり邦画好き…でTBの返信をさせていただきます。
これからもよろしくお願い致します。
「公共の敵」は最近でしたね。まだ、観ていないんですよ。DVD出ているのかしら。それにしても、存在感のある役者さんですね。
>sakuraiさん
やはり、敗戦、占領政策のなかで、鬱屈していた日本人が平均だったんでしょうね。欧米の大男をやっつける力道山、あの万歳!万歳!で沸き返る日本人の姿は、わかるような気がします。
ちょっとあとに生まれたので、力道山を生では見てませんが、あのTVの前で興奮状態でプロレスを見ていた日本人、あの熱気はなんだったんだろうと、思います。
しかし、ソル・ギョングという役者の力の入りようはいつもびびらされます。凄い役者さんです。
時代、周り、そして自分で自分が時々コントロールできない・・で、この時代に夢を与えてくれてキラキラ光っていた力道山、その光と私生活の影・・・・ その辺りの憎めない可愛い男をソルギョングがうまく演じていたと思います。
彼は素晴らしい役者さんなので、これからも期待しているんですよ。 上の作品の他に「公共の敵」もお勧めです。
おっしゃるように、力道山の業(カルマ)の深さなんでしょうね。
限界がない、これでよし、というものがない、ということは、みていて、つらいですね。
TBありがとうございました。
栄光をつかめばつかむほど、自分を追い込んでいく
力道山の生き方が観ていて辛い映画でした。
力道山という男の業の深さを見事に体現した
ソル・ギョングの演技にも圧倒されました。
私は力道山の時代を知らない世代ですが、
その当時の熱気は伝わってきたように思えました。
僕は昔は、やはり、プロレスの興行がらみの、やくざとのトラブルだと思っていたんですけどね。なんか、力道山の、自分で招いた破滅のようですね。
>akiさん
本当に笑うことはなかったんですね。映画では、綾との記念写真で不器用な笑顔を撮っていますけどね。
『日本で一番笑う人』になりたいと思って、頑張ったはずなのに、頑張れば頑張るほど『笑えない』方に自分を追い込んで行った気がします。
この映画を通し、力道山が生きていた時代の事や、もし彼が今の時代の人だったら・・・など、色々考えてしまいました。
以前ドキュメンタリーで、力道山を刺殺した元ヤクザの犯人の告白を見たことがあります。
みんなの前でボコボコにされて、本当に殺されると思った、ヤクザとしてのプライドもあって、必死で刺してしまった、と言っていました。
映画とはちょっと違いますが、この告白を元にシーンを作っているのかなと思いました。
記憶の底の僕もあります。この役者さんは、体型も似させて、撮影にのぞんでいますね。
>猫姫さん
監督・主演は、韓国だけど、出演者・スタッフの多くは日本人という珍しい形式で、僕は、意味があると思っています。
ネットでは、反日であるとか、珍しく日本批判がないとか、韓国・日本双方から、いろんな議論があるようですね。
あってもいいと思いますけど、僕は、日本・韓国問題は、大化の改新以前に、遡りたいほうなんですよ。
映画としては、韓国っぽくないと思いました。邦画だと思ってみていた、、、
この映画を見た時は、良くできた伝記物で、かなり良い印象だったのですが、
あとでいろいろ知ると、、、反日映画のように思えてきてしまいました。
記憶の奥にあった力道山が、映画以上に、うかびあがったきがします。
原作の短編は好きでね。日本版はもうひとつ。この映画の、セシリアは、本当に、儚げで、いつものだみ声もありませんでしたね(笑)
>ケントさん
シャープ兄弟は、うろ覚えですね。まあ、ミル・マスカラスぐらいまでは、来日レスラーの情報は、全部といっていいぐらい持っていましたね。大半は、いかがわしいレスラーだけど、そこもまた捨てがたい。
>あむろさん
僕は、大学出るまで、東京じゃなかったので、わかりませんね。検索で調べられるんじゃないかな?その当時のリキパレス行ってみたかったなあ!
>メビウスさん
あのプロレスの演技は、半端じゃないですね。知人が、格闘技関係者ですが、素人にみえないと言っていましたよ。
>ダディ・ヤンキーさん
そうですね。僕も小学校に上がる前は、いつも父の自転車の後部にチョコンと乗っていました。途中で、父が知らぬ間に振り落とされたこともしばしば、あったようです。
>たろさん
たぶん、こんなに本格的なスタッフの日韓合同体制で映画が撮られるのは、はじめてかもしれませんね。
>sabunoriさん
力道山は、よく覚えていますね。でも、映画の試合は、もっとあとの時代に開発された技も混ぜていたように思います。自信がありませんが。やっぱり、空手チョップ!クラスでも、いつも、プロレスごっこをしていたからなあ。
一発逆転を狙って大芝居に出るシーンですっかり力道山が
大好きになってしまいました。
川で軍歌を一生懸命唄うシーンにホロリ、なんてしていたら
計算の上の行動だったとは・・・。
劇場で観た時、なんとこの私が一番若者なくらい年齢層が高かったのを憶えています。
みなさんリアル力道山をご存知の世代の方たちですね。
弊ブログへのトラックバック、ありがとうございました。
こちらからもコメント&トラックバックのお返しを失礼致します。
詳細な記事を興味深く拝見させて頂きました。
僕は力道山さんにリアルタイムで触れていない世代ではありますが、この時代を再現した映画世界と出演者の皆さんの個性的な存在感が大きな見所であったと思います。
また遊びに来させて頂きます。
ではまた。
kimionさん、 トラックバックありがとうございました。
力道山について、おぼろげにしか覚えていませんが、
詳しく知ることができて、楽しく拝見させていただきました。
あの時代は、父の自転車に乗った時、背中から漂う、父のタバコの匂いがします。懐かしいです。
結構脚色がされているとは言え、力道山と言う名前と空手チョップのみしかしらない自分にとっては、力道山の激動の生涯を良く知る事が出来た貴重な作品だったと思います。個人的にこういった実話系の映画は好きなジャンルでもありましたので☆
ソル・ギョングの迫真の演技や日本語の上手さもあって、かなり引き込まれましたね。
TBありがとうございます。
主演のソル・ギョングさんの男っぷりと日本語のうまさ、それから何よりも肉体に脱帽です。
たくさんの格闘家とのプロレスシーンは感動しました。
リキパレスやリキマンションは力道山の死後、どのようになったのでしょうか。
kimionさん、おわかりになりますか?
TBありがとう。こちらからもTBさせて頂きました。
kimionさんのブログを読んでいると、僕と同年代のように感じました。
シャープ兄弟見たのですね。
懐かしさと、あの時代に対する愛情を感じました。
10月に「地下鉄(メトロ)に乗って」が上映されます。僕は必ず観ますが、kimionさんも是非ご覧になってください。
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私はこの映画、結構面白く見ました。
>この監督の「ラブ・レター/パイラン」という映画
私も好きです。原作⇒中井貴一さん主演の日本版⇒パイランという順番で見たのですが、日本版より韓国版の方が、チェ・ミンシクさんが合っていてより面白かったです。
ソル・ギョングさんは、ペパーミントキャンディ、オアシスがとても印象に残っています。
「私にも妻がいたらいいのに」も、結構好きです♪
ははは、そうですね。
「ペパーミント・キャンディ」は、見ています。
10年ぐらい前かな。ソル・ギョングの長編デヴュー作。
あの作品の頃から、韓国映画を、注目するようになってきました。
ソル・ギョング、私も大好きな俳優です。『ペパーミント・キャンディ』はご覧になりましたか?
未見でしたら是非。オススメします。
ではでは。